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「6つの帽子思考法」を読んだ所感。

2016年05月10日 20時50分31秒 | 読書


6つの帽子思考法

エドワード・デボノ
定価(1400円+税)
パンローリング株式会社
2016年1月4日発売


前回の読書ブログで書いた「水平思考の世界」の著者、
エドワード・デボノ氏の2作目です。

6つの帽子思考法というのはなんとなく名前だけは聞いたことがあったのですが、
その具体的な内容まで把握していなかったので良い勉強になりました。

6つの帽子思考法とは簡潔にいうなら、

会議の場で話し合う内容を6つの視点・観点(これの象徴が帽子)を明確にもって、より豊かな結論を導き出す。

というものです。
もっというなら、今話している内容やテーマをハッキリさせ、
それぞれの立場を帽子というテーマにゆだねることで、個人への責任や批判を回避し、
会議そのものをスムーズに運用すると言う意味があるようです。

この基礎的な考え方には自由発想な水平思考がベースに流れているので、
読む順番としては水平思考→6つの帽子という順番でよかったかなと思います。

6つの帽子の役割はそれぞれ色で分けられています。

白→事実と数値への視点
赤→思ったままの感情的な視点
黒→警戒と注意を促す、弱点への視点
黄→肯定的な側面への視点
緑→創造性と新しい考え方への視点
青→プロセス全体を構成する視点

会議の中では基本的に進行役がいることを前提に、進行は青い帽子を担当します。
ただ、帽子そのものは当然、着脱が可能なので、
基本的と書いたのは必ずしも青い帽子をかぶれるのは進行役にとどまらないという意味です。
また会議の中で知らず知らず情熱的になり、
赤または黒の帽子をかぶった人への注意もできます。

これは、西洋の互いの意見をぶつけ合い、主張すると言う考え、
日本的な、いわゆる「空気を読む」という会議のあり方とは違う、
ファシリテーションの1つの可能性のようなものと感じました。

生活や職場に取り入れることとして、まず自らの頭を冷静に客観的に見るために、
今それぞれがどのような帽子をかぶって議論をしているかという視点をもてるのは良いと思いました。
俯瞰的に物事が見れる可能性を感じます。

また帽子という概念だけをグループで共有せずに、自分の頭の中で描き、
会議の方向性や順序を組み立てることにも役立てられそうです。

ただこの発想方法はその意味・意図を理解し、信頼関係が成り立つグループでないと、
なかなかに難しい発想方法であり、
青の帽子。つまり進行役の負担、またスキルの高さが必要とも感じました。

ようは会議の場でいきなり6つの帽子思考法やろうぜーとはいかないだろうなと。
前提としてその6つの帽子思考法について熟知する必要があるなと。
それを筆者は「ルール」とも表現していました。
「会議にルールは必要」実際そうなのですが、それができにくいのも実際でしょう。

今の自分には、前述したような俯瞰的な視点、流れを把握するといった活用法かなと思いました。

水平思考、6つの帽子思考法は連続して読んでよかったと思いました。
例文も大変多く、読みやすい本で、オススメです^^

最後に勝田が印所に残った文章を紹介します。

・日本流会議のポイントは、誰もがあらかじめ考えたアイディアを提案しないことである。
 白い帽子をかぶって情報が与えられ、出席者の目の前でそれがゆっくりと
 一つのアイディアに生まれ変わっていく。

・感情は第一印象に影響されやすいということだ。
 あなたが、もし誰かに屈辱されたと感じたなら、
 それ以後、その人に対するあなたの印象は「屈辱」という感情によって色づけされる。
 ある人が利己的な見地から意見を述べていると感じたなら、
 あなたはそれ以後、その人が言うことはすべて割り引いて聞くことになる。
 また、誰かの話をただの宣伝文句にすぎないと受け止めたなら、
 その人にどんなことを言われても、信じなくなるだろう。
 このように、私たちはとかく軽率な判断をしがちであり、
 そこから生まれる感情の虜になってしまう。

・6つの帽子メソッドは、通常の議論の形式とはかなり異なるため、
 議論のルールを採用することはない。
 一つの論点から次の論点へと議論していくことが重要なのではなく、
 「論点をさまざまな可能性で満たしていく」ことが重要になる。

・黄色い帽子をかぶることは黒い帽子をかぶるより難しい。
 なぜなら、人間の脳には危険を避ける時に手を貸してくれる
 自然のメカニズムしか備わっていないからだ。

・"焦点を絞る考え方"のもっともシンプルな方法は、「質問をする」ことだ。
 「正しい質問をする」ことが、考える際のもっとも大切な要素といわれることがあるくらいだ。

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