『黒狗』の小屋

毎週、(金)に特撮作品の感想、(日)に漫画の感想を書いてます。

三大特撮感想(2024/2/4分)

2024-02-09 22:50:21 | 日記

ウルトラマンブレーザー

第22話「ソンポヒーロー」、これは、なかなかに観ている者の心を切なさで締め付けてくるストーリー展開になってました。

今回の主役は、「SKaRD」のメンバーって訳じゃなく、とある保険会社で、毎日、クタクタになるまで働いている、どこにでもいそうな冴えないサラリーマン・テツオ。容姿はパッとせず、営業成績も奮わず、上司からは叱責され、同僚からは陰口を叩かれ、後輩からは愚弄される。鬱々とした気分で働きながらも、食っていくためには仕方ない、と心を殺し、毎日、薄っぺらい笑顔を貼り付け、足が棒になるまで飛び込み営業をかけていた。

いつものように営業が空振り続きで心が折れそうになっていた日、テツオは、一人暮らしの老女・ミチコさんの家に営業をかけ、彼女の家の雑事を手伝ったお礼に、美味しい手料理を振る舞われる。普通の和食ではあったが、毎日、半額になったコンビニ弁当ばかりを食べていたテツオにとっては、久しぶりに食べる、人の温かみが籠った料理だった。美味しいものを食べれば、自然と、心は緩み、口からは現状と自分に対する嫌悪感が漏れてしまう。そんなテツオの苦しみに対し、ミチコさんは「小さな目標を達成する幸せ」を説く。そして、彼女は契約書にサインをしてくれるのだった。

そんな温かい交流が交わされた後日、ミチコさんが住む地域に、冷凍怪獣・ギガスが出現。他の社員がバタバタする中、テツオはミチコの身を案じ、彼女の家へと急ぐ。とっくに逃げてくれている事を願っていたが、ミチコさんもミチコさんで、旦那がいない寂しい日々に限界を感じていたのか、我が家で最期を迎えようとしていた。疲れてしまっている彼女の気持ちは痛いほど理解できたが、テツオはここで、自分のエゴを貫く。何故って、ここで、ミチコさんが死んでしまったら、彼女お手製のハンバーグを食べられないからだ。ちっぽけな、でも、譲れない願いを胸に秘めて、老女をおんぶして、怪獣が暴れる街を激走するテツオ、漢じゃないか。

ブレーザー&アースガロンvsレッドキング&ギガスの戦いも、実に昂りましたね。レッドキング、ギガスともに、どちらも肉弾戦を得意とする脳筋タイプ。小細工をしてこない分、一撃は重いし、タフネス。しかも、レッドキングは岩が無いから投げて来ないとは言え、ギガスの方は冷凍ブレスを吐いてきやがった。もろに冷凍ガスを浴びてしまい、ブレーザー、アースガロンともに動きを封じられ、ピンチになっちまったが、凍らされたなら炎で溶かせばいい、とファードランを召喚し、危機を脱すとこは、さすがです。そして、チルソファード炎竜射とアースファイヤーの合体技で、オタオタする二匹を撃破するシーンにスカッとした事に合わせ、ラストで、テツオが地道な仕事を上司から評価され、彼を小馬鹿にしていた後輩が、顧客からクレームが入っている事を叱責されるシーンは実にざまぁでしたね。やっぱり、人間、小さな事からコツコツと進めていけば、デカいものを手に入れられるんだな。

 

王様戦隊キングオージャー

第47話「神を黙らせろ」は、何とも溜飲が下がるストーリー展開でした。なおかつ、改めて、ダグデドに対する不快感が、えげつないレベルで増しました。

前回、ジェラミーが受け継いでいた王の証の力によって、自分の能力で復活させた状態になっていた死体に命を宿らされたグローディ。ジェラミーを2000年も不老の状態で活かしていた代物だけあって、その力は凄まじく、もはや、「覚醒」と言ってもいいレベルでパワーアップしてしまったグローディは、17年前、チキューを絶望のどん底に突き落とした、大人災「神の怒り」を再び、発動させる。死なないグローディを倒すためだったとは言え、やらかしてしまった感はあるよな。

このタイミングで明らかになったのが、ダグデドの悪行。私はてっきり、ダグデドがチキューにいた人間を適当に選んで、シュゴッドソウルを強引に食わせ、グローディに変貌させたのかと思ってたんですが、違いました。グローディはダグデドが作り出した疑似的な生命体だったようです。つまり、ギラと、ある意味、同種!? しかも、グローディを作った理由ってのが、バグナラクが住んでいた星を「お掃除」させるためだったとは。恐らく、バグナラクも戦ったんだろうが、グローディの強さと能力に歯が立たず、逃走を選んだんでしょう。そして、行きついたのが、チキューだった。どっちが先だったのか、そこは判らんが、地球からやってきた人間も、そこにいて、最初は友好的な関係を築いていたんだろうけど、カメジムが争いの火種を放り込んだ事で、両者は憎しみ合ってしまった・・・つまり、ダグデドが何もかも悪い!!

ダグデドもグローディも許しておけないが、今は、何よりも、民たちを救わねばならない。ギラたちは、自分達の持っている力を活かすと同時に、協力する事で、誰も死なせない、と誓い合う。もちろん、その作戦には、ラクレスも力を貸すってのが熱い。ダグデドを倒すためだったとは言え、ラクレスは17年前、失敗してしまった。だからこそ、今、自分たちとは違い、仲間と協力できる関係を築いたギラたちの役に立つべく、奮闘する。かつて、ラクレスに仕えており、真意は見抜けていなかったにしろ、彼の優しさを知っていたドゥーガさんは、ラクレスと共に事に当たれる今に、思うトコがあったかもしれませんね。17年前、自分の失敗で家族を喪い、体も不自由となってしまい、今、生きる気力を失っていた女性に対し、真剣に謝罪するラクレスの姿に、グッと胸が熱くなったのは、皆さんも同じですよね。

民を、狭間の国「バグナラク」へ避難させ、安全が確保できたのなら、最後にすべきは、危険の直接的かつ物理的な排除。ギラ、ヤンマ、ヒメノ、カグラギ、リタ、ジェラミー、そして、ラクレスの七人の戦士で召喚したゴッドキングオージャーで暴走し、世界を壊すセミシュゴッドを一掃するや、巨大化したグローディとの戦闘に突入。如何にグローディが命を得て力を強くなっていても、ゴッドキングオージャーの敵ではない。しかも、今、ギラたちは全員、怒り心頭なんだから、攻撃力も倍増しって寸法よ。死にたがっていたグローディは倒された事で、永遠の静寂を堪能できる、と楽しみにしていたようだけど、そうは問屋が卸さない。これから、グローディは、本当に死ねない体で、永遠に、怨霊らの呪詛に苦しんでいくんだろうな。まぁ、正直、同情の余地は、これっぽちもないが。

 

仮面ライダーガッチャード

第21話「マッドウォーリアー!!黒炎のヴァルバラド!!」は、見事な晴らしで、心が熱くなりました。

前回、両親を目の前でグリオンに殺される記憶を思い出してしまい、復讐鬼、ウィールマルガムに堕ちたスパナ。自分の記憶を消し、10年の間、世話をしてくれた師匠の鏡花にも決別を告げたスパナは、グリオンへの復讐を果たすべく、まずは、自分の両親の命を弄んだエンジェルマルガムに怒りの矛先を向ける。怒りのままに暴走するからこそ、またしても、復活させられた両親を人質に取られてしまい、スパナの動きは鈍ってしまう。悲しみと怒りから変わり果ててしまい、それでも、優しさを捨てきれないゆえにボロボロとなる息子の姿に、何かを決心する両親。ここで、まさか、死者が使えないはずの錬金術を発動させて、両親が自決するとは誰が予想しましたよ。

懲りずに、スパナの両親を復活させようとするエンジェルマルガムだが、何故か、その能力が効果を発揮しない。動揺しながらも、この状況で戦うのは不利だ、と判断し、撤退するあたりは、なかなかに小憎たらしい。怒りをぶつける相手に逃げられ、ますます、荒れ狂うウィールマルガム。このままにしておけない、とガッチャードは力技で止めにかかる。ムーンマルガムを遥か先まで吹っ飛ばした時の威力を考えると、確かに、意識を奪える最低限のレベルまで絞り込んだんだろうな。使い過ぎると熱暴走を起こしてしまうガッチャーイグナイターを、宝太郎、使いこなしてる。ただ、目を覚ましたスパナの怒りは冷めていないようで、これは自分一人の戦いだ、と心配する宝太郎を激しく突き放す。まぁ、そこで匙を投げないのが、宝太郎の良い所で、それは仲間にも伝播する。彼らの協力を得て、ついに完成したヴァルバラドライバー。

そのタイミングで、鏡花を亡き者にして、スパナの心をより黒く染めようとするグリオンの命令で、エンジェルマルガムと三姉妹がやってくるんだわ。でも、ここまで、グリオンに冷遇されている事もあって、ラケシスは乗り気ではない様子。そんなラケシスが激しくなっている戦いの場から、こっそりと抜けだして向かった廃工場で対峙していたのは、スパナとミナト先生。ヴァルバラドライバーとダイオーニのカードを持っていたミナト先生は、自分がグリオンの命令で鏡花を殺害し、ドライバーを奪った、とスパナに告げる。それを聞かされ、ただでさえ、切羽詰まっているスパナが冷静でいられるはずがない。簡単にプッツンしてしまったスパナはウィールマルガムに変貌し、ドレッドとの戦いに突入。だけど、普段の冷静さを失っている状態で、ドレッドと互角の戦いが出来るはずもない。あっという間に窮地に陥ったスパナだったけど、そこで、彼は自分が両親、そして、鏡花に生かされていた事を自覚する。スパナの心の炎は激しさを保ちながらも、穢れた黒ではなくなり、美しい橙色へと変わる。スパナの気持ちの変化は、彼に憑依していたマッドウィールへ伝わり、マッハウィールへの再練成!! えっと、これは良い事なんだけど、「パイレッツ」とガッチャンコする時、「マッドパイレーツ」じゃなくて、「マッハパイレーツ」になるのかな? まぁ、そこはさておき、スパナはミナト先生に勝利し、ガッツショベル、ゲキオコプター、ダイオーニ、そして、ヴァルバラドライバーを自らの手にした。

そして、スパナはガッチャード、マジェードが、エンジェルマルガム、クロト、アトロポスが戦う場に堂々と参上。ついに、スパナは仮面ライダーヴァルバラドへの変身を果たす!! マッハウィールの内燃機関による変速力とダイオーニのパワフルさが見事に合わさった戦闘スタイルで、エンジェルマルガムを一気に序盤から圧倒する!! そんなスパナの熱に触発されたのが、ジャマタノオロチ。どうやら、ヴァルバラドの場合は、ビーグルケミーと同じナンバーのカードを使って、フォームチェンジっつーより武装化するみたいだな。ガッツショベルとジャマタノオロチが合わさった「オロチショベル」はガッツショベルの強力な掘削、ジャマタノオロチのどこまでも伸び、敵を絞めつける特性を活かしたものらしい。ヴァルバラドクラッシュによって、マルガムから解放されたエンジェリードは、自分を助けてくれたスパナに礼をするように、彼と彼の両親を今一度、再会させてくれた。ほんの少しだけ、心が軽くなったスパナだけど、やっぱり、宝太郎には冷たい。まぁ、何だかんだで、鏡花さんの所に戻ってきてくれたんだから、少しは穏やかになったのかな。にしても、今回、ミナト先生、体を張り過ぎ。鏡花さんも言っていた通り、何らかの思惑があって、グリオン側にいるのか。こりゃ、あるかな、ラケシスと手を組んでグリオンを出し抜こうとする流れ?

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今日の出来事(13-2-4)

2024-02-04 20:47:19 | 日記

comicアンスリウム(2024/2)一言感想・その①

断ち切るほどに、恋しくて(後編) 大島あき

こりゃ、奥さんと子供の髪を切る日も近そうだ。

鳩羽さんと猿山くん GURIDA

ガテン系純真兄ちゃんとムッツリスケベな事務さんの組み合わせ、最高だわ。

新妹×うちなんちゅ タイガー

こりゃ、成績がガタ落ちした責任を、妹ちゃんに体で取って貰うしかないw

どっちが犬でしょう? あらと安里

世の中、潔く負けを認めた方が幸せになれる場合もある。

再会 るるえぱ

優しいだけの男はつまらない、って言う女性は、本当に優しい男の凄さを知らないだけだろうな。

主従願望 鷹丸

自分は大丈夫だって執拗に言い聞かせようとしている時点で、大丈夫じゃないってのはお約束。

両想いラブラブ中出しセックスしないと出られない部屋 海山そぜ

『再会』と同じく、女性に優しく出来る男が勝利を掴めるって話が好きだな。

カチカチ×かまちょ てばさきのぶお

カップルの破局を見事に阻止した大城さんのラブコメも読んでみたいなぁ。

誘惑スイーツホーム 眞空エマ

桃ちゃん、もう少ししたら、新しいママだけじゃなくて、弟か妹が出来るかもね。

姫路姉妹はオトしたい(前編) 仲尾ハム

双子に挟まれ、どっちを選ぶのかってのは定番だからこそ、キライじゃない。

 

今週の食事

1月29日(月)

朝食

バケット(リンゴジャム)、烏龍茶

昼食

おにぎり(若布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

夕食

ごはん、烏賊と野菜の炒め物(烏賊、舞茸、モヤシ)、中華スープ(若布、キャベツ、青梗菜、人参、葱)、烏龍茶

 

1月30日(火)

朝食

バケット(リンゴジャム)、ほうじ茶

昼食

おにぎり(梅紫蘇若布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

間食

餡饅、烏龍茶

夕食

ごはん、肉野菜炒め(豚こま、モヤシ、韮、茄子・麻婆茄子の素)、中華スープ(若布、キャベツ、青梗菜、人参、葱)、烏龍茶

 

1月31日(水)

朝食

バケット(リンゴジャム)、ほうじ茶

昼食

おにぎり(若菜若布御飯、鰹昆布)、ほうじ茶

間食

餡饅、アップルティー

夕食

ごはん、肉炒め(豚こま・麺つゆ)、レタス、味噌汁(若布、キャベツ、青梗菜、人参、葱)、ほうじ茶

 

2月1日(木)

朝食

バケット(リンゴジャム)、ほうじ茶

昼食

おにぎり(若布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

間食

稲荷寿司、アップルティー

夕食

鉄火丼(山葵醤油)、中華スープ(若布、キャベツ、青梗菜、人参、葱)、ほうじ茶

 

2月2日(金)

朝食

バケット(リンゴジャム)、烏龍茶

昼食

おにぎり(梅紫蘇若布御飯、鰹昆布)、烏龍茶

間食

干し芋、烏龍茶

夕食

ごはん、肉野菜炒め(豚こま、午房、蓮根、筍、人参、蒟蒻・青椒肉絲の素)、中華スープ(若布、キャベツ、青梗菜、人参、葱)、烏龍茶

 

2月3日(土)

朝食

肉饅、餡饅、烏龍茶

昼食

鰯の竜田揚げサンド、烏龍茶

間食

コーンフレーク

夕食

焼きそば(豚こま、キャベツ、人参、モヤシ)、具沢山味噌汁(木綿豆腐、大根、人参、蒟蒻、午房)、緑茶

 

2月4日(日)

朝食

コーンフレーク(お汁粉)、緑茶

昼食

バケット(ハヤシライスのルー)、ほうじ茶

間食

コーンフレーク(レモンティー)

夕食

ごはん、肉野菜炒め(豚小腸、キャベツ、法蓮草、オクラ・回鍋肉の素)、具沢山味噌汁(木綿豆腐、大根、蒟蒻、人参、午房)、ほうじ茶

 

今日、読んだ本

いや、ちょっと、待って、(3)と(4)でガッツリ描かれた「人魚編」があんだけ面白かったのに、この(5)から開幕した「呪いのゲーム編」、序盤から、メッチャクチャ面白いんだが・・・・・・凄い。

改まって言うような事でもないんだけど、この『出禁のモグラ』、前作の『鬼灯の冷徹』とは違ったベクトルの面白さに攻めていて、なおかつ、江口先生の成長を読み手に感じさせてくれる。

オカルトネタを絡めた面白可笑しさで、読み手を「クスッッ」と笑わせてくれる、そこは『鬼灯の冷徹』でも用いられていたテクニック。

そのテクニックは、この『出禁のモグラ』でも使われているんだけど、コメディ色はあえて抑え気味にして、シリアスっつーか、各編の、軽々しく扱っちゃいけないテーマを、読み手に「アナタたちは、どう考えますか?」と問うてくる感じに、江口先生の人間的な深味を感じさせてくれる。藤田作品のように、読み手へぶつかってきてくれる漫画が、そら、つまらん訳がない。

この「呪いのゲーム編」で、江口先生が持ち出してきたテーマ、それは何なのか、私の読解力が到らぬ事もあって、正解なのか、は判らんけど、個人的には、「一線を越えちゃった、一芸を極めたオタクの業と闇、それは許すべき罪か、それとも、絶つべき悪か」と思った・・・・・・自分でも、いざ、言語化してみて、何のこっちゃ、と首を捻ってしまうんだが、大雑把に言えば、「無邪気は悪か、悪じゃないか」だ。

ネタバレになってしまうんだが、この「呪いのゲーム」を発現させ、プレイヤーを(悪)夢の世界へと引きずり込み、連続プレイで脳を休ませず、過労死に追い込んでいるのは、他者からの批判を病的に恐れ、そんな自分を誰よりも自分で嫌ってしまい、そして、霊となった時、誰も自分を酷評せず、同時に、自分が楽しいだけの夢の世界を作る力を得た、天才ゲームクリエイター。

彼は、特定の個人を恨んでもいないし、世界そのものも憎んでいない。ただ、自分の作ったゲームを全力で遊んでくれる人たちの奮闘を見て、自分自身が楽しい思いをしたいだけ。生きた人間を片っ端から疲労で殺す事が目的ではなく、結果として、死の淵まで追い込んでしまっているだけ・・・悪意を軸にした行動じゃないだけに、却って、厄介で面倒臭くて、取扱注意案件。

現実にもいるだろう、決して、悪気はなく、ただ、自分の「やりたい事」を優先して行動を起こし、目も当てられないトラブルを起こしてしまうタイプの人間が。決して、人間のクズではないが、かと言って、人畜無害な善人からも程遠い。ハッキリ言えば、深い関りを持ちたくない、自分の側にいられたら困る存在だ。

そんな善でもなく、悪でもない、実に人間らしい感情と願望で、この天才ゲームクリエイターの霊は自分だけの世界を作り上げた。彼の作ったゲームをクリアできなければ、死ぬまでプレイ地獄。一度、クリアしている森君(ver.2)を新たな仲間に迎えたモグラたちは、このゲームをクリアし、同時に、この霊をどうにか出来るんだろうか。自分が非難されない世界が欲しい、ってのは誰もが望むものだけに、力づくで祓っちまうってのは後味が悪くなっちまいそう。

それにしても、この(5)で、最もギョッとさせられたのは、表紙も飾っている浮雲さんと真木くんが梅雨の元で会話を交わし、衝撃的な事実がサラッと明らかにされた第36話「梅雨の中にて」だった。やっぱりなぁ、と思いはしたが、ここで、しかも、ポロっと出すか、と戦慄した。何より、浮雲さんの、モグラとは異なり過ぎる、人から懸け離れている感じにゾワッとする。彼女の存在が、これから、物語をより面白くしていくんだろうな・・・ほんと、江口作品は面白いなぁ。

 

この台詞を引用に選んだのは、確かに、と納得できる言葉だったので。

あのトラブルに巻き込まれて、気持ちの置き所が変わって、毎日を生きる事にある程度の余裕が出来た森君が言っているのも大きいだろう、これは。

人間、持っている手札ってのは、各々で違って、人生はその手札だけで戦っていくしかない。

使える手札は使うべきタイミングで活用する、それが、人生強者になるコツかね。

「不思議なもので、この顔を人にイジられるのは嫌だったのに、自主的に活用してやろうと思ったら、わりと楽しかった。人間、現金なもんだね」(by森奏芽)

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三大特撮感想(2024/1/28分)

2024-02-02 19:05:42 | 日記

ウルトラマンブレーザー

第21話「天空の激戦」は、ヤスノブさんをメインとして、「SKaRD」の絆がピンチを乗り越える事でグッと強まったストーリー展開でした。

次から次へと強力かつ厄介な能力を持ち合わせた怪獣が出現し、何かを隠している上層部としては頭が痛い日々が続いている。まぁ、その上層部の無茶振りで、余計な仕事を増やされるのが、現場なんだけど。今後、更に強い怪獣が出現しても被害を拡大させないために、アースガロンの強化が急がれていた。そして、今回、アースガロンに装備されたのが、空中戦用の翼。ますます、カッコよくなっていくな、アースガロン。

しかし、強力な装備を付けた分、訓練はより苛酷になっていくのが、世の常。搭乗員の安全は確保されるシステムにはなっちゃいるんだろうが、やっぱり、さすがに、マッハ9はえげつないって。アンリさんがスタミナお化けすぎる脳筋系美女なだけであって、ヤスノブさんだって、日々、鍛えているんだから、人並み以上の体力と頑強な体を持ち合わせている。それでも、人間、向き不向きっつーか、耐えられない負荷はある。マッハ9のGで意識が飛んだヤスノブさんは、決して、貧弱じゃないよな。とは言え、万が一に備えておきたい上層部が、ヤスノブさんをパイロットから外したのを、100%間違っている、と責めるのも、これはこれで違う。

パイロットから外された事はショックだが、決して、ここで不貞腐れたりしないのが、ヤスノブさんの立派な所。次のチャンスを掴んだ時、もう、失神しないように、と自分をとことんまで追い込んで、Gへの耐性を上げようとしているヤスノブさん、輝いてるわ。そんなヤスノブさんが、何とか戦っているプレッシャーを、何倍にもするような事態が発生。まぁ、怪獣にタイミングを考えろって文句を言うのは筋違いだろうが、ここで出るか、よりにもよって、デルタンダル。しかも、先の個体よりもデカい上に、光弾で爆撃してくるのかよ!?

ゲントの利かした機転(まぁ、揚げ足取りともいうが)で、アースガロンMod.3に搭乗したヤスノブさんとアンリさん。雪辱を果たすべく、二人は空を翔ける鋼の獣で、デルタンダルBへ立ち向かう。アンリが操縦、ヤスノブさんが射撃、と役割分担をきっちりと熟す事で、互角ギリギリの戦いを繰り広げられていた。そんな二人をサポートすべく、ブレーザーも参戦。しかし、まさか、大気圏内を突破する戦いになるとは。アースファイヤーによって、致命傷を負ったデルタンダルBが巻き添えにしてやろう、とアースガロンへ突っ込んでいきましたが、勝負がしっかりと付いた以上、ブレーザーが遠慮をする必要もない。引き際を弁えないデルタンダルBを、その勢いを利用して、一刀両断した所はスカッとしましたね。

 

王様戦隊キングオージャー

第46話「命の美しさを知れ」は、毎度のことながら、ストーリーの良い意味での重さに、体が芯から震えましたね。

表裏一体の代表格と言ってもいい「生と死」についてを、この時間に問われるとは思っていませんでした。人類全員が不死になる、それは、ある意味、医療従事者からしたら、嬉しい事でしょう。理不尽な理由で家族が引き裂かれる事は無くなるんですから。また、自分の無力さに打ちひしがれる医師もいなくなります。死者を蘇らせる事も可能のであれば、死に別れた大切な人との再会を望む人も多いのも確かです。

でも、それが、本当に、幸せなのか、と問われたら、迷ってしまうのが、人なんでしょうね。どうせ、死ぬんだから、どんだけ努力をしても無駄だ、と言う人はいます。そういう、つまらない、ダグデドに匹敵するクズは別にして、人間はいつか、死ぬ。だからこそ、最期に、自分の生き方は間違っていなかった、これだけの努力を積み重ねた上で、この終わり方を迎えるのなら、杭はない、と思えるように、全力で今を生きるんじゃないでしょうか。死ななくなったら、人間は、全力で生きる事を止めてしまいます。そうなったら、それは、果たして、人と言えるんでしょうかね。

医者でありながら、ありとあらゆる命を刈り取る力を継承したヒメノ様。猛毒を武器とする身ながら、老いず死なずの力を継承していたジェラミー。どちらも、家族と再会したい気持ちはあるし、今、生きている大切な仲間とずっと一緒にいたい気持ちもある。けれど、ヒメノ様は花は枯れるからこそ美しく、その種が新しい花を咲かす、これもまた美の形であると知っていますし、ジェラミーの中には、ギラたちと共に老いて、墓に埋葬されたいって願いもありました。ヒメノ様が一人で決めた一方で、ジェラミーがゲロウジームに弱音をポロリと吐き、優しい言葉をかけられた事で決断したのも印象的でした。

そして、ついに、ヒメノ様とジェラミーは、グローディへ再び、立ち向かいます。シュゴッドソウルを大量に摂取させられた事で動く屍と堕ちた存在、それが、グローディでした。不死、ではなく、既に死んでいるからこそ殺せなかったんですね。じゃあ、どう倒すか。鍵となったのが、ジェラミーが継承した「永遠の命」でした。死んでいる者に、新たな命を与えて、生き返らせたのならば殺せる。道理が通っています。しかし、ここでまさか、命を得て、生き生きとしたグローディが「神の怒り」を再び起こすとは・・・うーん、イイ引っ張り方をしてくれる。個人的に気になるのは、ダグデドは、どこの誰に大量のシュゴッドソウルを無理矢理に食わせて、グローディを生み出したんでしょう。

 

仮面ライダーガッチャード

第20話「微笑む天使、笑えぬ真実」は、とことん、スパナを曇らせる展開でしたね。彼が、仮面ライダーとして覚醒するためには必要な事だってのは、頭じゃ解っていますけど、そこまでせんでも、と思っちゃいました、観てて。

最初は、自分の方が、明らかに優れていて、何度も、力の差を見せつけられたのに、宝太郎は決して挫けず、自分を信じて、仲間を信じて、何より、ケミーを信じて、人間としても、仮面ライダーとしても成長し、今や、敗戦続きの自分を上回る強さを手に入れた。りんねの方も、目的の為に守っていた相手なのに、自分のルールを貫く強さを手に入れ、仮面ライダーマジェードへの変身を果たしたんですから、そりゃ、スパナとしちゃ、焦りが募っても、しゃあない。

そのタイミングで、嫌な事をしてくるのがグリオンなんだよな。「エンジェリード」で生み出したエンジェルマルガムの死者を蘇らせる力で、スパナと父母を再会させ、喜びに浸らせたところで、再び、父母をスパナの目の前で消し去って、絶望のどん底に叩き落とすって、悪役としての定石を守り過ぎだろ。

どうして、スパナが、いきなり現れた父母を偽者と決めつけず、逆に喜んでしまったのか。それは、スパナの師匠である鏡花さんが、グリオンへの憎しみ、両親を喪った哀しみ、そして、何も出来なかった自分への怒りで、自分自身を苦しめてしまうスパナを守るために、彼の記憶を消していたからだった。天才だからこそ、その才が、どれだけ危険で、制御するのが難しいか、を鏡花さんは知っており、同時に、スパナだったら、その才能を自分の意志で制御下に置ける、と信じていたに違いない。

そんな師弟の絆を踏み躙るグリオン、とことん、ゲスい。グリオンの思惑通り、心を憎しみに染められたスパナは、マッドウィールを取り込んで、ウィールマルガムに変貌してしまった。仮面ライダーは、己の悲しみを仮面で隠しているって設定持ちだからこそ、ウィールマルガムが仮面を剥がした意匠になっているのが印象的ですよね。果たして、スパナは、ここまで深い憎悪を、どうやって飲み込んで、自分の力に変えて、仮面ライダーとしての覚醒を果たすんでしょうか。個人的には、スパナを見下しながらも、何だかんだで、気になっている様子の、ラケシスが喝を入れてた事を契機にして、目が覚めたら最高じゃないかな、とは思ってますが。

 

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