アイススケート場にいるおれは、自分の子供らしきふたりの娘が滑る様子を眺めている。まだ少女のふたりは手を繋いで気持ちよく滑っている。どうもおれはひとりで彼女達を育てているようで、ベンチの横にいる女性から「大変ですね子育て」と言われ、頷いている。ほっといてくれ…という感覚もある。
フードコートに歩いていくと、知り合いらしい女性がエプロン姿で働いていて、おれは三人分の食事を注文した。なぜか英語で喋っている。彼女は「私があなたの夢に出てきたなら出演料ちょうだいね」などと、場末のスナックのママみたいなことをいう。しかも英語で(今思えば、この人は、インタビューに答える大坂なおみのような声、喋り方だった。寝る前に大坂なおみの映像を観ていたからだろうか…)。
ガランとしたフードコートの奥の方からギターとサックス、ドラムなどの楽器の音が響いてくる。だが、演奏家の姿は見えない。すこし離れた場所に三人分のトレーに載せられた食事が置かれていて、湯気が立ち昇っている。娘達は来ない。館内放送が閉店を告げている。すると突然、場内の灯りが消えた。あちこちから「きゃ」という声が聞こえてきた。おれは何だか腹が立って事務所を探すが、保安室のドアしかなく、そこに飛び込んだ。すると、壁の配電パネルがあり、その扉を開けていくつものスイッチをONにしていく。すると場内から歓声が聞こえてきた。これで娘達も大丈夫だと感じているが、保安室のドアの向こうは地下駐車場なので、クルマを暖機運転させておこうと向かう。
駐車場では撮影をやっていて、大勢のスタッフが動き回り、照明があちこちに立てられ、ロケバスが何台も停車している。いきなり若いスタッフから「急いでください!」と言われ、おれは自分がこの撮影と関わっていることを知るが、内容がまったくわかっていない。すると、向こうはおれのことを知っているらしい女性から「お餅、クルマに積んでおいたわよ」と言われる。「えっ⁈」というのだが、彼女はもういない。全然知らない人なので名前を呼べない。
駐車場の片隅の鉄のドアを開けて中に入ると、鮮やかな緑色のソファが置かれた部屋だった。どうもそこで今から原稿を作らないといけないのだが、デスクの上にはパソコンがない。困ったな、まぁ手書きでもいいか…と思っている。そこで目が覚めた。