夏の今頃、何を…ですが。たまたま読み返した「4月の花(2)」。新型コロナで遠出を控えた時分「近所で撮った花のことを知りたい」と調べた内容。
「4月の花」が長過ぎる、と切り分けた「4月の花(2)」。まだ長い。後半を「4月の花(3)」と再度分離することに。
(Wikipediaその他のHPやブログの記事、図書を参照したり引用させて頂きました。ありがとうございます)
カキドオシ(垣通し)。
シソ科カキドオシ属。別名レンセンソウ(連銭草)、カントリソウ(癇取草) 。北海道~九州に分布。
「垣通し」の名は、隣の庭から垣根を突き抜けて勢いよく伸びる様子から。「連銭草」は、丸い葉が並んで見えることから。「燗取り草」は、子どもの燗の薬にするから。
茎や葉の全体に細毛があり、よい香気がある。
春、花が咲くころは直立するが、花の後、茎が伸びるとつる状になり地面を長く這う。一般に春の葉は小さく夏には大きくなる。
葉を揉むと強く香る。若葉は食用となり、あくを抜き、和え物やお浸しにする。
ヤエザクラ(八重桜)。
まだ咲き始め。能因法師塚で。品種名は不明(関山か)。
参考までに、同じ八重桜のギョイコウ(御衣黄)。
2013年4月、仁和寺で撮影。珍しい緑色の花弁は次第にうす桃色に変わっていく。
フリージア。
アヤメ科フリージア属 。近所の各所に植えられていて今が盛りだ。
南アフリカのケープ地方に10種余りが自生。オランダで品種改良され150以上の園芸品種があるそうだ。これは一般的な「アラジン」のようだ。
オレンジ系のフリージア。
紫系のフリージア。多くの庭に、色々なフリージアが咲いていた。
面白い形の花を見つけた。ペチコートスイセン(ペチコート水仙)。能因法師塚で。
ヒガンバナ科スイセン属。原産地は地中海沿岸。
Wikipedia「ペチコート」より「アマゾン(ペチコート屋)シフォン2段ペチコート」より
耳にしたことはあるが、よく分からなかったので一応ペチコート(ペティコート)で検索。「スカート生地の滑りをよくするためスカートの下に着用する下着」のようだ。
ハナズオウ(花蘇芳)。
今まで知らなかった植物。4月によく見かけた。安満新池のそば。
マメ科ジャケツイバラ亜科の落葉低木。 中国が原産地。ちなみにジャケツイバラは下のような植物。
Wikipedia「ジャケツイバラ(蛇結茨 )」より
Wikipedia「ジャケツイバラ(蛇結茨 )」より
漢字では「蛇結茨」。枝がもつれ合う様を、ヘビ同士が絡み合う様に見立てた名前。 宮城県以南の本州~南西諸島に分布。
ネモフィラ。近所の畑で。ハッとする明るい青。瑠璃色のかわいい花だ。
ひたち海浜公園みはらしの丘(Wikipedia「ネモフィラ」より)
今流行りの花らしい。このような広大な花畑の広告をけっこう目にする。
ムラサキ科ネモフィラ属。ネモフィラ属は、北米に11種が分布。
近所の中学校で。真ん中左の渋いピンクの花。
これも意識することなく見逃していた花。一度気が付くと、あちこちに生垣として植えられているのに気付く。
花のつくりがマンサクに似てると思い調べると、やはりそうだった。
花のつくりがマンサクに似てると思い調べると、やはりそうだった。
ベニバナトキワマンサク(紅花常盤万作)。防災公園で。
Wikipedia「マンサク(万作)」より
マンサクは有名だ。独特のチリチリした感じの黄色の花。まだ寒さが身に染みる頃に咲く。「まず咲く」からマンサクと言われる。
Wikipedia「トキワマンサク(常盤万作)」より
これがトキワマンサク(常盤万作)。
ユキノシタ目マンサク科トキワマンサク属。本州中部以南から九州、台湾、中国南部、インド東北部に分布。日本での自生は、静岡県湖西市・三重県伊勢神宮・熊本県荒尾市のみで知られる。「隔離分布」として説明されていたが、中国から持ち込まれたものが逸出したのかもしれない。
(※環境省による『課題名 D-0903 絶滅危惧植物の全個体ジェノタイピングに基づく生物多様性保全に関する研究』 (課題代表者名 井鷺裕司〔京都大学大学院農学研究科森林科学専攻森林生物学研究室〕の D-0903-iv の資料引用)
常緑小高木。花期は5月頃で細長い4枚の花弁の花を咲かせる。
ベニバナトキワマンサク(中国原産)はトキワマンサクの赤色変種なのだ。
ヒメリンゴ(姫林檎)。
バラ科ナシ亜科リンゴ属。植物学上の和名はイヌリンゴ。
園芸品種で、セイヨウリンゴとズミの雑種とする説が一般的だが、詳細は不明。
ズミ 2020年6月上高地で 果実に酸味があり「酢実(すみ)」 コナシともいう
HP「庭木図鑑・植木ペディア」よりズミの実の写真の引用 実の直径は6ミリ程度
熟しても酸味が強い。お祭りの露店で売られる「りんご飴」の材料にされる。
近くの幹線道路沿いに街路樹として植えられている。毎年、沢山赤い実を付けているのを見るとうれしくなる。「りんご飴」を作ってみたいがまだ試していない。
カロライナジャスミン。
沢山の黄色い花が白い壁からあふれ出すように咲いていた。奥天神町で。
ゲルセミウム科ゲルセミウム属。北アメリカ南部~グアテマラ原産のつる性植物。ジャスミンに似た甘い香りをもつが、まったく異なる仲間の有毒植物。
茎・根・葉・花など全ての部分にゲルセミシン、ゲルセミンなどの有毒成分を含む。「ゲルセミン」を調べるとこんな花が出てきた。
Wikipedia「ゲルセミウム・エレガンス」より
カロライナシャスミンとよく似ている。同じゲルセミウム属の「エレガンス」だ。やはりつる性の常緑低木で、東南アジア~中国南部に自生 。
別名は、冶葛(やかつ)、鉤吻、断腸草、胡曼藤(草)、野葛、毒根、黄藤、大茶薬(藤)、除辛、爛腸草、ランゴン、シュア・ノーツァ。
何でこんなに名前があるかというと、この植物が世界最強の植物毒を持つ猛毒植物のためのようだ。
Wikipedia「ゲルセミン」化学式
有毒成分はゲルセミン、コウミン、ゲルセミシン、ゲルセヴェリン、ゲルセジン、フマンテニリンなどのアルカロイド。毒部位は全草で、もっとも毒の強い部位は若芽。主要な中毒症状は呼吸麻痺。延髄の呼吸中枢を麻痺させる。
漢方では、根を乾燥させたものを「鉤吻」と呼び、喘息治療や解熱、鎮痛などに用いる。毒性が強いので「内服は厳禁」とされる。正倉院宝物にも「冶葛」が含まれる。
「カロライナジャスミン」ではなく、属名の「ゲルセミウム(Gelsemium)」か、種小名のセンペルヴィレンス(sempervirens)」と呼ぶ方がふさわしいのではと思う。ちなみに「sempervirens」とは「永遠に生きる」と言う意味らしい。
オルレア・ホワイトレース。美しが丘町で。
とても目立つ花なのに今年初めてその存在に気づいた。セリ科オルレア属。 “オルラヤ”と呼ばれることもある。
学名は「Orlaya grandiflora」。 Orlayaを「オルレア」と読むか「オルラヤ」と読むかの違い。学名はモスクワの医師Johann Olrayへの献名。grandifloraは「大花の」という意味。確かにセリ科と思えない、大ぶりな花を付ける。
本来多年草だが、日本では夏の暑さで枯れてしまうため一年草として扱われているそうだ。
不明。古曽部町で。
不明。古曽部町で。
モクレン科のような感じがする。ネットや図書で調べるが見つからない。気になって仕方がない。
分からないまま10日ぶりに植えられているお宅を訪ねてみた。花の数は少なくなり、花びらが散って雌しべだけのものが多い。呼び鈴を押して家の方に聞いてみた。
答えは(家の方も)「わからないんです」。
「ずっと前からある。父が植えたのかもしれない。鳥が運んで来たのかも。『植木屋さんが〇〇だと言ってたよ』と母が話していたような気もする。でも覚えていない。(春になると)良く聞かれるので自分もネットで調べたことがあるが分からない」と言われた。
その方がおっしゃるように、花の散った後の花軸を見ると、モクレン科に違いない。その方は私に、花が一輪付いた枝を折り取って下さった。
花は簡単にバラバラになった。花びらを並べると
この花では10枚あった。ハクモクレンのパターンなら、左の3枚(外側)が同じ形のがく片で、残り7枚は花弁か。
花被(がく片・花弁)は肉厚で葉脈ののような筋が入っている。
雄しべ・雌しべはシュモクレンやコブシ、タムシバに似ている。葉の写真も載せておく。
お判りになる方があればお教え下さるとうれしいです。