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「水平思考の世界」を読んだ所感。

2016年05月04日 09時27分45秒 | 読書


水平思考の世界
~固定観点がはずれる創造的思考法~

エドワード・デボノ
定価(1500円+税)
2015年11月8日発売


海亀のスープのクイズ、以前参加したワークショップ等で言葉を知っていた水平思考。
たまたま本屋でその名がつく書籍を見つけたので、興味をもって読んでみました。
水平思考という考え方を見出した、エドワード・デボノの著作です。

作者いわく、思考方法には2つあるそうです。

縦に1つの内容について掘り続けていく垂直思考と、
対象について一見関連性のない部分も含めて考えていく水平思考。

垂直思考は専門性という意味で一般的な思考方法でありますが、
水平思考ができる人間はなかなかいないという中で、
水平思考とはどういうものなのか、またどのようにすれば考えられるようになるか。
それが徹底的に紹介されている本でした。

ただ概念としては、自分の場合はアイディアラボさんという団体で、
アイディア発想やブレストなどを繰り返し行ってきたので、比較的、胆に落ちやすい内容でした。
例えば、

・一見つながりのなさそうなものに関連性を見出してみる。
・対象となっているもののプロフェッショナル分野以外のプロフェッショナルと話し合ってみる。
*課題が理科系なら、文系の人に考えを聞いてみるとか。
・今選ばれている方法を絶対視せずに、自由に考えてみる。

とかですね。

また自分はメディアに属していたのでコミュニケーションとしても自然に水平思考をしていました。
ようは、インタビューをするときに、このまま垂直思考してもいいのか、
それとも別の話題(水平思考)してもいいのか。
対象が自分の頭の中にある「思考」ではなく、相手に依存した思考であるがために、
水平思考というものを使わざるを得ない状況だったのだと、本を読んでいて気づきました。

つまり、水平思考とは現状を完璧と思わずに「もっとよいものはないか」と考え、
あらゆるモノ・ヒトに甘えて、新しいものを生み出すということと解釈しました。

これは一種の思考法だけでなく、自分の日頃のコミュニケーションも考えさせる内容です。
仕事場だけの会話になっていないか?特定の人と話していないか?
つまりは自分のコミュニケーションの世界観、スケールを俯瞰的に考えられる機会でもあり、
一歩踏み出すきっかけをつくる可能性がありそうです。

それと、文章としての読み応え感ですが、
作者としてはハッキリ出ている答え感を相手に咀嚼してもらおうという、
一種の配慮のような部分がありました。
このため、同じ内容が繰り返されます。勿論例題は変わりますが。
大体最初の結論を読んで、あとはその背景って本が多い中、最後まで楽しく読めました。
勝田感覚ですが、例えば300ページの本があったときに、
これ別に200ページでよくね?ってことがたまにあるのです。
が、この本は最後まで読むことに飽きなかったですね。
そんなこともあって大体4・5時間くらいで読めちゃいました。

この本は水平思考の必要性を丁寧に説明して、
読者にこの考え方を取り入れてもらおうという気持ちがあふれています。
そして、垂直思考とは違い、一見突拍子もない考えを水平思考からは生まれてしまうことから、
なんだこれ!と思われないように世界的に良く知られた例題も数多く出てきます。
水平思考を知る良い本だと感じました。
同様の本をもう1冊購入済みなので、その本とも追々比較してみようかと思います。


最後に勝田が心に残った文章をいくつか紹介します。

・垂直思考の持ち主は、ある状況を最も理にかなった見方で捉え、
 その解決に向けて理論的かつ注意深く進む。
 ところが、水平思考の持ち主は、有望そうな見方を受け入れてそこから進むのではなく、
 あらゆる見方を探ろうとする。

・水平思考は、問題を解決することにのみ関するものではない。
 物事の新しい見方やあらゆる種類の新しい発想に関わりを持つのが水平思考である。

・描写が流動的に行えるのは、その部分に名前がつかないうちだけだ。
 ひとたび名前がついてしまうと、一つの説明だけが正しいものとなり、
 残りはすべて非現実的とされてしまう。

・水平思考は、異なるアイデアを次から次へと意識的に試していくことによって限界を回避する。
 そして、水平思考を用いてアプローチが選ばれたなら、
 そこから先は垂直思考の力で答えを探せばいい。

・どのようなものの見方も、再検討の余地がないほど神聖なものではない。


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