ついにこの日がやってきた

思えば今年３月、寝台急行「銀河」の廃止がアナウンスされてからというもの、もはや翌年３月の「富士・はやぶさ」の廃止は、それ以来の確定事項として、全国津々浦々の鉄ヲタさんの頭の中にはあったのだけれど、とうとう確定時期がやってまいりまして…。

ブルトレ、東京駅から消える　３月に富士・はやぶさ廃止(朝日新聞) - goo ニュース

ＪＲ旅客６社が来年３月１４日に行うダイヤ改定の概要が１８日わかった。東京と九州を結ぶ唯一のブルートレインが無くなるなど、夜行列車衰退の流れに拍車がかかる内容となった。

　ＪＲ関係者によると、ダイヤ改定で寝台特急「富士」（東京―大分）と「はやぶさ」（東京―熊本）が廃止され、東京駅発着のブルートレインは姿を消す。

　毎夜運行している夜行快速「ムーンライトながら」（東京―大垣）と「ムーンライトえちご」（新宿―新潟）は臨時化され、乗客が多い夏休みや春休み、年末年始などに限定する。安い運賃で長距離を移動できることから重宝され、「青春１８きっぷ」の利用者も多かったが、深夜バスなどに押されて乗客が減っていたという。

　東海道新幹線は、金曜夜などの混雑時に「のぞみ」を現在の１時間８本から９本に増やす。上越新幹線の大宮―越後湯沢間では０９年２月に新型のＡＴＣ（自動列車制御装置）を整備し、東京と新潟・長野方面を平均で１～２分短縮する。新幹線「はやて・こまち」の一部は大宮駅を通過しているが、すべて停車するようになる。（峯俊一平）

ついにこの日がやってきた。
夜行列車は、安楽死なのか、本当に旅客が選択肢として選んでいないのか。
ＪＲ東海も、「需要云々」などともっともらしいことは言わずに、ストレートに機関車を運転できる運転士を育てるのが面倒だから夜行は勘弁してくださいとでも言ってくれれば、こちとら少しは気が楽になるのに。うん、少しはねorz

ガラガラに空いていると言われ続けて幾年月。
果たして夜行寝台列車を使ったてこ入れ策が、何か行われた形跡があっただろうか？いやない（反語風）。
あったとしても、いつぞやの出雲号のように、飛行機に太刀打ちするために、わざわざ平成の世に３段寝台を復活させて、３段寝台限定ながら大幅に割り引いたキップがあったくらいで、夜行列車限定で安くなるような企画キップが発売された試しなどほとんどない。それでも、そのような企画キップを売らなくてすむ位の、まるでどこぞの東海道新幹線のような、いつもいつも超満員の列車だったならばいざ知らず、周囲に人がいない分、思う存分汽車旅の醍醐味を堪能できるというメリットはあれど、運営会社的には、かような乗車効率ではメリットは何一つないだろう。
それとて、鉄道会社間でどのようなしがらみが発生していたかは、おいらの知るところではないが、夜行列車がこのような状況下に置かれ続けて１０数年、万策尽きた上での廃止ならいざ知らず、１０数年かけて安楽死させようとしてきた鉄道会社には、ある種の不信感さえ沸いてくるのだ。

今の鉄道ブームの中で欠かせないキーワードになっている「夜汽車」。
しかし、その「夜汽車」の移動スタイルが、もはや時代遅れになっているのは確かにその通りで、現地に朝早くから用事があるなら前泊すればいい…というのは、世論が形成したのか、或いは鉄道会社が世論を「夜行列車不要論」へ誘導していたかは分かりかねる。
しかし、そのような移動スタイルを「時代遅れ」として何ら手を打つことすらないまま、顧客には「ノスタルジー」のみで訴えようとしたところで、「時代遅れ」と言われるのは自明の理のような気がするのだが…。

間違いなく数年後には「夜汽車」という言葉は、死語になる。
いや、たとえ生き残ってはいても、果たしてこの先どれほど長い間、生き残れるかは神のみぞ知る。北斗星だって、青函トンネル工事を理由に１往復に減便されたくらいだから、夜行列車の灯など、どこでどう絶えてしまうか、カウントダウンはもう始まっているのではないだろうか。

なんだかねえ…。
「夜行」という移動手段は、確かに時代遅れかもしれないけれど、それを必要として生活を組み立てていた人だっているわけで、その人たちの生活スタイルを曲げてまで会社側の都合を押し通すやり方は、鉄道会社にとってはマイナスにしかならない…ということに、いつになったら気がつくのだろうか。
いや、気がついていても、どうせ１人や２人といった微々たる数では、会社が動じるほどでもあるまい。

カウントダウンは、もう始まっている。

…。

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