ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

昔話 【伏 ~贋作里見八犬伝~】

2010年08月11日 23時38分08秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】
八匹の伏は安房の国に入り古寺に宿をとる。
現八と信乃は盲目の和尚から昔話の続きのような話を聞く。

青年時の鈍色の話。不細工なままで成長した。
それはいいのだけれど。

神様が造形する途中で、「あ、これは失敗作だったね」と
うっちゃった、魂を入れる前の土人形のようにさえ見えた。

の辺りの文、なんだか浮いてる感じがする。
【ハイスクール八犬伝】の文章を読んでいるみたいな感じ。

それはともかく。
不細工でも小さくても鈍色は立派な吊城の主となっていて
人々から尊敬されていて。そして同じように不細工で
鈍色とそっくりな彼の叔母の藍色が天守閣にまだ幽閉された
ままでいて。吊城は危いバランスをとっていたらしい、と。

伏姫もいた。天守閣の更に上の一番上の小部屋に。
ほとんど彼女が幽閉されていたときの記録は残っていない。


すぐに死んだか、人間以上のモノになって生き続けているか。
もしくは、伏姫自身が「伏」になって森へ戻って子供の伏を
増やしていったか。



本屋さん大賞の欄の隅っこにひっそりと勧められている
【星新一 1001話をつくった人】(上・下)。作者が
最相葉月氏というだけで読まねばという気持ちになる。
(【青いバラ】は本自体が宝石のような感覚になる内容)

平岩弓枝氏の【御宿かわせみ】もネクストジェネレーション。
「明治編」に切り替わったのでまた文庫本集め直そうかな。

あと、気になるのが【三銃士】のA・デュマのお父さんの
物語らしい【黒い悪魔】(佐藤賢一著)。
なんでここで父親の生涯の小説が出てくるのか不思議。