仕事の帰りは楽しい

朝の通勤ラッシュ時間帯は楽しいも何も、苦行難行以外のなにものでもない。今日なんか南北線に乗ったらサウナみたいだった。

そういう往路と違って、復路はそれなりに楽しい。その日の仕事を振り返ったり、今晩は何にしようかな～と考えたり、明日の仕事の算段をしたり、電車に乗っている時間は短いのだけど、なかなか有益。

今日の復路は別の意味で楽しかった。また韓流ネタになるのだが・・・。地下鉄に乗っていたら、20歳そこそこといった3人組の女の子達が乗ってきた。ドアが閉まるや否や、そのうちの1人が「ねぇねぇ、チャン・ドン・ゴン（って聞こえた）って超かっこよくな～ぃ？」。それを受けて「そうそう、ペ・ヨン・ジュンのことは嫌いな人もチャン・ドン・ゴン好きな人多いよね～」。

「それ、誰？どんな顔？」と疑問符が頭の周りに一杯刺さっているkebaを代弁するような一言を、三人目の子が。

「誰それ？CMとか出てるの？」

「焼酎の宣伝とか出てる」
「あ～、見たことあるかもしれないけど、忘れた」
「あ～、も～、チャン・ドン・ゴン、男前だよね」
「・・・・」

べっとりマスカラつけて、まつげが10倍増毛状態になっている、髪の毛ブロンドで縦巻カールくるんくるん、の女の子がオトコマエって言ったぜ～とびっくりしてしまった。すかさず、友達のなかから突込みが入る。

「何、そのオトコマエって？ちゃんとした顔してるってこと？」

「ちゃんとしてる顔」ってどんな顔、教えてくれ～～！！と今度はびっくりマークがkebaの頭にたくさん突き刺さる。周りの人たちもにやにやしてる。みんな話の展開が知りたくて、耳がダンボ状態。

オトコマエってコトバを発した女の子が、答えに窮している間隙を縫って、一番韓流に疎い女の子が話題の中心を奪還しようと試みる。

「チャン・リン・シャンって俳優もいるんでしょ？」

もう、私の周囲はみんな肩が揺れてる、ほとんど震えてる人もいる。「は～～～ぁ？！！！」という残りの2人の反応と、タイミングを同じくして電車が駅に着き、彼女らは大きな声で会話しながら降りて言った。

残った乗客は喪失感を共有するかのように、それぞれ周りの乗客と顔を見合わせてニヤニヤ。もうちょっと乗っててくれれば、もっと良かったのにね