ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

【三銃士】と【八犬士】

2010年08月02日 23時29分33秒 | 八犬伝いろいろ
ところで、【八犬傳】でも書いてあったように、この【馬琴の嫁】の解説にも
A・デュマ【三銃士】が比較して挙げられているけれど、何故。


【三銃士】(アレクサンドル・デュマ)
「盗作したことは認める。だが、私の書いた方が面白い!」・・・ご立派!

と、【乱丁文学大事典】(筒井康隆 著)の項目には載っていたような。

【三銃士】というより、【ダルタニヤン物語】が長編冒険活劇小説として
面白いと思う。(絶版になる前に文庫全11巻を揃えてくれた高校に感謝)
でも見方を変えると、【八犬伝】をフィルム逆回しのように物語展開させて
いるのが【ダルタニアン物語】っぽい。

【南総里見八犬伝】 撃たれて、バラバラになったのち集う。
【ダルタニヤン物語】 集ったのち、バラバラになって撃たれる。

前にも書いたような気がするけれど、ダルタニヤンの最期は泣く。

みっちゃんのお話 ~ 【馬琴の嫁】 ~

2010年08月02日 22時10分01秒 | 八犬伝いろいろ

(【馬琴の嫁】 群ようこ 著)


未完で終わることの多い八犬伝モチーフの物語。

一概にはなんとも言えないけれど、大きな原因は元になる
本家本元の【南総里見八犬伝】がかなり回りくどくて長い長い小説
だからだと思う。面白いけれど知識と体力と気力のいる【八犬伝】。

いろんなタイプのキャラが主人公側に登場しているので
その内の誰かにハマッて読めば何とか最後まで読み終える
・・・と、そういうキャラ萌えで読んでいた人も多かったと思う。

で、その本家本元の【南総里見八犬伝】が未完の危機に陥った時、
馬琴先生と、その辛抱強い読者を救ったのがおみちさん。
今で言う口述筆記で、字や漢字を盲目となった馬琴先生に教わりながら
書いて書いて最後まで、馬琴先生の物語を全て書き残してくれた女性。

旦那さんは病弱で早世して、姑とは折り合い悪く、舅は気難しく。
それでも、義父である馬琴先生の「曲亭馬琴」としての最大長編を
【里見八犬伝】を完成させるために尽くしてくれた人。

例によって、【八犬傳】でお路さんを知って「えらい人だな」とは
思っていたけれど、嫁としては想像以上に大変な人生を歩んでいたのだな、と。

ありがとうございます。お路さん。