くまがい桂子 の  エッセイ  「木もれ日あびて」

「民報ゆうばり」に隔週で掲載している
エッセイ「木もれ日あびて」です。

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憲法五十七歳に

2004年05月04日 | Weblog
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、・・・中略・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」

日本国憲法前文の冒頭の文章です。
最初にこの憲法を知ったのは小学校の社会科の授業でした。
むずかしいことはわからなくても「戦争放棄」だけはよくわかりました。

当時、テレビでも新聞でも頻繁にベトナム戦争の報道がされており、その悲惨な映像や写真を見るたびに「日本に生まれてよかった。日本は戦争を絶対にしないって決めたんだから・・・。」と安心しつつ、隣人の不幸に胸を痛めていました。

私が小学校入学の年から二十一歳まで、十五年間続いたこの戦争報道によって、枯葉剤によるダイオキシン被害も含めた戦争の悲惨さと、圧政に命がけで立ち向かう人々の誇りや勇気を教えられたように思います。

湾岸戦争もアフガニスタンもイラクも、どの戦争も悲惨さは同じはずなのに、最近は戦地の悲惨な状況や、劣化ウラン弾の被害もめったに報道されません。厳重な報道規制が敷かれているからです。

世界中のほとんどの人々が戦争はしたくないと思っているのに、ほんの一握りの(戦争によって莫大な利益を得る)人たちによって、戦争への道が準備されてきました。
報道規制で、国民の目や耳が今なおふさがれています。

「政府の行為によって再び戦争」に巻き込まれないために、そして本当に信頼できる「国会における代表者」を選ぶためにも、私たち国民の「不断の努力」が不可欠です。

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