う~ん、わからない、この映画のよさが。
確かにストーリーは悪くないし、作りもしっかりしている。でも、心に響く何ものも残らなかった。なぜだろう。
主人公には同情できる。貧しい境遇に生まれ、アルバイトしながらボクシングに全てのエネルギーを注ぎ込みながら質素な生活を送り、ファイトマネーが入るようになってからはトレーナーに「家を買え、現金で」と言われて小憎らしい母親に家を買ってやる。すばらしい女性じゃないか。なのに・・・。
感情移入できなかったんだと思う。紆余曲折はあったにせよ、とんとん拍子にボクシングで成功していった構成のせいか。それともボクシングの世界ってこう、という、あまりにもステレオタイプなストーリーのせいか。目新しさは「女性」ボクサーという点だけ。
それにモーガン・フリーマンの影の薄さが悲しい。彼の役割はいったいなんだったのだろう。
こういう話だよ、と口で伝えたら聞いた人間は「おもしろそうな映画だね」と言ってくれそうな気がする。てことは脚本より演出が弱い?
ラストは賛否両論あると思う。あのラストはひとつの終わり方としていい。でも、ハッピーエンドでないなら、何でもいい、胸に響くものがひとつ残って欲しかった。 そういう意味ではブラピ主演の「セブン」。あの映画の後味の悪さは五指に入る。あれはあれで、心に「傷」を残してくれた。そういう意味では名画である。
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