前回出題した4項間の漸化式は、数樂さんが正解でした。いつもご協力ありがとうございます^^
さて、
a[1]=9
a[2]=29
a[3]=99
a[n+3]-9(a[n+2])+26(a[n+1])-24(a[n]) = 0
を満たす数列a[n]を求めよ。
の解答を記します。
一般的に、漸化式
a[n+3]+p(a[n+2])+q(a[n+1])+r(a[n]) = 0
に対して、3項間のときと同様に作った特性方程式
t^3+pt^2+qt+r = 0
の3つの解をα、β、γとすると、解と係数の関係から
α+β+γ = -p,αβ+βγ+γα = q,αβγ = -r
となるので、漸化式は
a[n+3]-(α+β+γ)(a[n+2])+(αβ+βγ+γα)(a[n+1])-αβγ(a[n]) = 0
と書くことができます。この式を変形すると、
a[n+3]-(α+β)(a[n+2])+αβ(a[n+1]) = γ{a[n+2]-(α+β)(a[n+1])+αβ(a[n])}
a[n+3]-(β+γ)(a[n+2])+βγ(a[n+1]) = α{a[n+2]-(β+γ)(a[n+1])+βγ(a[n])}
a[n+3]-(γ+α)(a[n+2])+γα(a[n+1]) = β{a[n+2]-(γ+α)(a[n+1])+γα(a[n])}
とできるので、もし特性方程式が3つの異なる解α、β、γを持てば、
a[n+2]-(α+β)(a[n+1])+αβ(a[n]) = {a[3]-(α+β)(a[2])+αβ(a[1])}×γ^(n-1)
a[n+2]-(β+γ)(a[n+1])+βγ(a[n]) = {a[3]-(β+γ)(a[2])+βγ(a[1])}×α^(n-1)
a[n+2]-(γ+α)(a[n+1])+γα(a[n]) = {a[3]-(γ+α)(a[2])+γα(a[1])}×β^(n-1)
という3通りの式を作ることができます。あとはこれを連立方程式とみることで、一般項a[n]を求めることができます。
出題した問題でこの方法を適用してみましょう。
まず、特性方程式
t^3-9t^2+26t-24r = 0
を因数分解して
(t-2)(t-3)(t-4) = 0
となるので、この特性方程式は異なる3つの解 2,3,4 を持ちます。よって漸化式は
a[n+3]-5(a[n+2])+6(a[n+1]) = 4{a[n+2]-5(a[n+1])+6(a[n])}
a[n+3]-7(a[n+2])+12(a[n+1]) = 2{a[n+2]-7(a[n+1])+12(a[n])}
a[n+3]-6(a[n+2])+8(a[n+1]) = 3{a[n+2]-6(a[n+1])+8(a[n])}
と変形でき、
a[3]-5(a[2])+6(a[1]) = 8
a[3]-7(a[2])+12(a[1]) = 4
a[3]-6(a[2])+8(a[1]) = -3
から、
a[n+2]-5(a[n+1])+6(a[n]) = 8×4^(n-1) = 2×4^n ・・・①
a[n+2]-7(a[n+1])+12(a[n]) = 4×2^(n-1) = 2×2^n ・・・②
a[n+2]-6(a[n+1])+8(a[n]) = -3×3^(n-1) = -3^n ・・・③
となることがわかります。あとはこの連立方程式を解けばよく、例えば
③-② a[n+1]-4a[n] = -3^n-2×2^n ・・・④
①-③ a[n+1]-2a[n] = 3^n+2×4^n ・・・⑤
⑤-④ 2(a[n]) = 2×2^n+2×3^n+2×4^n
∴a[n] = 2^n+3^n+4^n
となり、めでたく終了です♪
なお、今回のように、特性方程式が3つの異なる解α、β、γを持つ場合、a[1]、a[2]、a[3]の値をどのようにとっても、数列の一般項a[n]は必ず
a[n] = A×α^(n-1)+B×β^(n-1)+C×γ^(n-1)
(ただしA、B、Cは定数)
という形に書けることを証明できました(とある3×3行列の行列式が綺麗に≠0になることを使いましたが、行列をブログの文章にするのは大変なのでここでは書きません)。となれば次は重解をもつケース!ということで、新たな出題です。
問題:
次の条件を満たす数列{a[n]}の一般項を求めよ。
(1)
a[1]=0
a[2]=1
a[3]=2
a[n+3]-6(a[n+2])+12(a[n+1])-8(a[n]) = 0
(2)
a[1]=0
a[2]=1
a[3]=2
a[n+3]-7(a[n+2])+16(a[n+1])-12(a[n]) = 0
興味のある人はどうぞ・・・
さて、
a[1]=9
a[2]=29
a[3]=99
a[n+3]-9(a[n+2])+26(a[n+1])-24(a[n]) = 0
を満たす数列a[n]を求めよ。
の解答を記します。
一般的に、漸化式
a[n+3]+p(a[n+2])+q(a[n+1])+r(a[n]) = 0
に対して、3項間のときと同様に作った特性方程式
t^3+pt^2+qt+r = 0
の3つの解をα、β、γとすると、解と係数の関係から
α+β+γ = -p,αβ+βγ+γα = q,αβγ = -r
となるので、漸化式は
a[n+3]-(α+β+γ)(a[n+2])+(αβ+βγ+γα)(a[n+1])-αβγ(a[n]) = 0
と書くことができます。この式を変形すると、
a[n+3]-(α+β)(a[n+2])+αβ(a[n+1]) = γ{a[n+2]-(α+β)(a[n+1])+αβ(a[n])}
a[n+3]-(β+γ)(a[n+2])+βγ(a[n+1]) = α{a[n+2]-(β+γ)(a[n+1])+βγ(a[n])}
a[n+3]-(γ+α)(a[n+2])+γα(a[n+1]) = β{a[n+2]-(γ+α)(a[n+1])+γα(a[n])}
とできるので、もし特性方程式が3つの異なる解α、β、γを持てば、
a[n+2]-(α+β)(a[n+1])+αβ(a[n]) = {a[3]-(α+β)(a[2])+αβ(a[1])}×γ^(n-1)
a[n+2]-(β+γ)(a[n+1])+βγ(a[n]) = {a[3]-(β+γ)(a[2])+βγ(a[1])}×α^(n-1)
a[n+2]-(γ+α)(a[n+1])+γα(a[n]) = {a[3]-(γ+α)(a[2])+γα(a[1])}×β^(n-1)
という3通りの式を作ることができます。あとはこれを連立方程式とみることで、一般項a[n]を求めることができます。
出題した問題でこの方法を適用してみましょう。
まず、特性方程式
t^3-9t^2+26t-24r = 0
を因数分解して
(t-2)(t-3)(t-4) = 0
となるので、この特性方程式は異なる3つの解 2,3,4 を持ちます。よって漸化式は
a[n+3]-5(a[n+2])+6(a[n+1]) = 4{a[n+2]-5(a[n+1])+6(a[n])}
a[n+3]-7(a[n+2])+12(a[n+1]) = 2{a[n+2]-7(a[n+1])+12(a[n])}
a[n+3]-6(a[n+2])+8(a[n+1]) = 3{a[n+2]-6(a[n+1])+8(a[n])}
と変形でき、
a[3]-5(a[2])+6(a[1]) = 8
a[3]-7(a[2])+12(a[1]) = 4
a[3]-6(a[2])+8(a[1]) = -3
から、
a[n+2]-5(a[n+1])+6(a[n]) = 8×4^(n-1) = 2×4^n ・・・①
a[n+2]-7(a[n+1])+12(a[n]) = 4×2^(n-1) = 2×2^n ・・・②
a[n+2]-6(a[n+1])+8(a[n]) = -3×3^(n-1) = -3^n ・・・③
となることがわかります。あとはこの連立方程式を解けばよく、例えば
③-② a[n+1]-4a[n] = -3^n-2×2^n ・・・④
①-③ a[n+1]-2a[n] = 3^n+2×4^n ・・・⑤
⑤-④ 2(a[n]) = 2×2^n+2×3^n+2×4^n
∴a[n] = 2^n+3^n+4^n
となり、めでたく終了です♪
なお、今回のように、特性方程式が3つの異なる解α、β、γを持つ場合、a[1]、a[2]、a[3]の値をどのようにとっても、数列の一般項a[n]は必ず
a[n] = A×α^(n-1)+B×β^(n-1)+C×γ^(n-1)
(ただしA、B、Cは定数)
という形に書けることを証明できました(とある3×3行列の行列式が綺麗に≠0になることを使いましたが、行列をブログの文章にするのは大変なのでここでは書きません)。となれば次は重解をもつケース!ということで、新たな出題です。
問題:
次の条件を満たす数列{a[n]}の一般項を求めよ。
(1)
a[1]=0
a[2]=1
a[3]=2
a[n+3]-6(a[n+2])+12(a[n+1])-8(a[n]) = 0
(2)
a[1]=0
a[2]=1
a[3]=2
a[n+3]-7(a[n+2])+16(a[n+1])-12(a[n]) = 0
興味のある人はどうぞ・・・
ここまでは私もわかりました。
いつもの所にその結果だけ書いておきます。
私は求めていなかった、定数A、B、Cまで求めてくれたのですね^^なるほどキレイな形をしていますね。
来客はトワイライトエクスプレスに乗り込んだ彼ですね。来客様にもよろしく~