加藤敏春ブログ:21世紀の経済評論を語る!

2000年度東洋経済・高橋亀吉最優秀賞等を受賞。地域通貨「エコマネー」提唱者。

投資家保護ルールの整備の進展:金融商品取引法(その1)

2006-04-18 00:10:12 | Weblog
 この国会で金融商品取引法が成立する見込みです。この法律の最大の特色は、05年に起こった平成電々の破綻、ライブドア事件、村上ファンドが絡んだM&Aなどにかんがみ、株式や投資信託、金融先物など、現在は別々の法律になっている金融商品の規制を、一つの法律に集約して投資家保護ルールを整備する点です。
 金融技術の進歩で新しい金融商品が増え、法律の隙間を狙った商品は金融当局すら実態を把握するのが困難なケースが多くありました。新しい法律は、法の”抜け穴”をふさぎ、的確な監督や違反に対する処分を可能にして、投資家保護を強化することを目指しています。
 例えば05年10月に経営破たんした通信ベンチャー「平成電々」の場合は、1万9000人が投資した約490億円が回収困難な状態になっています。これは、現行法では監督対象外の投資事業組合(商法上の匿名組合)が資金の受け皿に使われたため、被害の全体像がつかみにくく、不透明さが被害拡大の原因になったと指摘されています。
 次回は、金融商品取引法の内容についてポイントをご紹介したいと思います。

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