わたしはネイチャーフォトとして、野鳥を主な被写体として撮っていますが、基本として地域にねざしてそこで出会う鳥たちを撮ることを楽しんでいます。最近、バードウォッチングや野鳥写真を撮ることがブームとも呼べる状況になり多くの方々がそれを楽しんでいますが、なかには、旅行会社がツアーを組み、珍しい鳥を撮影する企画も多くなり、現地で写真家が撮れる場所に案内してくれるというものも、多く見られるようになりました。それそれの楽しみ方は、迷惑になったりトラブルが起こるというもの以外、自由です。しかし、自分が住み、すぐ行ける場所でも、思いがけない鳥との出会いがあるものです。昨年から今年にかけての冬の時期に、思いがけない出会い、これまでなかった出会いがいくつかありました。
そのひとつが、アオゲラとの出会いです。
この鳥のイメージとして、山奥や深い森の中にいるというものがあったので、近くの古刹のもので出会ったときは、たいへん驚きました。
そして、さらにアオバトとも初めて出会いました。
この鳥が近くのお寺や神社にいることは聞いていましたし、友人が撮ったものを見せてもらったことはありましたが、自分で見たのは初めてでした。それも二か所での出会いがありました。
そして、ソウシチョウとの出会いもありました。この鳥についても、山崎聖天や宝寺、そして島本の若山神社近くにもいると聞いていましたが、この鳥がかなり増えているようで、これも二か所で出会うことができました。この鳥は、特定外来生物に指定されているということで、在来種の存在を脅かすらしいのですが、とても臆病な鳥で、暗いところで活動していました。
ただ、新しい鳥との出会いは楽しいものですが、アオゲラについては、近くの山間部で大掛かりで長期の工事があり、山の細い道をダンプカーが通り続けたり、道路や砂防堤の骨格・部品などが運ばれて行ったり、もともとあった大きなクヌギなどの木がが伐られたりという状況もあり、その影響も考えられなくはありません。それならば、喜んでばかりはいられないことも事実です。自然はいろんな命が共生することこそ大切なのです。人間だけの都合や金儲けばかりがめざされるのは間違っています。工事などは、短時間で終われば、散っていった動物たちも少しずつ戻ってくることが多いのですが、長期にわたって、始まったり止まったり、また続けられたりという状況は最悪です。また、ソウシチョウは、もともと外来種で飼われていたものが捨てられたのだと思われますが、動物でも植物でも、人間が持ち込んだものが自然を変える、人間が改変する工事・改造が自然を壊すことは、もっと意識されねばならないことではないでしょうか。