仲間と企画した子ども向けの映画会が無事終了。参加者も予想以上に多かった。暑い中みんなでチラシを配るなど準備した苦労が報われて嬉しかった。
8月末というのに酷暑が続く。連れ合いはこの夏あまり野外に出掛けていなかった。避暑を兼ねて一緒に馴染みの平湯キャンプ場に行くことにした。
(多くのHP・ブログの記事、図書を参照したり引用させて頂きました。ありがとうございます)
8月25日の9時に出発。昼は郡上八幡の蕎麦屋に入っ。『蕎麦正まつい』という初めてのお店。
お蕎麦と天婦羅を頂いた。
美味しいお蕎麦だった。
おすすめします。
平湯キャンプ場に到着。いつもと同じ辺りにテントを張ることができた。
『ひらゆの森』の露天風呂に入湯してから
夕食のバーベキュー。食後はいつもの様に飲みながら焚火を楽しんだ。
笠ヶ岳が見えている。8月26日。平湯バスターミナルを10時発のバスに乗り上高地へ。
釜トンネル手前の梓川。バスの車窓から。
大正池が見えた。
大正池の停留所で降りることが多いが、今日は帝国ホテル前で降りた。
ホテル前の石垣で。ソバナの花。
同じ石垣で。ノコンギク(野紺菊)。白く見えるが薄紫色の花。
ホテルの横を通り梓川の河畔に向かった。
中国山地で沢山見かけたキンミズヒキの花。
ハンゴンソウ(反魂草)。キク科キオン属の多年草。 花はキオンに似るが、キオンは葉に切れ込みがない。本州中部~北海道に分布。
名の反魂とは魂を呼び戻すこと。手の平のような葉が下を向くので幽霊の手を連想して名付けた、という説もある。
ヒョウモンチョウ。
ミヤマウツボグサ(深山靫草)。
ホタルブクロ(蛍袋)。
面白い。花弁が反り返っている。何だろう?
葉はこんな感じ。
判明。クサボタン(草牡丹)。キンポウゲ科センニンソウ属。花弁に似て反り返っているのはガク片。有毒。冬には大部分枯れるが、茎の基部が木質化して下部が残る。葉は長い葉柄を持ち3出複葉。
同じくクサボタン。花が終わればこんなことに! 花柱が羽毛状に伸びる。日が当たるとキラキラ輝くように見える。
白い尾のような花が林床でよく目立った。
サラシナショウマ(晒菜升麻)。キンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草。和名は若芽を茹でて水にさらして食べたことに由来。根茎は升麻(ショウマ)という生薬として利用される。
アズマヤマアザミ(東山薊)。キク科アザミ属。山地の沢沿いの林下や林縁に生える多年草。日本固有種。
梓川の河原に出た。前穂の稜線にかかる雲が晴れようとしている。
帝国ホテルからの道はまっすぐ田代橋に。いつもは大正池から来て田代橋を渡り、梓川右岸を河童橋に向かう。今回は田代橋を渡らずに梓川左岸を河童橋に向かって歩いた。
ここからの焼岳の眺めも素晴らしい。
対岸からこの広い河原を見て「あそこに行ってみたい」と思っていた。木陰に平らな石を組んでベンチを作った。修学旅行生がグループ毎に並んで歩いていくのが見える。
想像以上にこちらからの眺めも素晴らしい。
イタドリの雌花。休憩の後、川沿いの遊歩道を歩き始めた。
またハンゴンソウの花。星か花火のように可愛い。
ウワミズザクラ(上溝桜)の実か。バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木。
舌状花が1枚だけだが。メタカラコウ?
ゴマナ(胡麻菜)。キク科シオン属の多年草。葉は長さ13~19cmの長楕円形。粗い鋸歯がある。
名は葉がゴマに似て食べられる草という意味。下はゴマの写真。葉が“細長い”以外、似ていない。
Wikipedia「ゴマ」より写真を引用
葉をもむと、かすかにゴマの香りがするからという説もある。 これは確かめていない。
左岸からの眺めはかなり素敵だ。
ベンチで休んでおられた方にお願いして写真を撮って頂いた。
ノコンギクと明神岳。薄紫色の花が美しい。
ヤマハハコ(山母子)。キク科ヤマハハコ属の多年草。中国山地で見たホソバノヤマハハコと比べて、葉の幅は若干広いように見えた。
シラネセンキュウ(白根川芎)。セリ科シシウド属の多年草。葉は3出羽状複葉。 花は白い5弁花。
キツリフネが沢山咲いていた。
前に出ている唇弁は2枚でできている。
唇弁がこんなに開くとは知らなかった。
イヌトウバナ? コウシンヤマハッカ?
河童橋が近づいた。穂高連峰がスッキリ見えてきた。
案内板。ピークの名を確かめた。
トモエシオガマ(巴塩竈)。花の色は褪せてしまっている。ハマウツボ科シオガマギク属の多年草。本州中部以北の亜高山帯~高山帯に分布。日本固有種。
河童橋に到着。6月より賑わっていた。橋の上で写真を頼まれた。少し休憩して岳沢湿原へ向かう。
木道の下に可愛いピンク色の花。アカバナ(赤花)。アカバナ科アカバナ属の多年草。山麓や野原の水湿地に生育する。なるほどその通りだ。
花弁は4個。先端が2裂する。雄しべは8個。うち4個が長い。
いつ見ても美しい岳沢湿原。水鳥は見当たらなかった。
オオカメノキ。赤い実が熟しつつある。
湿原を後に先へ進む。
土石流で寸断された遊歩道が修復されていた。
これは?
これは? 垂れ下がった変わった花を付けている。
花の終わりかけたコウモリソウ(蝙蝠草)。キク科コウモリソウ属。
キンミズヒキ。
ミヤマニワトコ(深山接骨木)の赤い実。スイカズラ科。ニワトコの高山種。本州の日本海側に分布。樹高が低く(1mほど)草のように見える。
嘉門次小屋に到着。6月は休業中だったが賑わっていた。
ビールで乾杯。そばと岩魚定食を頂いた。
嘉門次小屋は上條 嘉門次(かみじょう かもんじ)が明神池の畔に建てた小屋。嘉門次(1847年生)は上高地で杣・山見廻り人夫・猟師をしていた。ウォルター・ウェストン夫妻を北アルプスへ案内したことで有名になった。
嘉門次小屋HPより「ウォルター・ウェストン夫妻をを案内する上條 嘉門次」
山小屋の営業は1925年息子の夫人が始めた。本格的な営業は1966年4代目の代から。小屋は国の登録有形文化財に指定。
明神橋を渡り明神館に向かう。
沢山の花が咲いていた。サラシナショウマ。
メタカラコウ。
そしてトリカブト。サンヨウブシ(山陽附子)。キンポウゲ科トリカブト属。
関東~中国地方に分布。なるほど。氷ノ山の山裾で見たトリカブトもこれだったのだ。和名は山陽の岡山県で発見されたことに由来する。
山地帯~亜高山帯の林内・林縁に生える多年草。葉は直径30cmほどで5~7中裂する。花は青紫色で上から咲く。確かに。
ほとんどのトリカブト属は猛毒だがサンヨウブシは数少ない無毒のトリカブトだそうだ。
明神館に到着。小屋の前にあるコナシ(ズミ)。小さなリンゴのような実を沢山付けていた。
木陰のベンチで休憩。隣に山帰りの男性の方がおられたので声をかけた。「槍から奥穂まで歩いて来た」と言われた。「ということは大キレットを歩いて?」と質問。その時のようすをスマホの写真を見ながら聞かせて頂いた。
「…天気はとても良かった。周りの景色を眺めて足元を見ると恐怖感で前に進めない。ひたすら足元だけを見た。腹ばいの状態で進む時もあった。誰かに誘われても二度と行きたくない。体力・体調・天候が許す時、覚悟を決めて行く所だと思う」という主旨のことを言われた。だろうと思った。
コウシンヤマハッカ(甲信山薄荷)。シソ科ヤマハッカ属。高さ60~80cmの多年草。葉は対生し卵形~狭卵形で幅4~6cm。先端は3裂しない。
カメバヒキオコシの変種で花は青紫色。カメバヒキオコシの葉の先は3裂して尾状に伸びるのに対し、本種は葉の幅が広く3裂しない。
山梨県~長野県南部に分布。
これは平湯キャンプ場で見た花。花はコウシンヤマハッカにそっくり。しかし葉が3裂しているので、これがカメバヒキオコシだと思う。
こちらはカニコウモリ(蟹蝙蝠)。キク科コウモリソウ属。
大規模ながけ崩れの跡。
サラシナショウマの花で吸密するジャノメチョウの仲間。
明神橋~河童橋間の梓川左岸の道は川にえぐられた場所が多くあった。
平坦地の林内の道は無事。
ユキザサの実。これから真っ赤に熟すはず。
クロクモソウ(黒雲草)。ユキノシタ科チシマイワブキ属の多年草。
エゾクロクモソウ(蝦夷黒雲草)を基本種とする変種。日本固有種。
キツリフネの花。その上はつぼみ? 向こうに実ができている。その上は閉鎖花?
静かな川面に映った林と青空。
これもサンヨウブシ。
ところが、小梨平に来ると別のトリカブトが登場。ヤチトリカブト(谷地鳥兜)。キンポウゲ科トリカブト属。サンヨウブシと違いトリカブトらしい葉をしている。本州中部に分布。高山帯の草原や亜高山帯のやや湿った所に生育。
8月上旬の熊による被害のため小梨平キャンプ場は閉鎖中。
もったいない。
河童橋に戻った。いつものソフトを頂く。穂高連峰に別れを惜しみつつバスターミナルへ。ところがバスの時間を勘違い。「平湯行き毎時0分発」だった6月と違い、8月24日~は「毎時30分発」に。時間があるのでビジターセンターに戻った。
センターの「今咲いている花」のコーナー。見てきた花の名前がよく分かった。またセンターの周りは沢山の花が咲いていた。
特にヤチトリカブト。
センター裏の清水川沿いに沢山咲いていた。
ハナバチも吸密に来ていた。
これもシラネセンキュウ?
ノコンギク。
ミヤマアキノキリンソウ。
メタカラコウ。
ソバナ。清水川沿いに今日見た花のおさらいのように色々な花が咲いていた。
清水川のバイカモ(梅花藻)。そろそろバスセンターへ。
なぜかヤマカガシが。動かないので死んでいたのかも。
平湯に戻り「ひらゆの森」で汗を流してキャンプ場へ。今夜は寄せ鍋。涼しいので鍋料理も美味しい。その後はまた焚火を楽しんだ。
8月27日。朝食の後ゆっくりしてから撤収。10時に出発。
平湯から笠ヶ岳がよく見えていた。この日は6月と同じく白鳥から国道158号線で大野に出て、そこから勝山の福井県立恐竜博物館へ。
コロナのため事前にネット予約して入場できる状態。今日は平日なので当日の手続きで入場できた。
去年孫を連れて来た時はゆっくり見学できなかったが、今日はじっくり眺めることができた。
テリジノサウルスの巨大な爪。
ダイノベンチの恐竜博士もマスク姿だった。閉館時間まで粘って博物館を後にした。暑い大阪が待っている。