アマテラス その１（死神家の一族）－２

香織：もしもし

女　：ハイ、レンタルお姉さんです。

香織：私、神谷と申しますが。

女　：求職でしょうか？

香織：え？いえ、女の方を一人派遣していただきたいんですが。

女　：あ、ハイ、わかりました。あの、レズビアンということでしょうか？

香織：え？あの、電話が遠くて。すみません、息子の太郎っていうんですけど、
：：：：：ずっと引きこもっていて、それで、面倒みていただきたいんです。

女　：あ、そうですか。息子さんがご利用ということで、、、。
：：：：：60分１万４千円で90分２万円となっておりますが、、、。

香織：ええっ！あなた、60分１万４千円だって。

父郎：なんだ、ボランティアじゃないのか。

香織：あのう、ボランティアじゃないんですか？

女　：いいえ、うちはお金をいただいております。

香織：お金取るんだって。

父郎：背に腹は変えられん。払うよ。今月は余計に殺生しなきゃならんな。

香織：どっちよ、60分コースか、90分コースか？

父郎：まあ、最初だから60分ということで。

香織：60分コースでお願いします。

女　：お好みは？芸能人で言えば、どういった子がお好みでしょうか？

香織：芸能人で言えば誰が好みかってよ。

父郎：そりゃ、藤原紀香だよ。

香織：あなたの好みは聞いてないんですう。
：：：：：あの、新庄ユリカ似の女の方をお願いします。

父郎：何でお前にわかるんだよ。

香織：母親のカンよ。

父郎：へえー。

女　：何時ごろ伺えばよろしいでしょうか。

香織：いつがいいの？

父郎：善は急げっていうし、さっそく今日来てもらおうか。

香織：じゃあ、今夜お願いします。

女　：ご住所をお願いします。

香織：東京都過疎市さびれ町１－５－５９の神谷です。