入浴中は心臓発作や脳卒中をひきおこすことがあり特に寒い時期には夏場の約7倍もお風呂場での突然死が日本では増加します。入浴急死例は年間1万人に達すると推定されます。
歳をとると血圧の調節機能が衰えてきて血管の弾力も失われてくるので少しの温度変化で血圧が急激に上がりやすくなります。血圧の大きな変動が発症の引き金になる「脳出血」「心筋梗塞」「狭心症」といった血圧事故がおこりやすくなります。
トイレや浴室のような寒い場所では高血圧の人でなくても血圧が急上昇、急下降するので血圧が正常範囲の人も安心できません。
例えば入浴時に25℃くらいの暖かい部屋を出て10℃ほどの脱衣所で服を脱ぎさらに寒い浴室に入ります。すると血管が急に収縮して血圧が20~30mHgくらい急上昇します(高齢者はこの数倍上昇)。
このときに脳の血管が破れる「脳出血」の危険が生じます。そのうえ湯船にどっぷり肩までつかると皮膚血管が広がりこんどは血圧が20mHgも急低下します。これが「脳梗塞」や「心筋梗塞」の引き金になります。
深夜のトイレでも同様です。暖かいベッドから10℃前後のトイレに入るとそれだけで血圧が上昇します。排便のために力むと血管が収縮するからさらに血圧が高くなります。こうした血圧事故を防ぐには家の中の温度をなるべく一定にすることです。特にトイレや脱衣所、浴室は居間と同じくらいの「20~25℃」を保っておくのが理想です。
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