体調が悪い時しか休みがないキミキズです。
えー、随分前に杉山さんの話を前半だけ書きましたが、今日はもう完全に
それを無視して
改めて
杉山優梨さんを紹介したいと思います。
ではでは・・・
キーンコーンカーンコーン
俺「あー、だるかった。さぁ、帰るか・・・」
優梨「うん、早く行かなきゃ」
俺「ん?」
優梨「・・・え?あ?う、ううん、なんでもない!じゃあね○○くん」
俺「ん、あぁ、じゃあな」
チリン
俺「ん?」
何かが落ちる音がしたので、それに近づいて拾い上げてみた。
俺「家の鍵?」
鈴のキーホルダーがついた家の鍵だった。
俺「おい!杉・・・ってもういないな・・・しょうがない、後で電話を(鈴音台高校は携帯の使用は禁止です)ってそういや俺アドレス知らないし・・・しょうがない」
そして俺はあるクラスメイトのところに行った
俺「木葉」
木葉「ん?○○、どうしたの?」
俺「杉山氏の電話番号しってる?」
木葉「杉山氏?」
俺「杉山優梨」
木葉「はぁっ、だったら最初からそういってよね。杉山氏ってどこかの川本さんじゃないんだから・・・」
俺「で、知ってる?」
木葉「うん、知ってるよ。でも、どうして?」
チリン
俺「これ」
木葉「鍵?」
俺「そう、杉山のやつこれを落として行っちゃったんだよ。急いでたみたいですぐに居なくなっちゃったし」
木葉「そうなの?早く教えてあげなきゃっ!」
俺「お前もし番号知ってたら電話してくれない?」
木葉「うん・・・知ってはいるんだけど。優梨昨日携帯を海に落としちゃったらしくて・・・」
俺「は?海?どこの?」
木葉「美月海岸(みづきかいがん)だって」
俺「は?美月海岸?」
木葉「うん、よく行くんだって」
俺「そうなのか。で、家はどこにあるんだ?」
木葉「詳しい場所までは分からないけど、小鳥坂(ことりざか)って聞いたよ」
俺「うわ、結構遠いな」
俺「木葉、ちょっと来い」
木葉「わっ!」
ガラガラガラ
俺「失礼します」
百合菜「あ、○○くんに桜塚さん、どうしたんですか~?」
俺「すみません、杉山優梨の住所と電話番号教えてもらえますか?」
百合菜「え?唐突にどうしたんですか?」
木葉「実は優梨、鍵を落としたまま急いで帰っちゃったらしくて」
百合菜「ええっ!それは大変!」
俺「で、俺帰りがけに届けようと思ってるんですけど、家の正確な場所を知らなくて」
百合菜「うん、分かりました。でもちょっと待っててください、一度杉山さんちに電話してみますので」
ガチャッ
そういうと百合菜先生は受話器を外し、電話をかけ始めた。
俺「×××-315-3531ね」
木葉「わっ、先生がボタン押すところ見て覚えないでよっ!」
俺「ちなみに『さいこー みこさんいい』で覚えると楽だぞ」
トゥルルルル・・・
トゥルルルル・・・
百合菜「・・・・」
ガチャッ
百合菜「いないみたいです・・・」
俺「そうですか・・・」
かきかきかき・・・
百合菜「はい、これが住所です。すごく申し訳ないんですが届けてもらえますか?」
俺「はい、初めからそのつもりですから」
俺「木葉、いくぞっ!」
木葉「う、うんっ!」
そうして俺たちは電車に乗って杉山の家に行くことにした。
俺「小鳥坂とうちゃーく」
木葉「初めて降りたね」
俺「うん、ってうわ・・・随分坂きついな・・・」
木葉「そりゃもう小鳥『坂』だから・・・」
俺「で、住所はなになに・・・小鳥坂1-2-14 ラ・ヴィレ深琴小鳥坂601だって」
木葉「えっと・・・あれ、ここが1-2(1丁目12番)だよ?」
俺「あ、本当だ。てことはこの近くにあるマンション・・・って」
木葉「これみたいよ」
目の前にラヴィレと書いてある6階建てのマンションがあった。
俺「うわ、駅近っ!」
木葉「それじゃあ入ってみようよ」
俺「ああ」
そうして俺たちは中に入った。
管理人「申し訳ありませんが601号室の方は留守にしているようですので」
俺「そうですか・・・」
シャーーーーッ(自動ドアのつもり)
木葉「どうしよう」
俺「どうしようか・・」
??「あら、どうかしたの?」
俺たちがこれからどうしようか考えていると目の前に見知らぬおばさんが立っていた。
俺「あ、実はここの住人の方に緊急の用事があったんですけどいなかったんですよ」
??「あら、そうなの。何階の方?」
俺「601の杉山さんなんですけど」
??「ああ、優梨ちゃんね」
俺「杉山さんと知り合いなんですか?」
??「ええ、お隣に住んでいるのよ」
俺「ああ、そうなんですか!今の時間帯」
??「うーん、この時間なら、ボイスレッスン受けているんじゃないかな?」
俺&木葉「ボイスレッスン?」
??「ええ、優梨ちゃんって歌手を目指しているじゃない?ってもしかして初耳だった?」
俺「ええ・・」
??「だから、今は深琴6丁目駅前のスタジオにいるはずよ」
俺「そうだったんですか!わかりました、行ってみます!どうもありがとうございました」
木葉「ありがとうございました」
??「どういたしまして」
深琴6丁目駅前
俺「なぁ木葉」
木葉「なに?」
俺「お前、杉山が歌手目指してるって知ってた?」
木葉「ううん、あたしも初めて聞いたわ。」
俺「なんていうか普段割と控えめなのに、人って分からないもんだな」
木葉「そうね。でも今まで一度も言わなかったし、もしかして秘密だったのかな?」
俺「かもな。ついでに俺がギャルゲー大好きなのも秘密だぜ」
木葉「それはもうバレてるわ・・・」
??「こんにちはー」
俺「すみません、そちらに杉山優梨さんって方いますか?」
??「杉山優梨さんですか?」
俺「はい、俺たちクラスメイトの者なんですが、緊急で用があって」
??「先ほど来ましたけどオーディションの結果を聞いて先ほど帰りましたよ」
俺「そうですか・・・」
シャーーーッ(自動ドアの音)
俺「また居なかったか」
木葉「そうね・・・」
??「すみませーん」
俺「ん?」
??「あの、優梨のクラスメイトの人?」
木葉「ええ」
??「さっき話聞いてたんですけど急ぎの用事?」
俺「ああ、急ぎの用事なんだが、杉山のやつ今携帯つながらなくてな。」
??「そうだったんだ。でもオーディションの件もあるしたぶん家に帰ってないんじゃないかなぁ・・・」
俺「落ちたのか?」
??「うん。優梨、すごく頑張ってたからきっと落ち込んでると思う」
俺「そっか・・・なんか無神経に聞いて悪かったな」
??「ううん、気にしないで。って私が言えることじゃないか。」
木葉「じゃあ、優梨はどこにいるのかな?」
??「たぶん、美月海岸だと思う」
俺&木葉「美月海岸?」
??「うん、優梨、小さい頃住んでいたらしくて。今でもよくそこにいくの。特にいいことがあった日とか、落ち込んだ時とかね」
俺「そうだったのか」
木葉「○○、どうする?」
俺「行ってみるか。今ならたぶん人も少ないだろうし」
??「いるとしたらきっと公園前海岸だと思う」
俺「おう!わかった!えっと・・・」
??「あ、私、三井香菜子(みつい かなこ)私も白雪学園で、美織が丘高校の2年生。優梨と同じく歌手を目指してるんだ。」
俺「そっか、俺は優梨と同じ鈴音台高2年の○○○○」
木葉「同じく桜塚木葉です」
??「○○くんに、桜塚さんね。それともし、見つからなかったら私に言って。えっと番号は・・・」
俺「よし、わかった。じゃあ俺たちはいくからレッスン頑張れよ」
香菜子「うん♪わかった♪」
木葉「じゃあね~」
俺「よし、それじゃあ木葉って、いてっ!」
木葉「じーーーっ」
俺「なんだ!いきなりつねるな!」
木葉「だってぇ・・・三井さんと話してる時の○○ちょっと嬉しそうだった」
俺「いや、それはないだろ」
木葉「三井さん美人さんだもんねー」
俺「なんだその絡み方・・・いいからいくぞ!」
木葉「うー、はぐらかされた気がするよ・・・」
美月公園駅前
俺「もう暗くなってきたな」
木葉「ごめん、ちょっと待ってて」
俺「ん?どこ行くんだ」
木葉「・・・トイレ」
俺「ああ、行って来い」
木葉「うー・・・行くよ。」
タッタッタッタ・・・
俺「暗くなるから先いくか」
俺「海岸についた・・・が、人なんていないぞ・・・」
??「人魚のように~♪」
俺「??」
俺は歌声の方に行ってみることにした。
俺「優梨?」
??「いつまでも~♪って、わっ!!わわわわわ!!○○くんっ??」
声の主はやっぱり優梨だったようだ。
俺「ああ、やっと見つけた」
優梨「ど、どどどどどどうしてここにっ!」
俺「優梨焦りすぎ」
優梨「だ、だって・・・」
俺「はいコレ」
優梨「え?家の鍵?な、なんで○○くんが」
俺「今日教室出るとき落としてったぞ」
優梨「ええ!そうだったの!ありがとう。でもなんでここが」
俺「まず先生に住所聞いて優梨の家に行ったらお隣のおばさんに会って、その後スタジオに行って、その後三井に言われて」
優梨「わ、どうもありがとう・・・ってええっ!香菜子ちゃんに会ったの!というかスタジオに行ったの!?」
俺「ああ、悪いな。もしかして秘密だった?」
優梨「う~、実は。私なんかが歌手になりたいなんて言うのは恥ずかしくて」
俺「そうか?三井も優梨の歌のこと高く評価してたぞ」
優梨「私なんてまだまだだよ。今日も落ちちゃったし・・・ううっ」
俺「でもさ、さっきの歌すごく良かったぜ。お世辞抜きで。」
そして奇跡的に持っていたハンカチで優梨の目元を拭うと俺は続けた
俺「あんな綺麗な歌声、初めて聞いた。あんな心に響く歌詞、初めて聞いた」
優梨「そんなことない」
俺「そんなことあるよ」
優梨「ううん。私の歌なんて人の心に響かないよ」
俺「そっか?少なくとも俺は今日の歌を聴いて杉山優梨のファンになったぜ?」
優梨「えっ?」
俺「まったく審査員はどこ見てるんだか・・・」
優梨「○○くん・・・」
俺「今日がダメでもまた次があるだろ?もう泣かないで、明日からまた頑張ろう、な?」
優梨「うん」
俺「・・・・」
木葉「・・・・」
俺「はっ?わ、わわわわ、こ、木葉っ!」
木葉「○○焦りすぎ」
俺「わ、それ俺のセリ・・・ってお前そんな場面からいたのかよっ!」
木葉「あたしを置いてどこに行ったのかと思いきや・・・」
俺「いや、これはだな!」
木葉「・・・はぁっ、いいよ。いつものことだもん。それより優梨ちゃん」
優梨「ん?」
木葉「本当に綺麗な歌声だったわよ。正直あたしもなんで落とされたんだろうって思う。それくらいいい歌だった」
優梨「木葉ちゃん・・・」
木葉「だから、もっと頑張ってほしいな♪」
優梨「うん」
木葉「ここにいるファンの2人の為にもね♪」
木葉「そういえば○○いつのまに呼び方が『優梨』になったの?」
俺「あ、そういえば。みんながゆーりゆーりいうからいつのまにか」
優梨「あ、優梨でいいよー」
俺「ああ、じゃあそう呼ぶな」
木葉「・・・」
俺「木葉どうした?」
木葉「・・・え?いや、なんでもないよっ!」
『まもなく、学園都市線直通、各駅停車美織学園前行が参ります』
優梨「今日はありがとう、2人とも良かったらお茶でも飲んでいってよ」
俺「え?ああ、鍵のことなら別に気にするな。」
優梨「ううん、そうじゃなくてすごく感謝してるの。鍵のことだけじゃなくて、いろいろなこと。だから、良かったら・・・ね?」
俺「ああ、それじゃお言葉に甘えて」
木葉「おじゃまするね」
ドアの前
優梨「じゃあ鍵開けるね」
ガチャリ
優梨「あれ?開いてる・・・」
キーーー
優梨「ただいまー」
優梨母「おかえりなさーい」
優梨「あ、お母さん帰ってたみたい・・・」
俺「ははははは・・・」
木葉「あははは・・・家族の存在すっかり忘れてたわ」
この妄想は、キミキズの提供でお送りしました
いきていく
えー、随分前に杉山さんの話を前半だけ書きましたが、今日はもう完全に
それを無視して
改めて
杉山優梨さんを紹介したいと思います。
ではでは・・・
キーンコーンカーンコーン
俺「あー、だるかった。さぁ、帰るか・・・」
優梨「うん、早く行かなきゃ」
俺「ん?」
優梨「・・・え?あ?う、ううん、なんでもない!じゃあね○○くん」
俺「ん、あぁ、じゃあな」
チリン
俺「ん?」
何かが落ちる音がしたので、それに近づいて拾い上げてみた。
俺「家の鍵?」
鈴のキーホルダーがついた家の鍵だった。
俺「おい!杉・・・ってもういないな・・・しょうがない、後で電話を(鈴音台高校は携帯の使用は禁止です)ってそういや俺アドレス知らないし・・・しょうがない」
そして俺はあるクラスメイトのところに行った
俺「木葉」
木葉「ん?○○、どうしたの?」
俺「杉山氏の電話番号しってる?」
木葉「杉山氏?」
俺「杉山優梨」
木葉「はぁっ、だったら最初からそういってよね。杉山氏ってどこかの川本さんじゃないんだから・・・」
俺「で、知ってる?」
木葉「うん、知ってるよ。でも、どうして?」
チリン
俺「これ」
木葉「鍵?」
俺「そう、杉山のやつこれを落として行っちゃったんだよ。急いでたみたいですぐに居なくなっちゃったし」
木葉「そうなの?早く教えてあげなきゃっ!」
俺「お前もし番号知ってたら電話してくれない?」
木葉「うん・・・知ってはいるんだけど。優梨昨日携帯を海に落としちゃったらしくて・・・」
俺「は?海?どこの?」
木葉「美月海岸(みづきかいがん)だって」
俺「は?美月海岸?」
木葉「うん、よく行くんだって」
俺「そうなのか。で、家はどこにあるんだ?」
木葉「詳しい場所までは分からないけど、小鳥坂(ことりざか)って聞いたよ」
俺「うわ、結構遠いな」
俺「木葉、ちょっと来い」
木葉「わっ!」
ガラガラガラ
俺「失礼します」
百合菜「あ、○○くんに桜塚さん、どうしたんですか~?」
俺「すみません、杉山優梨の住所と電話番号教えてもらえますか?」
百合菜「え?唐突にどうしたんですか?」
木葉「実は優梨、鍵を落としたまま急いで帰っちゃったらしくて」
百合菜「ええっ!それは大変!」
俺「で、俺帰りがけに届けようと思ってるんですけど、家の正確な場所を知らなくて」
百合菜「うん、分かりました。でもちょっと待っててください、一度杉山さんちに電話してみますので」
ガチャッ
そういうと百合菜先生は受話器を外し、電話をかけ始めた。
俺「×××-315-3531ね」
木葉「わっ、先生がボタン押すところ見て覚えないでよっ!」
俺「ちなみに『さいこー みこさんいい』で覚えると楽だぞ」
トゥルルルル・・・
トゥルルルル・・・
百合菜「・・・・」
ガチャッ
百合菜「いないみたいです・・・」
俺「そうですか・・・」
かきかきかき・・・
百合菜「はい、これが住所です。すごく申し訳ないんですが届けてもらえますか?」
俺「はい、初めからそのつもりですから」
俺「木葉、いくぞっ!」
木葉「う、うんっ!」
そうして俺たちは電車に乗って杉山の家に行くことにした。
俺「小鳥坂とうちゃーく」
木葉「初めて降りたね」
俺「うん、ってうわ・・・随分坂きついな・・・」
木葉「そりゃもう小鳥『坂』だから・・・」
俺「で、住所はなになに・・・小鳥坂1-2-14 ラ・ヴィレ深琴小鳥坂601だって」
木葉「えっと・・・あれ、ここが1-2(1丁目12番)だよ?」
俺「あ、本当だ。てことはこの近くにあるマンション・・・って」
木葉「これみたいよ」
目の前にラヴィレと書いてある6階建てのマンションがあった。
俺「うわ、駅近っ!」
木葉「それじゃあ入ってみようよ」
俺「ああ」
そうして俺たちは中に入った。
管理人「申し訳ありませんが601号室の方は留守にしているようですので」
俺「そうですか・・・」
シャーーーーッ(自動ドアのつもり)
木葉「どうしよう」
俺「どうしようか・・」
??「あら、どうかしたの?」
俺たちがこれからどうしようか考えていると目の前に見知らぬおばさんが立っていた。
俺「あ、実はここの住人の方に緊急の用事があったんですけどいなかったんですよ」
??「あら、そうなの。何階の方?」
俺「601の杉山さんなんですけど」
??「ああ、優梨ちゃんね」
俺「杉山さんと知り合いなんですか?」
??「ええ、お隣に住んでいるのよ」
俺「ああ、そうなんですか!今の時間帯」
??「うーん、この時間なら、ボイスレッスン受けているんじゃないかな?」
俺&木葉「ボイスレッスン?」
??「ええ、優梨ちゃんって歌手を目指しているじゃない?ってもしかして初耳だった?」
俺「ええ・・」
??「だから、今は深琴6丁目駅前のスタジオにいるはずよ」
俺「そうだったんですか!わかりました、行ってみます!どうもありがとうございました」
木葉「ありがとうございました」
??「どういたしまして」
深琴6丁目駅前
俺「なぁ木葉」
木葉「なに?」
俺「お前、杉山が歌手目指してるって知ってた?」
木葉「ううん、あたしも初めて聞いたわ。」
俺「なんていうか普段割と控えめなのに、人って分からないもんだな」
木葉「そうね。でも今まで一度も言わなかったし、もしかして秘密だったのかな?」
俺「かもな。ついでに俺がギャルゲー大好きなのも秘密だぜ」
木葉「それはもうバレてるわ・・・」
??「こんにちはー」
俺「すみません、そちらに杉山優梨さんって方いますか?」
??「杉山優梨さんですか?」
俺「はい、俺たちクラスメイトの者なんですが、緊急で用があって」
??「先ほど来ましたけどオーディションの結果を聞いて先ほど帰りましたよ」
俺「そうですか・・・」
シャーーーッ(自動ドアの音)
俺「また居なかったか」
木葉「そうね・・・」
??「すみませーん」
俺「ん?」
??「あの、優梨のクラスメイトの人?」
木葉「ええ」
??「さっき話聞いてたんですけど急ぎの用事?」
俺「ああ、急ぎの用事なんだが、杉山のやつ今携帯つながらなくてな。」
??「そうだったんだ。でもオーディションの件もあるしたぶん家に帰ってないんじゃないかなぁ・・・」
俺「落ちたのか?」
??「うん。優梨、すごく頑張ってたからきっと落ち込んでると思う」
俺「そっか・・・なんか無神経に聞いて悪かったな」
??「ううん、気にしないで。って私が言えることじゃないか。」
木葉「じゃあ、優梨はどこにいるのかな?」
??「たぶん、美月海岸だと思う」
俺&木葉「美月海岸?」
??「うん、優梨、小さい頃住んでいたらしくて。今でもよくそこにいくの。特にいいことがあった日とか、落ち込んだ時とかね」
俺「そうだったのか」
木葉「○○、どうする?」
俺「行ってみるか。今ならたぶん人も少ないだろうし」
??「いるとしたらきっと公園前海岸だと思う」
俺「おう!わかった!えっと・・・」
??「あ、私、三井香菜子(みつい かなこ)私も白雪学園で、美織が丘高校の2年生。優梨と同じく歌手を目指してるんだ。」
俺「そっか、俺は優梨と同じ鈴音台高2年の○○○○」
木葉「同じく桜塚木葉です」
??「○○くんに、桜塚さんね。それともし、見つからなかったら私に言って。えっと番号は・・・」
俺「よし、わかった。じゃあ俺たちはいくからレッスン頑張れよ」
香菜子「うん♪わかった♪」
木葉「じゃあね~」
俺「よし、それじゃあ木葉って、いてっ!」
木葉「じーーーっ」
俺「なんだ!いきなりつねるな!」
木葉「だってぇ・・・三井さんと話してる時の○○ちょっと嬉しそうだった」
俺「いや、それはないだろ」
木葉「三井さん美人さんだもんねー」
俺「なんだその絡み方・・・いいからいくぞ!」
木葉「うー、はぐらかされた気がするよ・・・」
美月公園駅前
俺「もう暗くなってきたな」
木葉「ごめん、ちょっと待ってて」
俺「ん?どこ行くんだ」
木葉「・・・トイレ」
俺「ああ、行って来い」
木葉「うー・・・行くよ。」
タッタッタッタ・・・
俺「暗くなるから先いくか」
俺「海岸についた・・・が、人なんていないぞ・・・」
??「人魚のように~♪」
俺「??」
俺は歌声の方に行ってみることにした。
俺「優梨?」
??「いつまでも~♪って、わっ!!わわわわわ!!○○くんっ??」
声の主はやっぱり優梨だったようだ。
俺「ああ、やっと見つけた」
優梨「ど、どどどどどどうしてここにっ!」
俺「優梨焦りすぎ」
優梨「だ、だって・・・」
俺「はいコレ」
優梨「え?家の鍵?な、なんで○○くんが」
俺「今日教室出るとき落としてったぞ」
優梨「ええ!そうだったの!ありがとう。でもなんでここが」
俺「まず先生に住所聞いて優梨の家に行ったらお隣のおばさんに会って、その後スタジオに行って、その後三井に言われて」
優梨「わ、どうもありがとう・・・ってええっ!香菜子ちゃんに会ったの!というかスタジオに行ったの!?」
俺「ああ、悪いな。もしかして秘密だった?」
優梨「う~、実は。私なんかが歌手になりたいなんて言うのは恥ずかしくて」
俺「そうか?三井も優梨の歌のこと高く評価してたぞ」
優梨「私なんてまだまだだよ。今日も落ちちゃったし・・・ううっ」
俺「でもさ、さっきの歌すごく良かったぜ。お世辞抜きで。」
そして奇跡的に持っていたハンカチで優梨の目元を拭うと俺は続けた
俺「あんな綺麗な歌声、初めて聞いた。あんな心に響く歌詞、初めて聞いた」
優梨「そんなことない」
俺「そんなことあるよ」
優梨「ううん。私の歌なんて人の心に響かないよ」
俺「そっか?少なくとも俺は今日の歌を聴いて杉山優梨のファンになったぜ?」
優梨「えっ?」
俺「まったく審査員はどこ見てるんだか・・・」
優梨「○○くん・・・」
俺「今日がダメでもまた次があるだろ?もう泣かないで、明日からまた頑張ろう、な?」
優梨「うん」
俺「・・・・」
木葉「・・・・」
俺「はっ?わ、わわわわ、こ、木葉っ!」
木葉「○○焦りすぎ」
俺「わ、それ俺のセリ・・・ってお前そんな場面からいたのかよっ!」
木葉「あたしを置いてどこに行ったのかと思いきや・・・」
俺「いや、これはだな!」
木葉「・・・はぁっ、いいよ。いつものことだもん。それより優梨ちゃん」
優梨「ん?」
木葉「本当に綺麗な歌声だったわよ。正直あたしもなんで落とされたんだろうって思う。それくらいいい歌だった」
優梨「木葉ちゃん・・・」
木葉「だから、もっと頑張ってほしいな♪」
優梨「うん」
木葉「ここにいるファンの2人の為にもね♪」
木葉「そういえば○○いつのまに呼び方が『優梨』になったの?」
俺「あ、そういえば。みんながゆーりゆーりいうからいつのまにか」
優梨「あ、優梨でいいよー」
俺「ああ、じゃあそう呼ぶな」
木葉「・・・」
俺「木葉どうした?」
木葉「・・・え?いや、なんでもないよっ!」
『まもなく、学園都市線直通、各駅停車美織学園前行が参ります』
優梨「今日はありがとう、2人とも良かったらお茶でも飲んでいってよ」
俺「え?ああ、鍵のことなら別に気にするな。」
優梨「ううん、そうじゃなくてすごく感謝してるの。鍵のことだけじゃなくて、いろいろなこと。だから、良かったら・・・ね?」
俺「ああ、それじゃお言葉に甘えて」
木葉「おじゃまするね」
ドアの前
優梨「じゃあ鍵開けるね」
ガチャリ
優梨「あれ?開いてる・・・」
キーーー
優梨「ただいまー」
優梨母「おかえりなさーい」
優梨「あ、お母さん帰ってたみたい・・・」
俺「ははははは・・・」
木葉「あははは・・・家族の存在すっかり忘れてたわ」
この妄想は、キミキズの提供でお送りしました
いきていく