ご隠居さん:自我や世間の枠にとらわれず、社会の潤滑油となりたいものです。 AI時代は 人間らしい自由な発想がカッコいい

年を重ね、経験を積むにつれ、その時々の思いも変わっていく。その足跡を残しておくために

産廃中間処分から自然との共生へ

2016年04月28日 | 私生活 雑感
新聞のチラシで 3年前に見学した石坂産業が 里山エキスポというイベントを盛大にやるというので、孫を誘って行ってきた。
午前中は小雨、森の新緑がひときわ目に映える。
建設廃材の中間処分場が本職だが、環境、品質、生物多様性などの国際認証を活用して、国交省 建設機械メーカー、地域農家、県など 利害関係者に働きかけた活動により、成長を続けている。
今回は、トークショー、対談、講演、大道芸、紙芝居など 目移りする位 盛り沢山!
二人の孫も出店をキョロキョロ、森の毒?キノコを集めたり、日本ミツバチの箱に近づいたり興奮気味。
ユネスコ遺産の和紙の手すき体験、帰りまで作品の受け取りを ずっと楽しみにしていた 。水車石うす、落ち葉の発酵熱による足湯は準備中。
SL機関車は 待ちが長いためパス、ショベルの操作体験やボールすくいと忙しい。
子供による子どもだけのフリーマーケット
森と広場の広さは、東京ドームの3,5倍という。会場案内は、老若男女のボランティアのガイドさんが笑顔で迎えてくれる。
多分、この会社の社会貢献に一役買いたいという思いからだろう。
孫たちが一番気になったのは、最後の 抽選会。20社以上のスポンサー企業が各3-50本の賞品を提供、一等賞のペア旅行券まで 1時間半もかかった。
当選番号が4000番以上あり、250本位が当たり。孫と爺3人とも引き当てられ、大喜びで帰路に着いた。
こういう地道な取り組みが空しくなるほど、現実の環境・エネルギー問題は深刻になる一方だ。今月、来日したウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領の演説が世界の共感を集めている。
彼は訴える、「持続可能な発展と世界の貧困をなくすと言いながら、私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?
西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億~80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?
この無限の消費と発展を求める社会、、、我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。
発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。」何と考え抜かれた勇気ある言葉だろう。
核や資源や経済の競争で、国同士が争う余裕は 今や我々地球人にはない。今、阿部政権は「この道しかない」という真逆の方向に突き進んでいるのではないか?
イギリスの「車いすの天才物理学者」ホーキング博士は、「地球は危機的状態、生き残るには他の星に住むしかない」と地球の未来を悲観し、太陽系に最も近い恒星ケンタウルス座アルファ星をめざす超高速宇宙船開発に参加しているという。(開発には20年かかるというから、気の長い話ではある)



【 以下は 2013年5月 19日 投稿 】
異業種交流会の見学会で、所沢の産廃処分場を観てオドロキ!!
ずっと以前に、焼却場からのダイオキシン大気汚染で、所沢の野菜が連日TVで話題になり、悪いイメージがあった。
ところが、この石坂産業http://ishizaka-group.co.jp/という会社は、建設廃材(木クズ、コンクリート・アスファルト塊)の分別・リサイクル処理を、建物の中ですべて行い、粉じん・騒音などの環境対策(集塵機、防音壁、電動なども)を完璧に実践している。
   環境プラント事業の仕事をしたこともあるが、これほどの施設は初めて!!
もっと驚いたのは、周囲の森の再生と地域コミュニティづくり、さらに学習活動など、生活全般に亘る社会活動:
くぬぎ・ナラなどの雑木林の*萌芽更新*を取り戻し、日本ミツバチ養蜂、ホタル池、子どもたちの環境体験(森の学習、工場見学、野外遊び)など、昔の里山生活を実感できる。       
それは、森と林に野鳥がさえずり、山野草が四季折々に芽が出て花が咲き、落ち葉で肥料を作り、人と生物が共存できるという循環するシステムだ。
*萌芽更新*
萌芽更新による森林は、定期的(20-30年)に伐採を行っても再生を繰り返す、永続的な資源となることから、入会地として地域で管理されているものも多かった。このような森林では、ほぼ同じ太さの樹木から構成され、また、同一種の2-3本がある程度まとまって存在することが多い。これは、先代の切り株から生じた主幹がそれぞれ独立な株となり、元あった切り株は腐って無くなったためである。なお、伐採を繰り返すと、このようにして生じた新たな主幹は次第に距離を置くことになる。これを木が歩いたと表現する例もある。


この会社は、産業廃棄物の処理事業を通して、”環境との共生”に挑戦してきたという。
それは、焼却炉からのダイオキシン問題が契機になった。
創業者の後を継ぎ、今は女性社長(なかなかの美人)で、女性登用・子育て支援などの快適職場、社会貢献企業といった話題性もある。数々の個人・企業・地域表彰も受賞。
経営者の強い”思い”が、地域・NPO・国や県・環境設備メーカーの夢と正義に火をつけ、本気の協力を得られたのではないだろうか?そうだとすれば、高齢社会は、マイナスを補う以上に可能性に満ちている。
昼食も地場・三富産にこだわった「旬」の新鮮食材で、とても味わい深かった。
見学の最後は、「三富語りべ館」           

古民家の庭には、つるべ井戸、水琴窟、堆肥・苗床が並び、納屋には、昔の農具が展示してある。
すべて人力でやっていた戦後S30年代まで、農業は過酷な作業だった。
落ち葉の発酵熱で沸かした湯で、「足湯」まで用意されている。
武蔵野の農家は、江戸武家屋敷まで20-30km、大八車に薪、野菜、炭などの産物を積み、帰りは糞尿と交換して肥やしにしたという。今でも、高齢者から、その思い出を聞くことがある。
畑と森の”里山”で、循環型の生活が成り立っていた。
古民家の1階には、民具が展示されている。
キセル、木の火鉢、炭火のアイロン、織り機、かまども懐かしい。
2階では、地元の「童絵」作家の森の絵が飾ってあり、この地方の民話を「紙芝居」で紹介してくれた。
世界規模で、生活スタイルのいろんな共通化が進む一方で、昔ながらの生活を見直し・学ぼうという力強い活動・・・人間という多様性に改めて感心した。


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