前作からの変更点は次の通り。
(1)随所に挿入されるデッカードの独白を消去。
(2)ユニコーンの白昼夢を見ることで、デッカードがレプリカントということをほのめかす。
(3)ラスト、デッカードとレイチェルがエレベータに乗り込むまででカットし、その後のハッピーエンドを暗示するシーンを削除。
(1)の編集はすごくいい。ともすると説明過剰だった以前の2作品と比べると、「余韻」の残り方が雲泥の差で映画としての完成度は非常に高くなった。例えばラストで、今まで戦っていたロイに助けられるデッカード。前作ではなぜ自分を助けたのか想像して語るシーンが少々余計だった。本作は激しい雨に打たれながら心のうちをあれこれよぎる思いを抱えたデッカードをハリソン=フォードが好演! すべては見る人にゆだねられている。鳥肌が立つほどの、最高のシーン。
ただ、前作を踏まえて見てるから分かる部分もあるので、これをいきなり見た人には説明不足かもしれない。
(2)リドリー・スコット監督によれば「デッカードがレプリカントだとほのめかしたかった」とのこと。なぜユニコーンの夢を見ることがレプリカントだという証拠となるのか。これについては、例えば「ブレードランナー ユニコーン」などのキーワードでググってほしい。多くの推理に触れることができる。
ただ、デッカードがレプリカントである必然性はあるのか、それでストーリーが深みをますのか、という問いに対して自分的にはNo。だから、蛇足とも思えるシーンである。
(3)これも賛否両論ありそう。あえてハッピーエンドを暗示しない意図が自分には??? ハッピーエンドの終わり方の方が好きだな。
なお、この版は「アメリカ劇場版」をベースにしているので、昨日のエントリで紹介した暴力的なシーンはない。そこもちょっと不満。
という訳で個人的には「インターナショナル版」+①が現在考えられるベストカットだと思う。
「ファイナル・カット」についてはまた後日。
| Trackback ( 0 )
|