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退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界

2015-01-27 07:21:28 | 韓で遊ぶ


愛の血

ある日のけだるい午後の休み時間に、がらりと戸を開けて一人の男性が職員室に入って来ました。
「あの、3年2組の担任の先生にお会いしたいのですが。」
子供の成績でも確認しに来た父兄かと思った先生は、担任の先生に会わせました。
ですが沈鬱な表情のその男性は、申し訳ない頼みをしに来たと言い難そうに話を切り出しました。
「先生のクラスのキハクが私の弟です。」
「あ、はい。」
「ところで、、家の母が血液が足りなくて手術を受けられないでいます。24時間以内に血液を探さないとならないのですが、、、。」
先生は何とかして血液を探してみると約束しましたが、自信がありませんでした。
「どうしよう。24時間なんて、、、」
先生は悩んだ末、放送室に走って行きました。そして震える手でマイクを持って言いました。友達のお母さんのために血液を分けてくれと。
「みなさん、キハクは皆さんの先輩であり友達です。」
そうやって放送をした後、先生はあせる気持ちをなだめながら職員室をうろうろしていました。10分経ち、20分経った時、一人の女子学生がはにかみながら戸を開きました。
「先生、私が助けになるでしょうか。」
先生はありがたい気持ちでその女学生の手をさっと握りました。
そして、また一人、また一人、、いつの間にか職員室は子供たちでいっぱいになりました。
先生はその中で健康な学生20名をつれて病院へ行きました。検査の結果、輸血が可能な学生は9名でした。皆が喜んで腕をまくり、キハクのお母さんは無事に手術を終えることができました。
コメント
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