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 タイトルにヤラれて書店の店頭で衝動買い。

 著者は大学で哲学を教えている人物。
 筒井康隆さんが監修した『哲学の冒険』の著者、というとピンとくる方もいるかもしれません。

 その著者が、なんと! 新聞広告で見つけたオオカミを衝動買いしてしまう(^^; しかも、貧しい生活の貯金をはたいて(^^;

 ひとつ著者の名誉のために申し添えておくと、彼の家庭では子供のころからグレートデンだのなんだの、大型犬を飼っていて、そういった犬族に対する免疫はあったんですね。しかも、気性の荒さを楽しむ素敵な家族だったとか(^^;
 彼もオオカミと聞いて「怖い」とはまったく思わなかったそうです。
 なので、昨今の我が国の浅薄な「ペットブーム」とは一線を画するものだということをまず申し上げておきたい。

それにしてもでかっ!(著者とオオカミのブレニン、著書より)


 そして「取り合わせの妙」と思えたタイトルもまんまでした(爆)。

 さて、冒頭から哲学者らしい理屈をこねまわすあたりがおもしろい。
 著者は「サル」というメタファーを使います。
 ちょっと陳腐ですが、もちろんこれはサルの直系の子孫である(厳密には違います)私たち人間に向けられた言葉です(^^;

 ただ言い回しが哲学者らしい。

 サルとは「世界を道具の尺度で理解する傾向の具現化」「物の価値を、それが自分の役に立つかどうかで測る」「世界を資源、つまり自分の目的のために使うことのできる物の集合とみなし」「この原則を他のサルにも適用する」と定義する。


 一方で、私たちを照射し、浮かび上がらせる存在として「オオカミ」を語ります。曰く「真に価値があるものは、量で測ったり、取引できないことを思い出させてくれる」
 カッコいい!(^^)

 筆者がこんなことを言うのは、本当にオオカミ(ブレニン)を愛していたからなんですが。

 うっとうしい哲学的な示唆に富んだ前置きの後は、ブレニンとの出会い、しつけ(訓練)、共同生活が躍動感をもって書かれています。わくわくしながら読み進めています。

 本エントリはとりあえずここまで。


哲学者とオオカミ―愛・死・幸福についてのレッスン
マーク ローランズ
白水社


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