<選 定>
移住先を決めるのは難しいですよね。
転勤やどうしてもココでないと暮らしていけないのであれば、簡単なのですが『自由に決めて良い』となると迷います。
・トリの移住先候補の選定方法
まずは、本州または島・離島にするかを吟味します。
「は?」と笑われる方もいると思いますが、これは結構大切なことです。燃料費高騰などで物価の高騰も考えられるということや、物流・運輸業界の2024年問題などで ”欲しいものが手元に届かない” ということが起こる可能性が出てくるということです。
トリはあまりeコマース(EC通信販売)を使わない方だと思うのですが、近所の店で手に入らない物はどうしても通販に頼ってしまいます。
そして、物流自体が滞っている地域だと今は良くても、この先5年、10年と将来的に近所の店が潰れてしまう懸念があります。
次に、海または山、その両方を兼ねそろえた場所かを吟味します。
これについては、手に入る食材と値段がガラッと変わってきます。
笑い話の1つだと思って読んでほしいのですが、トリが海側の地域に移住した時の話です。
海から徒歩数分、近くには漁船がたくさん停泊しています。もう海側に移住したので「新鮮な魚介類が手に入る!」と期待していたのですが…。近くに”市場(しじょう)”がないので、漁師さんは釣った魚を隣街の市場に持って行くとのことでした。地元のお寿司屋さんなどの飲食店はその市場で買い付けられるそうなのです。しかしながら、スーパーや商店などは、そこから一度東京へ卸したものを買い付けに行くとのことでした。だから、海側に住んでいるのに地元で取れた新鮮な魚に巡り会うことはほとんどありませんでした。
某フカヒレの名産地にいた頃も同じで、地元の漁師さんから「フカヒレのほとんどが東京に出荷してしまうし、残ったB級品も加工品になってお土産屋さんや東京へ行ってしまうので、ここのフカヒレ食べたかったら東京や横浜中華街へ行きな!」と教えてもらったことがあります。
逆に、住んでみて巡り会えたものもありました。それは、某ホタテとリンゴが有名な場所にいた頃、早ければ8月末から始まり、だいたい9月中旬になると道路に小さな無人直売所が並びリンゴが1袋(3~6個入ったものが)100~200円で売っていたり、冬になると地元スーパーでは殻付きホタテの稚貝(ベビーホタテ)がこんもり入ったパックが格安で売っています。
都会または田舎かを吟味します。
都会と言っても東京や大阪などの大都市もあれば地方中核都市もあります。田舎と言っても沿岸、田園、里山なのか、はたまた限界集落なのかで暮らし方が全然変わってきます。今年だと”アーバンベア”という言葉ができるほど熊を始めとした野生動物からの被害に悩まされた地域もあったでしょう。
これに関しては、いろんな人がいろいろな書籍・雑誌、ブログやYouTubeなどのSNS媒体で発信しているので割愛します。
真夏と真冬を熟考します。
これも候補を考える上で重要なファクターの1つです。
都市部や盆地の夏の耐え難い暑さは命に直結する問題です。
それに、北海道~日本海側とアルプスなどの山間地域の”雪”を甘く見てはいけません。
トリは、根雪50cmの地域にも、根雪3mの雪の壁ができる豪雪地帯にも、根雪1m50cmくらいなのに気温が低すぎてパウダースノーになる地域にも住んだことがあります。
やはり、朝起きて玄関前の通路を確保、車の雪下ろしを1時間~1時間半やって汗だくになるため、シャワーを浴びてから出勤、そして帰宅時は車を駐車するために駐車スペースを15~30分かけて雪かきしてから車を入れる生活は大変でした。
以前トリが雪国に住んでいたところで団塊の世代の方と会話する機会があり、その時に聞いたお話です。「仕事をリタイヤ・還暦の節目ということで地元の”還暦を祝う会”に出席して懐かしい顔ぶれと交流する中で、”地元に帰ってこうしてたまに皆で集まりたい”と思い、地元へ帰ってきた。でも冬の雪よせが思ったよりも自分には負荷で、足腰を壊してしまってね。結局は雪が溶けたら東京へ戻ることにしたよ。子どもの頃は家の雪かきを手伝ってから学校へ行くのが何ら普通のことだったのにね。あれから何十年も経って除雪の道具も進化しただろうから”大丈夫だ”と甘く考えていたよ。地元から出たことがない友人に相談しても”そんなことで!?”と一掃されて理解してもらえなかったよ。」と団塊の方が言っていました。
※余談ですが、トリがこの団塊の方の話を聞いたときに、集団就職で都会へ出た方のための(地元の高齢者施設より高い都会値段の)介護もオプションで付けられる高齢者マンションがあれば、(お金では得られないプライスレスの)友人もいて本人も地元に居られるし、値段がお高めなので経営者もそこで働くスタッフにも税金が入ってくるお役所にもWin-Winになるのにと思ってしまいました。