宮部みゆき・著 (幻冬舎)
・あらすじ
どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。
それが生きることだ。財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、
トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、
私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、
連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。
(Amazon.co.jp 商品の説明から引用)
宮部みゆきの小説は、久々の挑戦です。
『模倣犯』は、長編すぎて挫折してしまったし、
『蒲生邸事件』や『理由』は積読状態となってます。
読破した部類だと、『龍は眠る』依頼かもしれません。
(…それって何年前だよ、一体…)
それは兎も角、無差別毒殺事件を巡るサスペンスと思いきや、
人間、あるいは、誰にもありうる「毒」に纏わるストーリーでした。
物語の中で、度々「シックハウス症候群」や「土壌汚染」といった、
人間が生み出した明確な毒が現れ、苦しめられることが描かれています。
本筋はそこではなく、人間の持つ「毒」。
すなわち、「悪意」みたいなものを言い表している。
ストーリーに登場する原田いずみという人間が凄まじい。
自分を蔑ろにされると感じるとヒステリックなまでに他人を気付ける。
それは利己的であり「悪意」であり、他者にとっては「毒」である。
また、無差別毒殺事件を起こした犯人も「毒」そのもの。
恨み、嫉みが「悪意」に変わり、副産物として「毒」が生み出される。
「毒」は他者へうつすことにより、始めて中和されるように思えるのだ。
それは、現代社会の生み出すストレスが要因なのか、
明言は避けているが、兎に角、世の中は「毒」に満ちているのである。
そういうメッセージ性を込めつつ、
サスペンス要素、キャラクターの親子のドラマ、会社内の関係など、
多面的に物語を展開する力量は、さすがであります。
次に読む予定
『インテリジェンス 武器なき戦争』
手嶋龍一、佐藤優・著 (幻冬舎新書)
年間10冊のノルマ到達目指して、
短編小説&新書で数を稼ぎます。
ミステリーや純文学ばかりなので、
もっと幅広いジャンルの本を読んでいきたいと思い、
手にした次第です。はい。
・あらすじ
どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。
それが生きることだ。財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、
トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、
私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、
連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。
(Amazon.co.jp 商品の説明から引用)
宮部みゆきの小説は、久々の挑戦です。
『模倣犯』は、長編すぎて挫折してしまったし、
『蒲生邸事件』や『理由』は積読状態となってます。
読破した部類だと、『龍は眠る』依頼かもしれません。
(…それって何年前だよ、一体…)
それは兎も角、無差別毒殺事件を巡るサスペンスと思いきや、
人間、あるいは、誰にもありうる「毒」に纏わるストーリーでした。
物語の中で、度々「シックハウス症候群」や「土壌汚染」といった、
人間が生み出した明確な毒が現れ、苦しめられることが描かれています。
本筋はそこではなく、人間の持つ「毒」。
すなわち、「悪意」みたいなものを言い表している。
ストーリーに登場する原田いずみという人間が凄まじい。
自分を蔑ろにされると感じるとヒステリックなまでに他人を気付ける。
それは利己的であり「悪意」であり、他者にとっては「毒」である。
また、無差別毒殺事件を起こした犯人も「毒」そのもの。
恨み、嫉みが「悪意」に変わり、副産物として「毒」が生み出される。
「毒」は他者へうつすことにより、始めて中和されるように思えるのだ。
それは、現代社会の生み出すストレスが要因なのか、
明言は避けているが、兎に角、世の中は「毒」に満ちているのである。
そういうメッセージ性を込めつつ、
サスペンス要素、キャラクターの親子のドラマ、会社内の関係など、
多面的に物語を展開する力量は、さすがであります。
次に読む予定
『インテリジェンス 武器なき戦争』
手嶋龍一、佐藤優・著 (幻冬舎新書)
年間10冊のノルマ到達目指して、
短編小説&新書で数を稼ぎます。
ミステリーや純文学ばかりなので、
もっと幅広いジャンルの本を読んでいきたいと思い、
手にした次第です。はい。