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安倍政権の歴史的評価

2022年07月12日 | 政治 経済 社会 憲法
2022/7/8参院選の応援演説中に、安倍元首相が銃弾に倒れた。
いつか、安倍さんの政治生命は行き詰って引退するか、病状の悪化で絶たれるような気がしていたが、新興宗教がらみでこんな形で一命を落とすとは誰も考えられなかっただろう。
マスコミはじめ、世界のリーダーからの哀悼の意が伝えられ、「死者に鞭打つなかれ」というムードの中で首相在任中の功績?に賛辞ばかりが報じられている。
山上容疑者は「政治信条ではない」と言っているのに、「暴力による言論封殺は断じて許せない、民主主義の危機だ」と声高に語られることには違和感がある。
安倍さんが統一教会(当初、特定の宗教と呼ばれていたが、選挙後のこの団体の会見で明白になった)と深く付き合っている事への恨みが、犯行の主原因なのに!
これから、この宗教団体と政治の問題が取り上げられることになるだろう。

政治学者の姜尚中(カン・サンジュン)さんは、当分「安倍政治とは何だったのか」が評価しずらくなった、とコメント。
また、安倍政権の政策に依り、日本には「目に見えない38度線が濃くなってきた」ともいう。
つまり、大戦の戦争責任、天皇制、東京裁判の是非、サンフランシスコ講和、日米安保とくに日米地位協定や密約、
など、国家として明確な総括をしてこなかった。
この理由の一つは、1945年8月の敗戦の玉音放送を境にして、全国の公文書が焼却廃棄されたことが大きい。口先だけの透明性、日本の文化に潜む隠蔽性は根強い。
色々な立場によって、都合のよい解釈、正当化が行われて今日に至っている。
戦後50年後、アメリカの公文書公開で、密約など重大な事実が明らかになるケースがあり、これに頼らざるを得ないのは何とも情けないことだ。
安倍政権のキャッチフレーズの変遷、「戦後レジームからの脱却」「美しい日本」「一億総活躍」「地球儀を俯瞰する外交」「アベノミクス3本の矢」からも、地に足を付けた戦後の方向が見えてこない気がする。
その意味で、安倍政権の評価は戦後の日本の総括でもあると思う。
安倍晋三a暗殺から2年経ったi今

2024/1月
安倍の政治資金法不正で金にまみれた安倍政治がaak明らかになり
またも
日本の政治に絶望感が漂っている。
国力のte低下に拍車がかかるのはまっ違いないだろう。
何とも情け無い!!

  **以下は2019年3月13日投稿文**
安倍政権の目まぐるしいほどの施策の結果は、憲法改正、外交、経済、原発などで根本的な問題を露呈してきた感がある。
改憲問題では、最近も、「違憲の状態では、自衛隊員の子息が肩身がせまい」とか「自衛隊が憲法に明記されていないから、自治体の隊員募集の協力度が低い」とか、コロコロとその根拠を思い付きでしゃべり、ヒンシュクを買っている。
(このトンデモ感が強みになっているのかも)実際は、教科書にも違憲と書いているものは無く、「そういう意見もある」という程度だった。
22回もの安倍/プーチン会談で期待を持たせた北方領土返還は、現状ほとんど見込みなし、北朝鮮の拉致問題も「自分の政権で必ず解決する」と大見栄を切ったのに、この6年間一歩も進んでいない。
アメリカ頼みの圧力一辺倒で、交渉相手との人間的な信頼がない中で、大きな成果を得られるはずがない。この首相の不誠実さは、国民にも政治不信を深める一方で、何かしら危うさを覚える。
自画自賛のアベノミクスの成果も、実感なき好景気と借金の積み増しだけが目立つ。



3.11東日本大震災の原発の処理も、汚染水と除染度の処理や廃炉の長期化で、当初政府予想の22兆円を大幅に超え81兆円(民間試算)、さらに増える見込みという。



何よりも、原発再稼働にこだわるあまり、世界の再生エネルギー開発に遅れを取っている事が問題だろう。

この政権の”やってるふり”の政策が、いろんな分野での長期的で地道な活動(民間、行政の)を台無しにしているのではないか?官邸主導に名を借りた政権の締め付けで、各省の役人が萎縮しているとしたら、実に罪なことだ。
「タイは頭から腐る」ではないが、思いつきの薄っぺらな政治のツケが、目の前に山積みになっている気がする。
先日、TVで「二つの保守」ということで、田中秀征氏(元企画庁長官)が戦後の自民党の潮流を解説していた。
今の安倍政権につながる「自民党保守」と吉田、石橋湛山の流れをくむ「保守本流」の二つ。
自民党結党の原点、
1955年、民主党(岸、鳩山)と自由党(石橋、吉田)が、国内の共産化と中国・ソ連の勢力に対抗して自由民主党を結成、
いわゆる55年体制をスタートさせた。
もともと、この二つは戦争責任や外交路線で大きく違っていた。
民主党(自民党保守);大東亜戦争は止む負えない正当防衛の戦争だった、拡大主義と自主憲法 ⇒ 現在の安倍政権の改憲、大国主義につながる。
自由党(保守本流);戦前の侵略主義の反省と小日本主義 ⇒ 現憲法による平和主義
当初から2000頃までの冷戦・経済成長の時代は、人材に恵まれた保守本流が主流だったが、大平、橋本、小渕首相などの早世や加藤の乱の失敗もあり宏池会と経世会による保守本流が衰退し、小泉、安倍と続く清和会を主とする「自民党保守」が主流となり今が最盛期?
1955年(S30)の結党宣言(綱領)では、
「・・現行憲法の自主的改正をはかり、また占領緒法制を再検討し、国情に即してこれが改廃を行う。
 ・・国力と国情に相応した自衛軍備を整え、駐留外国軍隊の撤退に備える。」
確かに、安倍首相がよく言う「改憲による自衛軍の創設は、結党以来の党是」と言えるが、その後の日米安保と地位協定に支えられた米軍の駐留は考えていなかったはずだ。
こういう流れで、今の自民党を見ると、恐ろしいくらい戦後(否、戦前というべきか)を引きづっている。
個人的には、今こそ結党時の自民党に戻り、「保守本流」の流れを取り戻してほしいものだ。
石橋湛山は、戦前・戦中・戦後を通じ、一貫して「小日本主義、反軍国主義」を主張し、ジャーナリストから政治家に転身した。
「戦時中に日本は誤った道を歩んだ。もうそうさせてはならない、それだけで政治に入ったようなもの」
常に国際協調の中の“小国日本”とアジア重視の外交を信条とし、日中友好にも大きく貢献して来た。
台頭して来た中国、分断の危機にあるEU、内向きの本姓をさらけ出しているアメリカとこれに頼らざるを得ない日本、今からでも時間をかけた軌道修正が必要ではないだろうか。
そういう意味でも、自民党を分断してでも保守本流に期待したい。
出でよ!平成の湛山!
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