FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

番外編 ~フォーは美味しいか?3日目

2015年11月28日 | Weblog

だいたい市内の名所は巡ったので、次の日は少し足を伸ばしてみようということになった。ガイドブックには、ベトナム戦争の戦跡であるクチ・トンネルと、メコン川の河口を巡るミトーのツアーがお薦めとあった。

日本語ガイド付きのツアーは、JTBの支店で受け付けているという。そこへ行こうかと話していたら、あるお土産屋に入った時、「日本人ですよね」と声をかけられ、日本語ツアーを扱う旅行社のチラシをもらった。

ホテルのそばだったので、夜ぎりぎりに行ってみると、キトという店の2階と書かれていたが、実際は踊り場のようなところにパソコンとデスクを置いて女性が一人働いていた。日本人の先客があり、ツアーの予約をしていた。女性が流暢な日本語だったので、その客が「日本語がお上手ですね」とほめると、「私は、日本人です」という答えが返ってきた。

日本女性もたくましくなったものである。英語とベトナム語を操り、電話とパソコンでツアーの予約をこなしている。どんないきさつでベトナムにいるのか聞いてみたかったが、それほど時間はなかったので聞けなかった。

ガイドブックでは、クチとミトーの1日ツアーはUS90$となっていたので2人で180$になるが、その女性は154$でいいという。3000円ほどガイドブックより安い。しかも明日のことなので、「たぶんプライベートになりますよ」という。何のことかと思ったら、他の客は無くガイドと我々だけという意味のようだ。

娘が手持ちのドルで支払い、明朝7時半にホテルのロビーに迎えに来てくれることになった。

翌朝、急いで朝食を食べロビーに降りると、タオさんというガイドが待っていた。ホテル前に止めた車に乗ると、すぐ出発した。午前中にクチに行き、クチ・トンネルを見学して、昼食を食べ、午後メコン・デルタを船で巡るツアーだという。

クチまでは、2時間半かかるらしい。途中の車内では、ベトナムの社会状況や、これから行くクチの様子などについて日本語で説明してくれた。

停ることはなかったが、窓外に見える様々なものを丁寧に解説してくれた。

ベトナムの家の間口はとても狭く、隣りの家とくっついて建てられている。そのため上へ上へと伸びているのが特徴だそうだ。ホーチミン市内だけでなく、田舎でもそうだった。

COMという看板をよく目にしたが、COMはお米のことで食堂の看板だそうだ。コムとコメが似ているのは、日本語のルーツのような気がした。

整然と並んで植えられているのは、ゴムの木だそうで、田舎に行くとゴム園がたくさん見られ、木に傷をつけてゴムを採っている風景が見られた。

クチに着くと、まずビデオを見せられた。ベトナム戦争の歴史とクチ・トンネルの概要について日本語で解説していた。各言語毎に建物が分かれており、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語の施設があるそうだ。

観光客は、意外にロシア人が多かった。ベトナムは社会主義国で、共産党支配の国だからこれは当然かも知れない。

ビデオを見る建物の外観

クチ・トンネルの模型。地下トンネルは3層になっていて、総延長は250kmもあるとのこと。体の大きなアメリカ人が入れない様に、幅や高さはとても小さいのが特徴だそうだ。ベトナム人は日本人よりも小柄で150cm前後の人が多い。

いよいよジャングルに入る。今は乾季で道は乾いているが、雨季は泥道となるので、観光客のため中央に石が敷かれている。

トンネルの入口

観光客用の入口

実際のトンネル内は真っ暗で、高さも1mくらいしかない。

溝のような塹壕にある入口

アメリカ軍の戦車の残骸。私がベトナム軍のことをベトコンと言ったら、「それはアメリカ軍がベトナム軍のことを、共産主義者(コミュニスト)と馬鹿にした言い方だから、使わないように。」と注意された。革命軍というのがいいそうだ。

ジャングルの中にある射撃場の入り口。1000円程で実弾を撃つことができるそうだ。場内は、実弾を撃つ大きな音が響いていた。

車のタイヤからサンダルを作っている。当時の生活の様子が忠実に再現されていた。

爆弾の残骸を利用した兵器工場

途中の休憩所では、当時の主食であるタロイモを実際に食べさせてくれた。塩をつけて食べるのだが、サツマイモのようで美味しかった。お茶は笹茶。

地下トンネルが発見されないよう、蟻塚に偽装した通気口

落とし穴。穴に落ちた時だけ、針が飛び出すよう工夫されている。地雷と同じように負傷させて戦意を喪失させるのが目的だろう。

約1時間かけて、ジャングルの中にある当時を再現した施設を見学した。ベトナム戦争は17年続いたそうだが、物量ではるかに勝る米軍相手に勝利したのは、この地下トンネルが大きな役割を果たしたのだろう。

米軍は目に見えない敵に手を焼き、やがて枯葉剤でジャングルを消滅させようとしたが、これがダイオキシンによる大災害を招くことになった。

 太平洋戦争の硫黄島や沖縄戦を彷彿とさせ、実際にここで戦ったベトナム人とアメリカ人の犠牲を思う時、戦争だけは繰り返してはならないという思いを見る人の心に刻み込む。



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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
キムさんへ (たかぴい)
2015-12-19 10:10:50
世界に飛び出して、うらやましいです。
今、2つの祖国(山崎豊子著)を読んで
いますが、戦争の悲惨さをリアルに買い
てあり、キムさんが書かれているように
2度と繰り返してはならないと思います。

今、イスラムのテロに対する人々の憎悪
感から、やられたらやってしまえ、なんて風潮になっているから怖いです。同じ
ことを何回も繰り返すのが人間の愚かさ
というのか・・・。

ベトコンもアメリカ軍が言っていた言葉
なのですね、二つの祖国では「ジャップ」と呼ぶな!というシーンがよく出て
きます。
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戦争の愚かさ (キム@FZX)
2015-12-19 12:19:35
たかぴいさん>
コメントありがとうございます。
今年は安全保障問題で国民の関心が少し戦争に向きましたね。
しかし、最近の言論の自粛(弾圧?)には怖いものを感じます。18歳から選挙権が与えられましたが、若い人には昔の学生のような反骨精神を期待したいです。
海外旅行は、はっきり言って、楽しいです(笑)。
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OZ或いはKE (FireStorm)
2015-12-19 22:18:13
キムさん、こんばんは。
良い旅をされましたね。
成田発、仁川経由、ハノイ行、想像しただけでも面白そうです。
韓国の航空会社の機内食は美味しいというのが定説で、特にチゲは絶品と聞いています。
果たしてキムさんがどこの航空会社で旅を楽しんだかと想像していましたが、文面の中にOZというヒントがありアシアナということが判りました。
ただ、私は韓国語は挨拶位しか知らないので、機内ディスプレイに表示されている文字を見てもちんぷんかんぷんです。
キムさんが乗られたA321は以前羽田~山形で乗ったことがありますが、ボーイングと違い客室内にヨーロッパの雰囲気がありました。
ちなみに成田ー仁川は夏ダイヤでは747-400で運行していましたので、日本の空からは撤退した往年の名機に乗れたかもしれません。
蛇足ですが、ベトナム航空の垂直尾翼に描かれているのは蓮の花です。
楽しいベトナム旅行記をありがとうございました。
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インチョン空港 (キム@FZX)
2015-12-20 01:39:07
FIRESTORMさん>
コメントありがとうございます。
最近は、共同運行便が多く、どの航空会社で予約しても、その都市に行っているのは限られた会社だけと言うことが多いですね。

私は、韓国贔屓なのですが、それを差し引いてもインチョン空港はハブ空港としての機能がすごいです。

搭乗ゲートが100以上あり、それも一直線に並んでいる様は圧巻です。

ただ広過ぎて、着陸してからターミナルまでもの凄く時間がかかるのが難点ですね。

おっしゃる通り、アシアナ航空ではジャンボ機がまだたくさん就航しており、それに乗れるのも楽しみですが、少しずつ小型機に代わってきているようです。

チゲというのは鍋のことですよね?機内食でチゲが出るのは驚きです。またいろいろ教えてください。
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ビビンバでした。 (FireStorm)
2015-12-20 16:43:05
キムさん、訂正をさせてください。
チゲではなくビビンバでした。
お詫びして訂正いたします。
私も海外旅行は大好きですが、なかなか時間が取れなくて諦めています。勤続25年等の会社が認めた長期休暇でもないと言い出しにくいものです。
それとシートのグレードアップですが、昨年前述の休暇でカルガリーに向かった際、トランジットでLAXまでNH006を利用しましたが、チェックイン完了のメールの最後にシートのグレードアップを希望するお客様は座席の指定をやり直してくださいと書かれていました。
気付かずにそのままエコノミーで出かけましたが、このことを奥さんにいうと怒られるので、いまだに秘密にしています。
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グレードアップ (キム@FZX)
2015-12-20 23:40:26
FIRESTORMさん>
了解です。さすがに、アシアナでも飛行機の中では鍋は無理ですよね(笑)。機内食では「コチジャン チュセヨ」というと、チューブ入りのコチジャンをくれるので、それを料理に足すとさらに美味しいということを娘に教わりました。

シートのグレードアップは、50000マイル貯まっている人は可能、という噂を聞きましたが、そうなんですか?

ANAのLAX便のビジネスクラスのシートが他社より豪華という噂も聞きました。ああいうメールって、チェックインの確認程度にしか思わないで見過ごしますよね。奥様にいいところを見せそこねましたね。
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片道25,000マイルです。 (FireStorm)
2015-12-21 21:40:19
キムさん、こんばんは。
お互いヒコーキ好きなので盛り上がりますね。
ところでお尋ねのクラスのアップグレードに必要なマイルですが、基本マイルが5,000マイル以下、例えばLAXなどが該当しますが、エコノミークラスからビジネスクラスにグレードアップすると片道25,000マイルなので、往復50,000マイルですね。ただし、パッケージツアーの包括旅行には適用されません。
ビジネスシートはANAにしても新旧色々タイプがあって、他社と比較してもそれほど違わないと思っています。
やはり豪華さでは中東系のエミレーツでしょう。ファーストクラスにレジデンスというクラスがあり、シートは完全な個室となり、そのうえ事前予約制で10分と限られますがシャワーも使えます。また、そのシャワールームを清掃する専用のスタッフまで搭乗しているという話です。
追伸、当地の空港にはB787は就航していませんので、来年は何とかしてB787に乗ってやろうと今から計画しています。機内から上昇時に主翼がしなるのを見てみたいと思っています。
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