東京オリンピック・パラリンピック中止による経済損失が約1.8兆円になるとの試算がだされた。大きな額だ…ただ緊急事態宣言がだされた場合の経済損失は、1回目のときで約6.4兆円、2回目のときで約6.3兆円、そして3回目となる今回でこれまで約3.2兆円となっている。
オリンピックを開催し、さらに感染が拡大し、感染爆発が起これば、中止による経済損失よりはるかに大きい。…というより多くの人命が失われることで、絶対にあってはならないことだ。
IOC（国際オリンピック委員会）は、新型コロナウイルス感染の問題について、「感染は全員が負うリスクであり安全は保障できない」として、全出場選手に対して、感染しても主催者側の責任は問わないとする誓約書に署名を求めるという…
菅総理も丸川五輪担当相も橋本組織委員長も、口を揃えて「安心安全な大会になるよう」と言うが、どの面さげてこんなことが言えるのだろうか。無責任も甚だしい。
IOCのジョン・コーツ副会長が緊急事態宣言下でも「オリンピックは開催する」と発言したが、競泳日本代表の主将を務める入江陵介選手は「（開催と中止の）どちらの意見も聞いて、しっかりと議論してほしい」「今、常に向き合っていかないといけない。何がなんでもやりたい、自分たちの意思だけでやりたいという気持ちは正直ない」と話した。
『常に向き合っていない』のが、IOCであり日本政府であり、組織委員会だ。
代々木公園で行うというオリンピックの「ライブサイト」（パブリックビューイング）の設置工事がはじまった。ライブサイトは「競技中継や、公式グッズの販売、多くの人に応援してもらう場」と位置づけている。これだけ都も国も「密は避けてください」と言っているのに…これをやるって選択肢はおかしいだろ。しかもこれをやるために、代々木公園の樹木を伐採するという信じられんことまでやっている…
もうひとつ信じられないことがある。オリンピックを小中高校など生徒81万人に観戦させるという…。いや、平時なら…それもいい思い出になるかもしれない。しかし今は非常事態だよ。バカなのか。ほんと。
まあ、恐らくテレビで子どもたちの「感動しました」的なインタビューを流して、オリンピックを正当化する宣伝に使いたいんだろうと思うが、そんなことのために子どもたちを利用するのはやめてほしい。
さてそんななか、IOCのバッハ会長が来るとか来ないとか言っているが…
彼らはどうやら「セレブ」扱いされないとお気にめされないようで…
日本がつくったオリンピックの立候補ファイルには、IOC関係者は5つ星ホテルでの宿泊が提供されるとしている。そしてその料金は「特別交渉による宿泊料金」と…。そもそもIOC役員は1泊の上限料金が35200円と定められている。しかし立候補ファイルでは大会組織委員会は、この特別料金と大会時の実際の宿泊料金との差額を保障するため、予算として適切な額を見積もっていると明記。５つ星ホテルの中には、1泊300万円するスイートルームもある。もしそこに宿泊すれば、1泊290万円以上の差額を日本が負担することになる。
どうやら、IOCはここをまったく譲らなかったようだ。
もはや東京オリンピックがどうのというより…
オリンピック自体いらないだろ。ほんと。