《兵隊さんごっこ》
「子供たち、日本の軍歌を歌って遊んでたのよ。」
え? なに、それ? なんで? と、顔中疑問符のあたしにミヨシさんが懐か
しそうに話してくれたこと。
「夕方、TVで日本の植民地時代を舞台にしたドラマをやってたの。必ず日本の
軍隊が出てくる。わたしがご飯の支度をしているあいだ、子供たちはいつもそれ
を見ているのよ。それで、今度は箒を持ってきて、それを掲げて軍歌を歌いなが
ら部屋の中をぐるぐるぐるぐる行進するの。その格好がおかしいのよ。」
あたしは向こうのTVなんて知らないから、どんな軍歌を歌うのか、あるいは「
日帝(日本帝国主義の略称)の軍歌」だと称してどんな歌をTVドラマに使ってい
るのか見当もつかないが、横目で見ると、おばあちゃんは複雑な顔をして黙って
いる。
あたしは、いつの間にか、去年の夏小豆島で観た懐かしの名画『二十四の瞳』
のワンシーンを思い出していた。 応召していたおとうさんが休暇で久しぶりに
帰ってきて喜ぶ子供たち。おもちゃの刀を「掲げ銃」にした男の子が大きいのか
ら小さいのまで一列になって、一杯やっているお父さんの周りを「兵隊さん」を歌い
ながらぐるぐる行進する。お父さんはしょっぱい顔で笑いながら見ている。
それは昔の日本の子供たちの「兵隊さんごっこ」。「兵隊さん」はあこがれの
ヒーローだった。櫂くんにとって「日本の兵隊」はなんだったのだろう? 仮面
ライダーのショッカー軍団? それとも、なに?
右翼ではないこと、たまたま私も公立高校の社会科教員(今は再任用教員)ということも共通項です。
たとえばビルマの軍事政権等に対しては厳しく批判しても、国民の生存権ですら危機にさらされている北朝鮮の体制についてはほとんど言及しない人権派(?)知識人については、私も常にはがゆい思いをしています。
ただ、昨年来の朝鮮学校の問題についてはけいすけさんとは違った考えを持っており、自身のブログにも書きましたので目を通していただければと存じます。
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http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/d/20100913