ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

おせいさんが逝く

2019年06月12日 22時26分51秒 | 自己カルト的
田辺聖子さん死去のニュース。
令和になってから一番ショックで会社を休みたくなった出来事。

遡ることウン十年前の高校生時代。
当時流行っていたファンタジー系ノベル(~戦記、~年代記、~サーガなど)を読み漁り過ぎて中2病にどっぷりと浸かりつつあった頃。これはイカンと危機感を覚えて「エッセイ」に手を出しはじめて、いろいろ読んだ中で一番自分に合って面白かったのが、田辺聖子さんの「カモカのおっちゃんシリーズ」。

関西圏の文化や地理やイベント、宝塚関連を中心に、カモカのおっちゃん、スヌーピーぬいぐるみのスヌー、佐藤愛子さん、その他いろいろな方々との掛け合いや出来事からなる人情味溢れる大阪らしいオチのエッセイが好きで好きでたまらなくて。

のちに家族に反対されながらも関西の大学に行って、その後またいろいろあって人生の後半を伊丹の近くで暮らそうと思ったのも、このエッセイで繰り返し読んだ関西のイメージと自分の水が合っていたことに気づいたから。

何年か前に朝ドラで「いもたこなんきん」が始まって、ラストの話でゲスト出演されたのを見て、一度実際にお会いしてみたいなーと思っている内に……お亡くなりになってしまわれて。

人間動ける間は「その内に」なんて思わずに実行した方がいいのだと、改めて感じて反省しきり。

数年前から、田辺さんの昔の古典ものが最近のファンタジーイラストの表紙で再販されていて。やっぱり今読んでも充分に通用する少女漫画的展開で、宝塚好きの田辺聖子さんじゃないと書けない世界だなぁと思い返してみたり。

特にオススメの「隼別王子の叛乱」は現在品切れのサイトが多いけど、 氷室冴子さんの「クララ白書ぱーと2」でも劇中劇として演じられているので一読の価値はあるかも。主人公のしーのがクララ入寮テストでの借りを返すという名目で上級生のお姉さまたちと宝塚もどきの演劇をすることになっててんやわんやとなるエピソード。

当時は田辺聖子さんといえば大阪人情エッセイで自分内イメージは固まっていたので、のちのち本当に驚いたのもいい思い出。

本当に本当にご冥福を御祈りいたします。
コメント
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