軽井沢高校 校長日記 『つれづれ軽井沢だより~乞う「ちょうどええ」』

学校の様子を校長の視点から伝えたいと思い、校長日記を書くことにしました。授業日毎日更新を目指します。ご愛読ください。

 1月20日(木) 全部最高です 195

2011-01-20 23:59:49 | 日記

 アイスホッケー部のインターハイ、いやあ、よかったですね。
 最高でした。

 試合は夜7時15分開始の予定でしたが、1時間以上遅れて、8時半近くに始まりました。
 結果は2対5で残念ながら負けてしまいましたが、実にいい試合をしてくれました。
 アイスホッケー部の生徒たちは本当によくがんばってくれました。
 感動をありがとう。
 何が嬉しいと言って、全国ベスト8・ベスト4の実力を持つ北海高校を相手に、最後の最後まで一歩も引かず、緊迫感のある、見ていて心が震えるような試合ができるチームになってくれたことが一番です。

 振り返れば、県のインターハイ予選、長野工業に負けた試合を糧に、生徒たちは大きく成長し、まったく違うチームになったかのようです。
 チームがチームとして固く結束しました。
 お互いがお互いに気を配り励まし合うようになりました。
 ファールの数が圧倒的に減り、無駄なファールがなくなりました。
 日常の挨拶の仕方すら変わったように思います。

 さて、第1ピリオド。
 シュート数は、軽高の4に対して、相手の北海高校は20でした。
 そして得点は0対0。
 この数字が示すとおり、選手たちは一時も緊張の糸を切ることなく、ゴールキーパーを中心に身を挺して守って守って守り抜きました。

 第2ピリオド、この状態から先取点が取れれば主導権を握れるはずでした。
 ところが、逆に先取点を取られ、その後、立て続けに2点目、3点目を入れられました。
 決して緊張の糸が切れたからではなく、第1ピリオドからせき止めていた流れが相手に傾き始めたのです。
 それでも、相手の得点をよく3点で抑え、第3ピリオドに逆転の可能性を残しました。

 この間、軽高ベンチの正面に陣取った応援団が、この日のために1週間練習してきたという野球部のリードで、声を枯らして応援を続けます。(写真)
 この時間帯の試合にもかかわらず、生徒有志と、事務室を含めてほぼ全員と言っていい教職員(これも有志)、あわせて100人超の学校応援団です。
 そこに、同窓生や町の人たちが加わっています。
 軽井沢中学の生徒たちもいます。
 その反対側、軽高ベンチの後ろには保護者や地域のみなさんが大挙して駆けつけています。
 会場を埋め尽くした人たちの応援は途切れることなく、怒涛のように場内に響いています。

 応援によって選手が元気付けられ、選手のひたむきな姿に応援がどんどん熱を帯びます。
 軽高関係者が次第に一つになっていきました。

 そして、勝負の第3ピリオド。
 先に点を取ったのは北海高校でした。
 これで0対4。
 まだまだ選手は諦めていません。
 そしてついに初ゴールを奪います。
 1点を返し、1対4。
 両チームとも動きがさらに激しくなり、ボディーチェックも厳しくなります。
 その中、軽高が追加点をあげます。
 ついに2対4。
 盛り上がる会場。
 試合がわからなくなりました。
 残り時間は3分57秒。
 ここで軽高ベンチはタイムアウトを取ります。
 出した結論は・・・、ゴールキーパーを引き上げ、6人攻撃で勝負に出るという作戦でした。
 どちらが得点するか、一進一退の攻防が続き、そして・・・中央付近で相手が取ったパックが無常にも無人の軽高ゴールへ。
 2対5。
 がっかりする選手たち。
 それでも、すぐに立ち直り、最後まで懸命にパックを追いかけます。
 組織的な応援と、その合間合間には悲鳴にも似た叫び声が館内に響きます。
 残り時間の表示はついに、3秒、2秒・・・となり、そして終了のホイッスル。

 その場に泣き崩れる選手もいましたが、お互いに声を掛け合って、最後の挨拶へ。
 会場からは途切れることなく拍手と温かい言葉が続いていました。

 試合終了後、多くの人たちに声をかけ、また声をかけられました。
 「こんなにたくさんの人に応援に来てもらって、選手は幸せです」と涙ぐみながら話す保護者のみなさん。
 「よくがんばりました」「いい試合でしたね」と言ってくれる、同窓生や町のみなさん。
 「すごいですね、軽高は」「こんなに観客が入ったのは初めてではないですか」「補助員(一昨日はバレー部員、昨日は生徒会役員、今日は野球部員)の生徒も本当によくやってくれてありがたいです」と言う、大会運営の役員のみなさん。
 「ホッケー部の子たちは本当にがんばりましたねえ」「うちの生徒たちはすごいですねえ」「応援の子たちは本当にいい子たちですねえ」と互いに声を掛け合う先生たち。

 控え室から選手が出てくるのを保護者、生徒、先生たちがロビーで待ち構えて声をかけます。
 涙も上がり、清々しい表情で出てきた選手たちは、ロビーにいる人たち一人一人に丁寧に「ありがとうございました」と応えます。
 キャプテンの柏木君に声をかけたときです。
 「ありがとうございました」の後、「すみませんでした」と言ったのです。
 「すみません」というのは、応援をした人の立場に立って初めて出てくる言葉なので、へー、そういうことが言えるんだ、と思いつつ、同時に「精一杯やったんだから、謝る必要はない」とも思いました。
 最後の最後まで、アイスホッケー部の生徒たちの成長した姿を見ることができました。
 献身的に尽力をしてきてくれた顧問の桜井先生、小宮山先生、柳澤先生、コーチの鈴木さん、保護者のみなさん、関係者のみなさんのおかげです。
 そして、励まし続けた軽高の先生たち、生徒たちのおかげです。

 このあと、青森で国体がありますが、「チーム軽井沢」の今年のインターハイは終わりました。
 全校応援が実現しなかったのが多少心残りですが、懸命に走り続けた選手たちと、声の限りに応援し続けた大応援団が一つになった大会でした。
 そして、3年生の先輩の姿を見ていた2年生・1年生の選手や中学生、小学生の選手がいます。
 軽高のがんばる姿を見た町の人たちや関係者がいます。
 今日のこの一大イベントは確実に未来につながっていきます。
 
 かつて学級担任をしていたときに、毎日学級通信を書いていたのですが、なかなか筆が進まないこともありました。
 でも、いいことがあった日には、筆はすらすら進むし、書いていて気分がいいので、いつまでも学級通信を書いていたい気持ちになったものです。
 今日の校長ブログも相当長くなりました。
 現在の時間はとうに午前2時半を過ぎました。
 表示の時間くらいに自宅に戻り、遅い夕食(夜食)を取ってから書き始めたので、これくらいの時間になってしまいます。
 睡魔が次第に押し寄せてきていますが、同時にとても爽やかな気分でもあります。
 いろいろな形で今日のこの試合に関わってくださったすべてのみなさんに感謝して、今日のブログを終わりたいと思います。 
 本当にありがとうございました。

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