著者はタリーズコーヒージャパンの創業者。
こういった自分の成功を背景に「○○論」を語る場合、ともすれば自分の自慢話が鼻につくケースが多いものだが、この本はいやみがなく、素直に読めた。年齢の割にしっかりとした語り口。どちらかというと、真山仁の小説の登場人物のような印象。
著者が言いたいのは「本当に5年でやめなさい」ということではなく、「5年でやめるつもりで、あらゆることをやりつくしなさい」ということ。やめることが目的なのではなく、やめるという目標が次のステップになる。「目的」はゴール、「目標」は通過点というとらえ方。
書いてあることに特別の目新しさはなく、その辺のビジネス書を10冊も読めば内容はほとんど網羅されてしまう。ただ、一読後、ちょっと元気が出たかな(^^;
机の下で、こっそりガッツポーズをしてしまう程度だけど。
世間の認知として、サラリーマン=ダサい、起業家=カッコいいという図式があるように思う。けれど、世の中を支えているのは圧倒的多数のサラリーマンであったりするわけだから、サラリーマンに対するエールとも読める。みんながみんな5年で起業してしまうと大変なことになる(^^;
「心は起業家」。そんな風にも読める好著。著者もそういう読み方を否定しないだろう。微苦笑くらいされるかもしれないが(^^;
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