ソマリア紛争の実話を下敷きにした戦争アクション。
アメリカ軍がソマリアの敵対勢力の幹部たちを捕虜にしようと、都心部にあるホテルに白昼奇襲をかける。生きたまま彼らを捕らえることが目的であり、一撃離脱というわけにはいかない。しかも、こちらから敵の民兵を先制攻撃はできず反撃のみ許されるという状況下。
そんな中、低空を飛んだヘリ「ブラックホーク」が敵のRPG(ロケットランチャー)の攻撃を受けて墜落。生存者の救助に向かうアメリカ兵たちだったが、彼らを待ち受けていたのは多数の民兵だった・・・
アメリカからの視点で描かれているから、敵の民兵が憎く見えるが最後のクレジットで紹介される使者の数は米軍の19人に対し、ソマリアの民兵1000人以上。映画を見ていると米軍目線で見てしまうからアレだが、民兵視点で同じ映画を作ったらと思うとちょっと怖い。
ただ、息子とおぼしき人物を殺された母親が銃を拾って米兵に向かってくる(そして射殺されてしまう(TT))シーンもあり、若干の目配り(アリバイ)はあった。
プロパガンダ臭がしない訳ではないが、米軍の司令官が「全員連れてかえる」と明言し、敵襲を交わしながらパイロットの遺体までも回収しようとする様には胸を熱くさせられた。「プライベートライアン」といい、兵を消耗品扱いしていたどこぞの軍隊とは違う。
将兵らがあんな悲惨な体験をした後ではPTSDになるのも分かる気がする。残るのは人々の悲しみ、痛み、苦しみ。
やはり「戦争に勝者はない」という思いを強くした。
| |