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 時代は16世紀のイングランド。ローマ・カトリック教会から離脱し、イングランド国教会を創設したヘンリー8世の治世。
 カトリック教会から離脱した背景には離婚そしてアン王女との再婚問題がありました。映画ではアンが王を虜にし、自分と結婚するよう謀略を巡らせる様子が描かれます。

 元々は小説が原作で「The other Boleyn girl」という原題にもあるように、アンの妹メアリーの視点から自由奔放なアンを描いた物語です。が、本作では第三者的な視点が多く原題の味わいは薄味。

 宮廷で成り上がるために、自分の娘を政略結婚の具にする。

 現代の私たちの視点で断じても始まりませんが、凄まじい。貴族の頂点を極めるためには政略結婚など当たり前。草食系などと呼ばれている現代の男子には想像を絶する世界(^^;

 新興貴族のブーリン家を訪問した王に、アン(ナタリー・ポートマン)を見初めさせるという計略が失敗すると、今度は結婚したばかりの妹・メアリー(スカーレット・ヨハンソン)を王に近づけ、まんまと寵愛を得てしまう。
 姉妹とも女王の侍女として宮廷に入ることになり、父親は有頂天。この間、アンはとある貴族と勝手に結婚するという問題を起こし事が公になる前にフランス王妃の元へ追放されてしまう。

 やがてメアリーは女の子を出産。何とか世継ぎをと望む王ですが、メアリーが二人目を身篭もっている時に流産予防のため王から隔離されてしまいます。王の気持ちをつなぎ止めようと画策する父親と叔父、今度はアンをフランスから呼び戻し、アンも期待にみごとに応えます。

 幸せって何か、考えさせられます。

 冒頭で幼いアン、メアリー、弟のジョージが楽しげに野原を駆け回っている描写があります。叔父が策士で父親にいろいろなことを吹き込んだのがアン、ジョージ(二人とも処刑)の破滅の一歩とも言えますが、叔父は彼なりに一族のことを考えたのでしょう。もちろん自分のことも含めてですが。
 アンの利発で積極的な性質は結局のところ彼女を幸せにはできませんでした。
 控えめで何事も受け入れるメアリーが夫や子供たちと田舎で幸せな人生を送ったのとは見事なコントラストです。

 アンとメアリーを演じる、ポートマンとヨハンソンが見事。美しさだけでなく、嫉妬や悲哀、絶望に満ちた表情も全身で演じています。映像の美しさは見る価値あり。個人的には左半分が隠れるようなショットが多いのが気になりましたが、その意図までは計りかねています。

 イングランド史をご存知の方にはネタバレですし、見てすっきりという娯楽作ではありません。が、ナタリー・ポートマンファン、スカーレット・ヨハンソンファンは押さえておくべき一作でしょう。
 


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