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 ローマ帝国も4世紀に入ると痛々しくて見ていられない。物語として面白いのは帝国の発展してゆく五賢帝のあたりまでか。その後は出口の見えない撤退戦を戦っているようで字面を追うのも辛い。「じゃあ、なんで読むの?」という声が聞こえてきそうだが、最後まで見届けたい、その思いだけ。「逃げちゃダメダ、逃げちゃダメダ、逃げちゃダメダ・・・」byシンジ(^^;)
 特に、キリスト教が勢力を持ち始めてからというもの、う~むと考えさせられてしまう。一神教と多神教の違い、特に「寛容(トレランス)」という美徳について。
 卑近な例で恐縮だが、実は身近に「自分は絶対に間違ったことをしていない」という信念の持ち主がいて、話し合いにならずに閉口している。意見の相違があればすぐに不機嫌になり、間違っているのはいつもヲレというわけだ。
 高校生の時世界史を学び、「キリスト教がなければ、どれだけ多くの人が死なずに済んだだろう」と想像した。(ちなみに世界史とは人間の愚かさを直視するための学問だと思う)いい歳になった今も、キリスト教で救われた物言わぬサイレントマジョリティのことを理解しつつも、やはりその思いは残っている。
 もちろん、後の血で血を洗うような宗派争いはキリストの預かり知らぬところなのだろう。そこまで人間の善性を信じたということか。なんだかWinnyの作者を思い浮かべてしまう(^^;)。
 もっとも硬い話抜きで楽しめる雑学も満載。例えば、「真実の口」。うそをついた人が手を入れるとかみ切られるというアレだが、もとはローマの下水道マンホールの蓋だったそうだ。
 この本はオススメの一冊だが、今回レコメンドしなかったのはやはり1巻から読んで欲しいから。文庫本も出ているので、この硬骨の「ローマ人の物語」をぜひ手にとって欲しい。

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