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石川理紀之助「経済のこと葉」

2020-11-01 10:44:59 | 石川理紀之助翁
2020年10月30日~11月3日の日程で、よこて市を会場に「第143回秋田県種苗交換会」が開催されています。
今では秋田県最大規模のイベントとなっている「種苗交換会」の創始者が、農聖と称される石川理紀之助です。
石川理紀之助は多くの農業指導の中で、「経済のこと葉」という14の名言を遺していますので、ご紹介します。

【経済のこと葉】
寝て居て人をおこすこと勿れ
人より早く起きて働くこと 即ち率先垂範という意味

遠国のことを学ぶには先ず自国のことを知れ
先進的な他国(他地域)のことを学ぶことはよいが、それには先ず自分の地域のことを学んでからにしなさい 即ち自分の反省が先ということ

資金をのみに力にして起こす産は破れ易し
物事を成すには頭を使って行うこと 即ち金の力のみでは駄目ということ

金満家の息子はおほく農業の義務をしらず
裕福に育った子供の多くはほんとうの農家の心は知らない 即ち難儀して育った子供はよく農業を理解する

経済は唯沢山に金銭を持つことにあらず
農家の経済は只金を多く持つことではなく 即ち心を養うことである

勧業の良結果はおほく速成を要せざるにあり
農業など勧業で良い結果を果たすには速成は不要 即ち忍耐強く頑張ること

農家にして蓄財を望まば耕地に貸付けて利を取れ
農家で財をなす場合は農地を大切にすべし 即ち農業の基本は農地である

樹木は祖先より借りて子孫に返すものとしれ
山林などは祖先から借り物で、子孫に引き継ぐもの 即ちみだりに自分で処分は不可

人力のみにて成就するものは永久の産にあらず
人の力でのみなすことは永久の財産ではない 即ちよく考えて事を為すこと

子孫の繁栄を思はゞ草木の培養することを以て悟れ
子孫の繁栄を図るには農作物を手入れする心を持て 即ちこれが農業の原点である

国の経済を考えて家の経済を行え
家の経済(農家)は、国の流れをよく見て考えること 即ち大きな視野から見ること

豊年にも大凶作あり気をつけて見よ
豊作のあとには凶作もある 即ちよいことのみではないという意味

金銭はみだりに集むること易くしてよく使う事は難し
金というのは集める(貯蓄)ことは簡単であるが、よく使うことは難しいものである 即ち効果的に金を使えということ

僥倖の利益は永久のたからにあらず
難儀をしないで金の入ってくるのは永久の宝とはならず 即ち心して使えよということ


明治三十二年十二月十九日暁
於候庵 石川理紀之助
しるす五十五