政府が「愛国」というとき

中国では過激な反日デモが行われている。「愛国」なら何をしても問われない、と政府が容認する姿って、それで戦争に突っ走って痛い目に遭った日本人とか、権利を勝ち取りそれとともに自らに義務を課してきた、主権在民が根強く定着しているヨーロッパ人は「臭い」と思うはず。「愛国」なら無罪だからと違法行為に走る中国人、まったくもって理解不能。生麦事件時代の日本か？みたいな。。。

そもそも、私有ならよくて国有には過激デモって、よ～わからん。

ＢＢＣではインタビューされた中国人が「日本車を無作為に止めて運転していた人を引きずり出して車をめちゃくちゃにしたりしていても、警察は何もしなかった」と答えていた。同じニュースが「島に施設を作ろうとしたナショナリスティックな都知事の行動を制するために国有化した」と日本政府に同情的ともいえる情報を伝えていた。全世界に配信されております、こんなニュースが。

財産権をないがしろにする政府の姿勢が浮き彫りになり、大使館や国旗への侮辱行為も黙認と言うウィーン条約違反を犯し、国の品位を下げる以外の何の効果ももたらさない。中国は人権問題でも知財権問題でも、そもそも諸外国から問題が指摘されており、法治国家として国の体制に疑問符が付く。同じく日本との間に領有権問題のある韓国ですら、今回の中国のデモにはドン引きだとか（苦笑）。

今回のこの過激なデモで失う方が多いのはどっちか？答えは明らかなような気がするんですけどね。そして、一番の敗者が誰かって言うことも明らかだ。

暴徒の皆さんは、中国政府が「おらんちの13億の民が反対している」と、日本にプレッシャーかけるための「道具」「その他大勢」「エキストラ」として使われているにすぎない。領有権の主張の手段にはいろいろあろうけれど、政府は国民を扇動することで、自らは手を汚さず極めて野蛮な破壊行為を「国民にさせている」わけで、パシリの暴徒の皆さんにはご愁傷さまと言うしかない。その暴徒の皆さんは、本当は中国政府にモノ申したいのかもしれない。でも、愛国無罪だから反日デモで憂さ晴らし。そんなことしても自分の生活は全く良くならないのに。お疲れ様です。やっぱり、自分の生活や自分ちの政府に不満なんだったら、自国の政府に抗議するデモにしようね。で、それができない弱虫なら、デモはまだ早いと思います。スキーもできないのにいきなりリフトに乗ったりせず、まずは、政府が「愛国」って言った時には、「なんか臭い」と思うことから練習しましょうねぇ～（笑）。

そして、そろそろ良識ある知識人が「中国にとっての国益」と、「おらのものはおらのもの、ひとのものもおらのもの」と「愛国無罪で法律無視してやりたい放題の暴力行為」が、相互補完的あるいは相乗効果があるのか、声をあげたほうがいいんじゃないでしょうかね。中国の経済成長にも陰りが出てきたし、日本の生産拠点候補としては、中国より投資友好的・親日的な国がいくらでもあるわけで、これから急激に高齢化していく中国よりも国民の平均年齢の若い、消費市場として今後の伸びが期待できる国は他にもいくらでもあるんっすから。

共同の写真を拝借いたしておる