『黒狗』の小屋

毎週、(金)に特撮作品の感想、(日)に漫画の感想を書いてます。

三大特撮感想(2023/8/27分)

2023-09-01 18:46:38 | 日記

ウルトラマンブレーザーは、24時間テレビでお休みでした。

 

王様戦隊キングオージャー

第26話「新王国の誕生」、もう、最高すぎる。第25話「王と民の戦い」も相当に、私らの心を揺さぶってくるストーリーだったのに、それを上回ってくるか・・・何度目かも分らんが、ほんと、今回も、制作陣の本気を感じてしまった。

巨大化し、チキューを内部から爆散させようとしたデズナラク8世の、己の死も厭わぬ暴挙を、ゴッドキングオージャーの圧倒的な強さで阻止したキングオージャー。そのまま、デズナラク8世を倒し切るかと思いきや、ゲロウジームに王としての覚悟を教えられ、腹を括っているはずのジェラミーは、何故か、デズナラク8世を、この場で倒さず、バグナラクの王が誰か、それを決める戦いを、自分とお前でしよう、とこの場から、ギラたちを連れ、離脱してしまう。メインウェポンであるクモノスレイヤーを、デズナラク8世に一時的に預けるあたりに、ジェラミーの覚悟が見て取れるな。

ジェラミーが、あの場でデズナラク8世を倒さなかったのは、自分がデズナラク8世を倒した暁には、バグナラクを地上で六つ目の国に承認する事を、五王国の王たちに求めたかったのもあるが、それ以上に、ここで改めて、バグナラクとは何なのか、そして、デズナラク8世の本質は何か、を知って欲しかった、それもあったんだろう。ヒメノの検査によって明らかになる、人間とバグナラクの遺伝子情報の類似性。それは、バグナラクはかつて、人間と近しい姿であった事を証明していた。2000年前、バグナラクは人間との争いに勝つべく、シュゴッドを喰って、異形と化す事で力を得た。対する人間は、シュゴッドと共闘する道を選び、結果として、人間とシュゴッドがバグナラクを地底の奥底へ追いやる事で、勝者の座に付いた。そして、バグナラクは悪の汚名を被せられ、2000年後に復讐者として、人間に牙を剥いたのか。

ジェラミーが見せたもの、それは、シュゴッドの亡骸の山だけでなく、自分が食べられる可能性があったにも関わらず、この場に居続ける硬い意志を示す、黒いタランチュラ型の小さいシュゴッド。ギラは、彼(彼女?)から、驚くべき真実を聞かされる。この小さなシュゴッドが、ずっと食べられずに済んでいたのは、デズナラク8世によって守られていたからだ、と言う。悪の汚名を被せられ、人間への復讐心を燃やしながらも、シュゴッドとの共存を望む心が、デズナラク8世にはあったのだろう。それを知り、己の犯してしまった罪がどれだけ重いか、を痛感するジェラミー。だが、もう、彼は不貞腐れない。己の罪は己で背負い、決着を付ける覚悟をする。

ついに、火蓋が切って落とされるジェラミーとデズナラク8世の一騎打ち。しかし、デズナラク8世の体は、とっくにボロボロである。ゴッドキングオージャーの必殺技、これが強烈だったのもあるんだろうが、それ以前に、シュゴッドソウルを喰って巨大化した代償で、彼の寿命は大幅に縮み、命は風前の灯火だったのだ。あのタランチュラの小さいシュゴッドを喰っていれば、ある程度は回復しただろうが、デズナラク8世は、あえて強く、厳しい言葉で、彼(彼女?)を自分に近づけさせなかったからな。やはり、根っこの部分には、外道になり切れない所があるようだ。一気に追い込まれたデズナラク8世は、ジェラミーに自分を倒せ、と訴え、ジェラミーもそれに応え、刃を振り下ろそうとする。

だが、それを止めたのが、これまでの戦いで、王とは何か、この争いは何なのか、をずっと考え続けていたギラ。彼の中にも、当然、バグナラクやデズナラク8世に対する恨みはある。一方で、人間が、詳しい事を知らぬまま、知ろうとしないまま、バグナラクを一方的に悪だと決めつけていた事実も理解していた。この争いは、人間とバグナラク、どちらが勝とうとも、永遠に終わる事はない。だからこそ、ここで今、しっかりと終止符を打つ為に、ギラは己の頭を、デズナラク8世へと下げる。ギラからの謝罪は、どんな必殺技よりも、デズナラク8世へ強烈な衝撃を与えたようで、彼は憤慨しながらも、人間とバグナラクが共生できる道は、今、ここで自分もまた、憎しみを捨てれば歩めるのかも知れない、と思ってしまった時点で、闘争心は薄らいでしまう。こんな事で終わるのか、デズナラク8世の言葉には、様々な感情が含まれていましたね。

やっと、人間とバグナラクが和解できる、誰もがそう思った瞬間だった、まさか、ここで、カメジムがデズナラク8世を裏切り、彼を容赦なく、貫くとは。やはり、コイツこそが、諸悪の根源だったのか。人間とバグナラク、この争いは、2000年前、カメジムが両陣営を唆し、争うように仕向けたのが発端だった。そして、今、憎しみを捨てる決断を下し、人間と歩み寄ろうとしたデズナラク8世の王としての覚悟を踏み躙った。デズナラク8世は、最期の力を振り絞って、ジェラミーに王としての矜持を預け、その身を強烈な破壊光線に焼かれ、灰すら残さずに消えてしまった。戦争を裏から操っていた悪行だけでなく、デズナラク8世の信念すら冒涜したカメジムに、キングオージャーたちの怒りは大爆発。巨大化したカメジムを、ノーマル、レジェンド、エクストリームではなく、ゴッドキングオージャーで容赦なく、ぶっ倒した。しかし、ここまで暗躍していたカメジムが、こうもあっさり倒されると、逆に怪しんでしまうわ・・・

そして、ジェラミーは、五王国の王たちにより、六番目の王として認められた。彼の建国宣言に対し、どの国も湧かず、賞賛の言葉を送らず、拍手も出来なかった。しかし、これは、ジェラミーを王として認めないとかではなく、民たちは、まだ、自分達の中で、この現実を受け止めきれていないんだろうな。だからこそ、ジェラミーは王として、何年かかっても、この溝を埋め、人とバグナラクが共生できる事を証明していく必要がある。一つの戦いが終わり、王たちは前に向かって歩んでいく・・・・・・だが、新たな脅威は、ゆっくりとではあるが、彼らが築こうとする平和な日々に迫ってきていた。

 

仮面ライダーギーツ

最終話「黎明Ⅰ:ここからがハイライトだ!」、文句なしに、最高な最終回でした。私なんぞが、歴代ナンバー1と言っちゃいけないんでしょうけど、これはシンプルに凄かった。しばらく、ギーツロスが続いてしまいそうだ・・・

前回のラストで、リガドΩを圧倒し、勝利一歩手前まで迫るも、時間を巻き戻され、変身解除に追い込まれてしまった英寿。少なからず、ショックを受ける英寿へ畳みかけるように、マグナムシューターの銃口を向けるツムリ。そして、引き金は引かれ、倒れた英寿。よもや、ツムリ・オルタがツムリを操っていたとは・・・英寿を死に至らしめ、勝利を確信したスエルは、総仕上げに突入する。

英寿死亡を宣告され、動揺する景和たちだが、こんな所で諦めるようじゃ、仮面ライダーは名乗れない。様々な戦いを経て、本当の強さを手に入れていたタイクーン、ナーゴ、そして、バッファは各々の最強フォームで、リガドΩに挑み、見事な連携で、彼を追い詰める。バッファの、全ての仮面ライダーをぶっ潰す力が、リガドΩにも、しっかりと通用していたのが大きいな。しかし、リガドΩには、切り札がある。そう、時間の巻き戻しだ・・・ほんと、卑怯だな。

ドライバーを消されてしまい、変身能力を失ってしまった景和たち。だけど、先ほども言ったように、彼らは、既に、本当の強さを手に入れている。変身できるから、仮面ライダーって訳じゃない。どれほど追い込まれても、理不尽を押し付けてくる邪悪に敢然と立ち向かえるからこそ、仮面ライダーであり、人間なのだ。そんな景和たちの強い心から生じる強い願いに呼応するように、この戦いにブーストライカーに乗って飛び込んできたのが、仮面ライダーギーツ マグナムブーストフォーム。最終決戦で、バイクで登場し、しかも、基本フォームでラスボスと互角に渡り合うって熱すぎんか。

どうして、英寿は死んだはずなのに、この戦いに舞い戻ったのか。激しく狼狽するリガドΩに対し、ギーツは驚くべき答えを告げる。人としての肉体が死んだからこそ、自分は今、神の領域にいる、と。スエルはツムリを操って英寿を殺す事で勝ったつもりでいたが、全ての人間が幸せになれる世界を作るためには神にでもなるしかない、と考えていた英寿に、上手く利用されていたんだな。ざまぁ。

ギーツは神としての力で、景和たちのドライバーを復活させ、タイクーンたちは再び、見事な連携で、リガドΩを敗北寸前まで追い込んでいく。懲りないリガドΩは、またしても、時間の巻き戻し能力を発動させるが、この力が通用するのは、この世界に生きている人間だけ。とっくに、人の身を捨て、神様になっているギーツには意味を成さない。そして、ギーツはマークⅨに変身し、戦いにピリオドを打ち込むべく、本気の必殺キックを繰り出す。リガドΩも、莫大なエネルギーを込めたパンチで迎撃するが、キック相手にパンチで対応って、戦いの素人か、こいつは。当然、勝利したのはギーツ!!

今度こそ、スエルを完全に消滅させた英寿は、神の力で世界を作り替えていく。そう、誰もが幸せになれる世界へ、と・・・ぶっちゃけた話、誰もが幸せになれる世界ってのは、甘っちょろい。願った分だけ、幸せになれるなんてのは、夢物語だ。でも、他人の不幸の上に自分の幸せを作らない世界ってのは、実に理想的だし、本来はそうあるべきであり、人間が本気で協力して努力をすれば、そういう有り得ない世界も実現が出来るはずなのだ。現時点で、この世界が、誰もが幸せになれるようになっていないのは、自分だけが幸せになりたい、他人が幸せになるのが許せない、そう思っている人間の方が多いからなんだろうな・・・悲しい。

ともあれ、英寿の力により、誰もが幸せになれる世界は実現した。あとは、この世界に生きる人間が、自分の夢の為に、努力をしていく、それだけの話だ。様々な戦いの中で、辛い思いをする事もあったが、それらもまた、彼らを人間的に成長させた。これからは、彼らも幸せになって良いのだ。毎日を全力で、願いを叶えるために生きている景和たちを見守る神様・浮世英寿。そんな彼らに優しい笑みを向けられる、謎の男子高校生・・・さぁ、今度は、君が世界を守る戦いの主役になる番だ!!

本当に、一年間、楽しませていただき、ありがとうございました!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする