『ザ・シューター/極大射程』

　自分のミスから（と思っている）友人を前線で亡くし、隠遁生活を送っている主人公スワガー（マーク・ウォールバーグ）に、大統領暗殺情報をキャッチしたということで軍より協力要請が入る。それを引き受け、自らのスナイパーとしての経験から狙撃地点を挙げるなど協力するスワガーだが、彼自身が狙撃犯に仕立てられ銃撃されてしまう。絶体絶命の彼に救いの手を差し伸べたのは亡き友の奥さん。そして意外な助っ人が・・・。その後彼は自分をハメた相手を見つけ出し、真相に迫ってゆく、というストーリー。相手が巨大すぎるだけに不安・恐怖・腹立たしさを感じずに見続けることは難しい。
　さらに本作を面白くしているのは、謎解きとスワガーの意外な協力者だろう。ぜんぜん頼もしくないし、ドジなFBI捜査官なのだが、組織よりも自分の頭で考えることを優先する男っていうところが幸い。上司に睨まれながらも疑問点を暴き出そうとする。このあたり言葉にできない味があるので、ぜひ本編で見てほしい。

　あらぬ嫌疑をかけられ、味方がいない状況というのはかなり切ない。「逃亡者」のハリソン・フォードしかり、「ターミネーター２」のサラ・コナー（リンダ・ハミルトン）しかり。だからこそ、「大きな目的」のためにあきらめずに戦い、その信念が味方を増やしたときの感動も大きいのだろう。

　大人の解決方法を選ばず、やんちゃに決着を着けたラストにも拍手！