川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

「安乗の稚児」 伊良子清白

2012-09-23 04:24:52 | 出会いの旅

9月23日(日)

 雨の朝です。昨日あたりから急激な気温の変化で体調がいまひとつです。例年のことです。天候の回復とともに秋の気に慣れてきます。

伊良子清白という人に「安乗の稚児」という詩があります。5年ほど前に知っておぼろげに記憶にあります。100年以上も前の情景ですがどこか気に入っているのです。

 三重県安乗崎に詩碑があるといいます。「志摩の果て」で伊勢路ではありませんが10月に連れて行ってもらえそうです。

よろしかったら声に出して読んでみてください。

  

 

【安乗の稚児】  伊良子清白

志摩の果(はて)安乗の小村(こむら)
早手風(はやてかぜ)岩をどよもし
柳道(やなぎみち)木々を根こじて
虚空(みそら)飛ぶ断(ちぎ)れの細葉(ほそば)

水底(みなぞこ)の泥を逆上(さかあ)
かきにごす海の病(いたずき)
そそりたつ波の大鋸(おおのこ)
(よ)げとこそ船をまつらめ

とある家(や)に飯蒸(いいむせ)かへり
(お)もあらず女(め)も出で行きて
稚子ひとり小籠(こかご)に座り
ほゝゑみて海に対(むか)へり

荒壁(あらかべ)の小家(こいえ)一村(ひとむら)
こだまする心と心
稚子ひとり恐怖(おそれ)をしらず
ほゝゑみて海に対(むか)へり

いみじくも貴(たふと)き景色(けしき)
今もなほ胸にぞ跳(おど)
(わか)くして人と行きたる
志摩の果安乗の小村                

 


 

 伊良子清白は鳥取の人ですが晩年は鳥羽市小浜で医者をしていたようです。わたしたちが泊まる宿「ホテル〆湯楽々」はまさにその小浜にあります。高校の「国語」(日本語)」の教科書でであった詩人と半世紀ぶりに会うような縁を感じます。

 ここにも詩碑があるそうです。医者をしていた家は今は鳥羽駅の近くに移築され記念館となっているとか。

3.JPG 

出典●http://www.wwalnuts.jp/fmn/?cat=6 

関連「川越だより」秋和の里●http://blog.goo.ne.jp/keisukelap/e/e15f9c7470c3b8b68cd6bf0c0264019c 

                  ●http://blog.goo.ne.jp/keisukelap/e/187d55f7d18cbab783135684e187607d

       


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