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 立ち上がりはグダグダ。
 入院中のミツコ(堀北真希)の母親が死に、それと同時に父親(役所広司)が失踪してしまう。半年後に判明した居場所は近所に住む通称「アルゼンチンババア」ユリ(鈴木京香)の館だった・・・。
 母親を亡くして大変な時に父親は居らず、葬儀屋と打ち合わせをするミツコ。通夜の寿司を買いに出たミツコ(このあたりまでは感情移入できていた)だが、帰り道、寿司桶を抱えたままマッサージに寄ってしまう(^^; ヲイヲイ。
 まあ、一度にいろんなことが高校生のミツコに降りかかったんで、マッサージが目的ではなく、肩の荷を降ろしたかったんだ、癒しを求めていたんだと解釈したい。このあたりを面白いと思えるかどうかだろうな。

 父親は父親で、母親が死んだというのに、高校生の娘をひとり残し、ユリという女のもとにずっと居て、家には電話一本入れない。ちょっと信じられない。この辺でもう見るのもやめようか、と思ったが、ユリがミツコに語るセリフがどうにかつないでくれた。
「奥さんを亡くしたことと向き合いたくなかったの。ただただ逃げたかっただけ。そのうち逃げ切れなくなってあなたのところへ帰るから、それまで待って」

 この行動は、父親としては非常に身勝手ではあるが、最愛の妻を亡くした夫としては一理あるとは思う。心のどこかにストンと落ちる言葉。
 吉本ばななの原作は読んでいないが、こんな風に心情の一部を切り取って読者を頷かせるのは小説家の仕事だからなるほどとは思う。

 この後、居場所の分かった父親を取り戻そうと大騒ぎしたり、妊娠したユリが高齢出産にもかかわらず出産を決意したり、娘と父親が仲直りしたり・・・予定調和的ではあるが心地よいすじ運び。

 ただラストは惜しかった。冗長に過ぎて間延びしている印象。スパッと印象に残るシーンで終わってくれたら泣けたかも(^^;
 ラストシーンで堀北真希がタンゴを踊るシーンがあるが、「フラガール」の蒼井優とつい比べてしまう視聴者が多そうで、ちょっとカワイソウ。もちろん、堀北が(^^;

 ストライクゾーンは狭いが、悪くない作品だと思う。

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