『神の手（上）』 パトリシア・コーンウェル

神の手 (上) 講談社 このアイテムの詳細を見る

　いやあ、一年ぶりの再会、うれしいね。マリーノがちょっと元気がない、というか荒んじゃってるのが気がかりだが・・・。
　タイトルの「神の手」。原題は「PREDATOR（捕食者、肉食動物）」。なんでこの原題が「神の手」なんて、ありがちな題名になったかは、最後まで読まないと分からないんだろうな。訳者が相原真理子さんだけに、読後の、パズルの１ピースがピタッとはまる感覚も楽しみ。
　まだ半分なのであれこれ書けないが、２点だけ。
　このシリーズの目玉である「検死」に関する描写や技術について書き込まれているのはもちろんだが、今回マリーノの乗るバイク、ハーレーについてもしっかり記述してある。このあたり手を抜かないのがコーンウェル流。読む方としては自分の興味・関心と重なる部分で適当なこと書かれたら、それだけで鼻白んでしまう。
　あと、心に響くセリフも相変わらずで・・・。ある人物がメディアで視聴者に投げかけるセリフ。
「人間の感情はいわば心の天気です」
かーっ、なんて上手い掴みだろう。天気を比喩に、視聴者をいろんなとこへ引っ張りまわせる。こんなこと、すっと言える先生、見習いたいものだ(^^;)
　（下）を読むのが楽しみ。でも、おいしいものは最後までとって置いたほうが余計おいしくなるような気も(^^;)