Crónica de los mudos

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苦役行列

2024-07-22 | 天満放浪記
 今年も気づくとこの季節。
 思えば3回目くらいは厄払いだったのが、いまや老後も下半身が動くかを調べる貴重な苦役の機会になったような気が。職業柄ふだんは浮世離れした暮らしを送っていると思うので、徹底して町場の人々と向き合ういい機会にもなっている。
 私どもが御支えするのは右の鳳さんで、左は中央市場の人々が支える玉さん。いずれも2トン程度あるので誰も「わっしょい」とか言ったりしない、というより言えないので「わぎゃー」と慨嘆するか「みょーっ」と喚叫するか「どおらー、こらー」と怒号するか、挙句の果ては「むぐぐぐぬぬぬ」と呻吟するしかなく、同胞たちの肩や腕のあいだから空を見て神と対話するのはこのときだけかもしれない、神は背後にいるわけだが、この際、救ってくれるなら誰でも。
 すべきことが山とは言わずとも巨岩ほどにはあるので気が引けるのだが、25日は今年は平日、申し訳ないが年休を取らせていただいた。今年も花火があがる頃合いには、その下の川面で世界中の難民に思いをはせていると思う。地べたを這いずり回った末にいろいろなものとつながる日であることだけは間違いないので。