私もよくお世話になっているインターネットサイト「GIGAZINE」
その編集長による、「未来の暴言」というやや乱暴なタイトルの本。珍しく書店でぱらぱらとめくり、その場で購入(^^;
最近はもっぱらAmazonか、下調べしてからの購入が多い中、異例の買い方。
ま、朝日新聞社が出版しているので「暴言」という過激さはタイトルだけ、というのはお約束(^^; むしろ、情報発信の現場で鍛えられた著者による、至極まっとうな提言だと感じた。章ごとのタイトルを書き出してみたい。
- 「Knowlege is Our Power」知識は我らの力なり
- 専門バカvsオタクの構図「専門バカになるな、オタクになれ」
- 「理性・知性・感性」のバランス
- インターネットは「悪魔の道具」か「天使の羽根」か
- YouTubeのみが真の「破壊的ビジネスモデル」
- 「個人の力の最大化」=「インターネット」
- 「フリー」のその先、無料戦略の次
- ファンがパトロンになる「パトロンモデル」成立への道
- しかるべき場所にしかるべき人を、職業選択の最適化
- 入試の時にパソコン持ち込み可・インターネット可であれば大学の教授はどういう問題を作るのか?
- 「文明社会でのサバイバル」を教えるのが学校
- 好きなことをしてメシを食う時代の到来
- 10人中9人に嫌われてもいいから残りの1人に興味を持ってもらう
- 著作権という概念の崩壊、ファイル共有ソフトは最終局面に
- 量から質が生まれる、大量にならなければ高品質にはならない
- 超小額決済システムを握ったところが最終的な勝利者に
- インターネットの規則を考えるというのは世界の規則、世界のルールを考えるというのと同じ
- みんなのルールを決めるのは「政治家」ではなく「サイレンとガーディアン」に
- 旧世代と新世代のかつてないレベルの「激突」
- インターネット上に出現する国家のカタチ、領域・人民・権力
この本で取り上げている話題で私が意外に感じたのは「教育」。しかし、このことを外してはビジネスも人生も国家もないというのは、まさに著者のいう通り。
例えば「今の入試システムのいびつさは筆舌につくしがたいレベル」というのは私も感じていることで、章のタイトルにもあるように「入試の時にパソコン持ち込み可・インターネット可であれば大学の教授はどういう問題を作るのか?」という問題提起は面白い。
クラウドにこれだけ多くの知識が蓄えられ、そこに自在にアクセスできる現代において単なる記憶量を問うような入試に果たして意味があるのか?
極論すれば「ググれない」問題を解く力こそが今後ますます重要になるのではないか。
また、情報にアクセスする方法、スピード、扱う情報量が決定的に異なってきている旧世代と新世代の激突はかつてないレベルになるという着眼点も斬新。認めたくない人も多いだろうが、世代間の戦いになってしまうんでしょうね。得する世代・損する世代がはっきりしている年金問題のように。
少なくともネット周辺で仕事・生活している人なら、外せない視点・用語を一通りカバーしている読むべき一冊。
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