日本は津波による大きな被害を受けるだろう UFOアガルタのシャンバラ

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ほぼ確実に言えることがある。日本は間もなく、インドに追い越される。(3)

2018-12-24 18:56:01 | 森羅万象

 

 

『インド アズ ナンバーワン』 

 中国を超えるパワーの源泉

 榊原英資  朝日新聞出版  2011/8/30

 

 

 

<インドの女性像>

 <社会における女性の地位を見れば、その国がどういう国なのかが分かる>

・インドは、多くの女性が社会の第一線で活躍している国であるともいえます。

 

・出世した女性は日本と比較すると、壮観なのですがこうした女性はインド女性の一部にすぎず、伝統的に女性の地位は男性に比べ低いものだったのです。インドには古来「サティー」という悪習があり、未亡人となった女性が亡くなった夫の火葬の際、自分もその火に身を投じることが、ごく最近まで一部の地域社会では一般的に行われていたのです。さすがに現在は政府によって禁止されています。

 

・サティーはさすがになくなったようですが、未亡人が再婚することはいまだに難しいようですし、未亡人を社会から締め出したり、家庭に縛りつけたりする因習はまだまだかなり残っているのです。

 

・もう一つの因習は、女の子を幼児や児童の頃に結婚させるというものです。女の子が一定の年齢になると夫の家へ送り込まれたりするため十分な教育が受けられなかったり、過度の労働が課されたりする問題が起こります。

 

・また若くから出産するためインドの人口が世界で最も高い増加率を示しているのですが、女性と子供の死亡率は逆に高くなってしまっています。

 

一説では一夫多妻の習慣を持つイスラムの侵略者からインド女性を隠そうとしてヴェールやブルカで顔や体を隠すようになったともいわれています。

 

・こうした指導者たちの努力にもかかわらず、現在でも特に下層階級や下層中流階級の家庭では女児は歓迎されていません。他方、男児が生まれれば、祝福され、溺愛される傾向が強いのです。

 

インドの男女比率は1対0.933と世界中の平均1対0.99を大きく下回っています。生まれる前に胎児が女だと分かると中絶することは今でも見られ、生まれたあとでも女の子は乳児のうちに殺されてしまうこともあるといいます。

 

・女の子はいずれ、他家に行ってしまうものとして、持参金の心配をしなければならないのです。

 

・持参金の多寡は、今は、一種のステータス・シンボルとなっており、両親は娘が生まれたときから持参金を積み立て始めるといわれています。こんな状況ですから、ヒンズーの結婚式では、「花嫁が100人の男の子を授かりますように」と言うのが普通の言葉になっているのです。

 

・教育面でも女性は劣位にあり、全体としてはインドの女性の地位はまだ低いのです。

 

・インド政府は女性の地位向上のために、これまで多くの法令を制定し、経済開発五カ年計画でもいくつかの施策を実行しています。

 

 

 

 『文藝春秋』2014年2月号

 「20年後の日本」への50の質問  バラ色の未来か、転落の悪夢か

 

 

 

消費税はどこまで上がる>  (青山学院大学教授

・平成25年度予算での税収の総額は43.1兆円。そのうち消費税は10.6兆円です。一般会計の歳出総額は91.6兆円ですから、印紙税・その他収入をいれても税収でカバーできるのは全体の50.9%、残りの49.1%、総額45.4兆円は国と地方の借金(公債等)によって調達されています。

 

・2014年度の経済状況が、そこそこならば、2015年度には消費税は10%にさらに引き上げられる予定ですが、そうなっても消費税収入は20兆円前後で、公債金で40兆円弱は調達しなければならない状況です。

 

・こうした財政赤字が積み上がって2013年の政府債務残高は、1179.9兆円(国・地方自治体・社会保険基金の借金)とGDP比率で243.54%にのぼっています。

 

・この残高は世界で最悪。財政赤字で経済が危機的状況に陥ったギリシアを上回っています(2011年ベースで、日本はGDP比で230.0%、ギリシアは163.3%)。世界の先進国の中ではイタリアが日本についで120.1%と日本の半分程度です。アメリカは102.9%、フランスは86.3%、イギリスは82.5%、ドイツは81.5%です。

 

途方もない借金が積み上がっているのに日本の公債市場は順調に推移し、十年債の金利は0.6%と先進国中最低のレベルです。ちなみにアメリカの十年債の金利は2.75%、ドイツのそれは1.69%です。これは残高に対して国内の需要が高いからで、日本国債の9割以上は日本人によって保有されています。

 

すくなくとも今のところ、あるいはここしばらくは日本の国の借金は日本人によってファイナンスされていく状況です。

 

・しかし、ここで安心してはいけない。問題はこの状況をいつまで維持できるかです。

 

・そして、高齢化が急速に進む中で、社会福祉関係の支出は増大せざるをえず、財政赤字はこのままだと減少するどころか大きく増大してしまうという状況なのです。

 

・つまり、増税は不可避なのです。45兆円の収入で90兆円の支出をカバーするという状況がいつまでも続けられるはずがないというのは冷静になって考えれば当然のことです。日本の法人税率は国際的には高いレベルにあり、これ以上税率をあげることはほとんど不可能なのです。

 

・増税は消費税等でやるしかない。消費税の1%の増税はほぼ2兆円の税収増加につながります。

 

・前述した社会保障費の増大を考えると公債発行を大きく減らすことは難しいといえるでしょう。

 

そうなると消費税20%への増税は将来的には不可避。20年後には少なくとも20%まで上げざるをえないでしょう。ちなみに現在の欧州各国の消費税はイタリア21%、ドイツ19%、イギリス20%です。ヨーロッパ並に社会福祉を増大せざるをえない状況でヨーロッパ並の税率になることはいたし方ないというかある意味では当然の義務ではないでしょうか。

 

 

 

『プレアデスとのコンタクト』  (地球外知的生命)

(ビリー・E.A.マイヤー)(徳間書店)   2001/8

 

 

 

スイス人、ビリー・マイヤーはプレアデス異星人とのコンタクティで世界40数カ国を旅して知識と技術を習得する

・プレアデス異星人のアスケットのコンタクトはその後数年続いた。その間、私は、父母の家を出て故郷を離れ、ヨーロッパ、アフリカ、そして中東および中近東の42カ国を働きながら、旅し、主に知識と技術を学んだ。その間にもたびたびアスケットの訪問を受け、また彼女が宇宙船で迎えに来たりした。

 

彼女とのコンタクトがあった最後の8ヶ月は、インド、メーラウリにある仏教のアショカ・アシュラムにあるユース・ホステルの一室で過ごした。そこでは仏教僧レ・B・ダルマワラから再び多くの事を学んだ。同時に私は、アナンダ・マハトマ(幸福なる偉大な魂)と呼ばれるラマナ・サルマ僧からも教えを受けた。

 

アショカ・アシュラムの住人にとって、アスケットの宇宙船が敷地の上空を飛ぶのを見るのはいとも自然なことであった。また、私が頻繁にアスケットと構内を散歩するのを見かけるのも、同じく極めて、当たり前なことであった。私達に迷惑をかけたり話かけたりするあつかましい住人は一人もおらず、みんなそれぞれに礼儀をわきまえており、私が、頻繁に宇宙人の訪問をうけるということを当然なこととして認めていた。

 

その自然さは尊師ダルマワラが何もないところから突然現れる生物とのコンタクトをずっとしているということも、一因だったかもしれない。それは異様な服装をした二人の男たちで師はたびたび彼らと一緒に寺で何時間も過ごしたり、外を歩きながら話し合ったりした。その後二人は、影も形もなくどこかへ消えてしまうのであった。

 

・もっともこの謎に満ちた男たちは、アスケットのように宇宙から来たのではなく、アガルタ人で青色の皮膚を持ち、ヒマラヤにある巨大な洞窟地帯に住んでいるのである。

 

・この民族にまつわる太古の伝説によると、アガルティ文化の指導的立場にあった偉大なる賢者たちは地球外知的生命の子孫、「あの世の精霊の子息たち」と呼ばれた。

 

・ゴビの大災害の後、ヒマラヤ山脈のふもとにある巨大な洞窟地帯に住むが、二つのグループに分かれており、ひとつのグループは右手の道をたどり、もう一つのグループは左手の道をたどっていったということである。

 

・2本の道の中間には、幻の地下都市で黙想(集中実践静観の沈思黙考と精神集中による霊的意識的自己没思)の場所でもあるアガルティ(アガルタ)があったという。アガルティは、この物質本位の世界の中で(無関与の寺)とみなされている。

 

・1964年9月も終わりに近づいたこと、アスケットがメーラウリのアショカ・アシュラムで私と別れて故郷のダル宇宙へと帰った後、私はインドを後にして2ヶ月ほどヨーロッパに帰ってきた。

 

 


 ■■■ 私が思うこと、聞いたこと、考えること ■■■

 

・「ほぼ確実に言えることがある。日本は間もなく、インドに追い越される。

 インドは今、急速な経済成長を続けている。現在の7パーセント台成長を維持すれば、10年ほどで日本の国内総生産(GDP)を総額で追い越し、米国、中国に次ぐ世界3位の経済大国になることが予測されている」と指摘されています。中国にしてもインドにしても国内総生産(GDP)が日本を抜くには「人口要因」が最大の理由だという説があります。インドも中国のように、欧米や日本と競争するようになり、「米中貿易戦争」のような問題が出てくるようになるのかもしれません。日本の10倍以上の人口が、経済成長の基礎になるようです。しかしながら、人口が多いせいで、一人当たりの数字は、いまだ低いようです。中国にしてもインドにしても、さまざまな国内の課題を解決していく必要があるのでしょう。

人口が多いと経済成長で容易に「世界の工場」になり「世界の市場」になるといわれます。

 

・日本も戦後、高度成長に入りましたが、科学技術力というよりも、人口要因が大きかったことが指摘されています。現代においても「日本には技術がある」という説明をする人もいますが、新しいインタ―ネット技術はアメリカ由来のものがほとんどです。「半導体チップ」も「エイリアン・テクノロジー・リバース・エンジニアリング(宇宙人科学技術工学)」からのものだという説もあるようです。日本の技術は、応用に優れているといわれますが、基本特許に関しては、優れているとはいえないといわれます。

 

「エイリアン・テクノロジー・リバース・エンジニアリング(宇宙人科学技術工学)」についてもアバブ・トップシークレットのようです。しかしながら、You Tube等では「エイリアン」の奇妙な動画が満載です。フェイク(偽)・情報も多いようです。

・日本の経済政策についても「成長戦略」に決定打を欠くといわれます。「人手不足」といわれ、安易に外国人労働者や外国人技能実習生を受け入れることは、「低い生産性」「最低賃金」「雇用問題」をより悪化させる懸念があるそうです。少子高齢化の時代には、再び経済を高成長に導く政策をテクノクラートが、策定することは難しいようです。「これまでの人類の歴史を検証すれば、低賃金でも働いてくれる移民を国外から大量に迎えるのは、もっとも危険な政策」といわれます。外国人労働者の対応を誤ると世界中に日本人の悪いイメージが拡散すると指摘されています。「生産性の向上、女性や高齢者の活用、障害者雇用、外国人労働者問題の解決」が優先されるべき問題と指摘されています。世界的に安い最低賃金を段階的に上げて低い「生産性」を改善すべきだといわれます。しかしながら、「景気拡大、いざなぎ超え確認、戦後2番目の長さに」という新聞記事もあり、うまくいっているようで経済実態の分析は、難しいようです。国家経営の実務に精通したベスト&ブライテストのテクノクラートの英知を結集した「国家改造計画」が求められているそうです。

 

外国社会の慣習については、私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。インドのようにカーストは法律で禁止されていますが、現在でもインド社会を規律している慣習もあるようです。インド人は常に「カースト」を意識して、毎日の社会生活をすごしているといわれます。インドに進出した企業は、カーストによる人事に注意をしなければいけないようです。そこで、現地のインド人従業員の人事は、事情を良く知るインド人に任せなければ、トラブルを持つようです。島国に住む日本人にとって、海外の社会事情は、驚くことが多いといわれます。ちなみに、アメリカ合衆国では、人種差別は、反対の立場の人がほとんどだと語られています。しかし、アメリカ人は潜在意識的には、「常に人種問題を意識している」といわれます。まるでインド人がカーストを意識的、潜在意識的に非常に気にしていることと同じだといわれます。そのような背景は、アメリカ社会に生まれないと分からないともいわれます。

 

・国際化や情報化の時代になりましたが、海外の事情は、情報が膨大な量だけに私たち一般人には、理解不能なことが多いようです。海外旅行も団体旅行は比較的安全ですが、個人的に旅行しますと盗難などの犯罪リスクが非常に高まるといわれます。外国の市民の一般生活でも目新しいことが非常に多いといわれます。また宗教の問題では、イスラム教のように一神教の国では、アラブの慣習や風習など私たち一般人には、知らないことが多いといわれます。

 

・(インターネット情報) 「2016年11月21日のニュースで、南米コロンビアで強盗殺害に遭った邦人男性が、一橋大学社会学部4年生・井崎亮(いざき りょう)さんであることが報じ ... 大学4年生で、 これから海外留学をする学生は沢山いるでしょうし、送り出す側の親や家族からしても本当に嫌な話です」と報道されております。学生の海外旅行がブームですが、個人旅行ですと盗難や強盗事件に遭遇する確率はかなり高いといわれます。警察に届けても、容易に犯人は分からないようです。「海外での危険性には日本人は脳天気(ノー天気)な面もあるので警戒が肝要」といわれます。アラブ諸国ではフリージャーナリストもよくトラブルに巻き込まれたり、殺されたりしました。

 

・著者(榊原英資氏)は、政治家の「世襲議員」について、問題を提起しています。「政治資金の相続の面で世襲議員は断然有利」といわれます。「数千万円から数億円の政治資金の相続は大きい」と語られています。また小選挙区制についても、政治家の劣化の原因だと指摘しています。中選挙区制がカネがかかるので、小選挙区制に移行したといわれます。ところが、今度は小選挙区制の欠陥を指摘する人々がかなり増えてきているといわれます。「小選挙区制がうまく機能している」という人はほとんどいないともいわれます。そこで、またまた「選挙制度を変えよ」という議論が出てきます。1票の格差問題についても、あまりに大きいと「正統政府」としては問題があると指摘されています。あらゆる物事には、プラスマイナスの両面があります。改革は常に行わなければならないようです。

 

・安倍総理自身もアベノミクスの失敗を認めたといわれます。次の経済金融政策を考えるべきでしょう。日本全体があたかも劣化してきている時代ですので、国家経営の実務に精通したベスト&ブライテストのテクノクラートのドリームチームの英知を結集した「国家改造計画」が求められているといわれます。当然ながら、官庁組織全体がシンクタンクとして機能して長期計画を各官庁が持っているといわれます。様々な大組織が「劣化」してきているともいわれています。はたして研究され提唱されている道州制をすすめるべきなのでしょうか。道州制は「憲法違反」という説もあると指摘されています。経済予測については「マーケットや経済が動いているために、エコノミストの見解は常に当たらない」ともいわれます。

 

2012年4月にトヨタ自動車が宮城県にパブリカ栽培の植物工場を建設しました。このように大手企業の農業への参入は増えているようです。トヨタ自動車は、以前から農業に参入していたようですが、植物工場が時代の流れのようです。日本の農業の近代化については、企業の参入がカギとなるといわれます。農業や漁業の株式会社化で雇用を拡大するとともに、近代化を一層すすめる必要があるようです。

 

報道によると自殺者も少しは減りましたが、依然として多いようです。また原発の汚染水の問題や補償の問題も全ては解決しておらず、依然として国家危機が続いているといわれます。それに伴う訴訟も継続中のようです。次の大地震が来る前に何とか体制を整えたいものです。東日本大震災の復興もすすめて、明るい社会に変えていく必要があるようです。アベノミクスなどで経済を立ち直らせ、パイを大きくしないことには、社会保障の充実もできないといわれていました。まずは、行政改革で無駄遣いをなくして、経済成長ということでしょうか。政治の費用対効果の向上、行政サービスの効率等、問題は山積みといわれます。

 

G8のサミットを見ても「日本は先進国だ」そうですが、さまざまな点で「日本は先進国なのだろうか」という声も強くなっているようです。国際比較の世界のランキングでも、さまざまな面で日本の地位は低下しています。女性の眼から見ると「政治や経済の後進性」を痛切に感じることでしょうか。社会福祉もいろいろと問題点を抱えており十分とは言えません。困った人たちも増えています。「あまり知られていないことだが、日本の社会保障というのは、先進国とは言えないくらいお粗末なモノなのである」といわれます。社会保障担当者の現状認識はどのようなものなのでしょうか。「失われた20年」の日本経済と言われますが、本当に優れた政治家や官僚が登用されてこなかった結果といわれます。予想外に遅れた点や近代化の進まない点、頭の古い点が増えてきているようです。改革が遅れています。政治家は、世論の反発や票離れを恐れるあまり、日本の将来に必要不可欠な社会保障制度改革や年金改革に着手できずにいるともいわれます。「政治は税金なり」といわれますが、税制が劣化してきているともいわれます。「昔から政治が一番遅れている。票の請負業のようなもの」といわれます。為政者の認識も自覚もないといわれます。

 

多くの政党が道州制を唱えておりますが、何事にもメリットとデメリットの面があり、地方分権や規制緩和を一方的にすすめることには、著者(榊原英資氏)は疑問を呈しているようです。官僚制はどんな組織にも必要になります。官僚は法律を武器としますので、規制緩和派は、中央集権化に反対して地方分権化を主張しているようです。そして道州制になれば、道州制自身の官僚が優越してくるのではないのでしょうか。メリットシステムの官僚制は、どの時代、どの体制にも必要だといわれます。法律を武器とする中央官僚の権力があまりにも強いので地方分権にしたいということでは、本末転倒ということでしょう。道州制も夢のような素晴らしい計画ですが、実施されると一般国民が地獄を見る懸念もあると指摘されています。そもそも法律を作れない議員がほとんどといわれますので、実施されれば、政治・行政の停滞・混乱を招くといわれます。

 

・小泉改革も毀誉褒貶がありましたが、地方の衰退は止められないようでした。シャッター商店街と言いますが、閉店している店が多い商店街が増えています。地方の活性化と農業・漁業の問題は、妙案の少ない課題のようです。農業や漁業を後継者の育つ産業に変えていく必要があるようです。人口減少も大きな問題ですが、これを契機に「労働革命」、「勤労革命」が起こるかもしれません。「これまでの人類の歴史を検証すれば、低賃金でも働いてくれる移民を国外から大量に迎えるのは、もっとも危険な政策」といわれます。欧米のように、トラブルが頻発する懸念もあるといわれています。

 

・著者(榊原英資氏)は“ミスター円”と言われた通貨問題の第一人者で、2003年の総選挙では民主党の政権交代後の「閣僚予定者名簿」において財務大臣として名を連ねた、影響力のある人物だといわれていました。

 

・大きな懸念の中国バブル崩壊は、多くの識者が指摘する事実となったようです。しかし、通貨の増発でハードランディングを抑えたり、様々な手法で中国共産党は体制の維持を図っているといわれます。中国は人類の難題となっていくそうです。「来世はブタでも良いから中国人には生まれたくない」と回答する者もいるといわれます。

 

・インタ―ネット情報によると(2018/12/23)(yahooニュース)

中国で倒産500万件、失業1000万人 米中貿易戦争影響か

中国農業農村部(日本の農林水産省に相当)は12月初旬までに、「約740万人の農民工が都市部から地元に戻った」と発表した。農民工とは、農村から都市部に出稼ぎに出る人々のことだ。同部は「起業のため」と理由を説明しているが、事実上の失業が原因だとみられる。

中国の農民工は昨年末現在、前年比1.7%増の2億8652万人。中国の景気冷え込みが深刻化していることがうかがえるが、中国では2018年、これ以外にもすでに200万人が失業していることが分かっており、計約1000万人が失業の憂き目を見たことになる。

 香港紙「経済日報」は失業者の急増について「第1の原因は米中貿易戦争の影響だ」と指摘。外資企業や中国企業が次々と、生産拠点を中国から他国に移転しており、中国内の求人数は激減しているという。第2に、中国当局が最近掲げた「国進民退(国有経済の増強と民有経済の縮小)」政策も、失業者の急増に大きく関係しているというのだ。

 

「よくても「世界同時不況」で、ひどければ、「世界同時恐慌」」ということで、世界経済はネガティブな状況で、肝心の米国経済も不調が続くと説く有識者もいました。日本も世界同時不況に巻き込まれないように、安全性を確認して原発の再稼働を急がなければならないといわれました。絶対完全な安全性の実施(2年以上かかる)を待たず、安全性を適切十分に確認して原発の再稼働を急がなければ、日本経済に致命傷を与えるかもしれないという見解もありました。「手術は成功したが患者は死んだ」という事態になりかねません。原発問題にも依然として賛否両論があります。

 

・米国の資本主義は資本家のWASPの支配が貫徹しており、不法移民者も多いので、福祉予算に税金を使いたくないという共和党保守派の議員のパワーも相当なもののようでした。医療保険の問題や銃社会、犯罪率の高さなどで、米国の豊かな社会の神話も消えつつあるといわれます。トランプ大統領の実現で、大胆な経済政策が打たれるともいわれていました。

 

・「悪者が銃を持つので自衛に自分も銃を持つ」ということで、米国では人口より多い3億丁の銃が社会に普及しています。特に、医療保険問題は、「医者が高所得を求めるし保険会社も高収益を求めるので、医療費が異常に高くなる」といわれます。また医療過誤訴訟が巨額になるため、保険も高額になるという背景にあるといわれます。とても低所得層が耐えられるものではないそうです。米国は格差が大きくて、住みやすい国とはもはや言えないといわれます。トランプ大統領が実現するとは、ほとんどの有識者が予想していなかったことだといわれました。

 

・TPPで米国が農産物などの輸出を狙うのも、オバマ政権の限界のようでした。「アメリカによるアメリカのためのTPP」だといわれました。そしてトランプ・ショックで、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)から、トランプ氏は離脱すると宣言しました。今では「米中貿易戦争」が懸念されています。

 

・「日本はフランス型の高福祉社会を目指すべきである」という著者(榊原英資氏)の見解は旧民主党の指針の背景のようでした。が、小さな政府を目指す米国の共和党の政策に対して賛同する日本の議員も少なくないようです。米国の高所得者は小さな政府を支持し、低所得者は大きな政府を支持するといわれます。

 

・中国元の通貨の問題も私たち一般人には、分からないことが多いようです。昔は「元高」を予想する人が多かったのですが、実態は「元安」ではないのか、という識者もいたそうです。著者(榊原英資氏)の「元は次第に切り上がり、20年以内に自由化される!」という予測には疑問を呈する有識者も少なくないようです。経済実体は「元安」に向かっているといわれます。元高と元安では大違いです。天国と地獄の差ともいえましょうか。暴動が頻発していた中国だそうですが、はたして来年はどのように展開していくのでしょうか?

 

・高度成長期に世界的に評価された「日本の公務員・官僚」も今日では勢いも評価も衰えてきているといわれます。時代の流れに乗れなかったといわれます。「失われた日本経済の20年」といわれますが、人口減少の近未来を見すえて、政府機関やシンクタンクは当然のことながら、「国家改造計画」を策定していると思われます。「どうも日本がおかしくなってきている」「日本が劣化している」ともいわれます。政治家は選挙民の対応に忙しく勉強ができないといわれます。官僚が法律を武器にする限り、政治家は対応できないそうです。実は法律は官僚でさえ難しいといわれます。人口減少による国家危機に対してもグランドデザインや法律はテクノクラートである官僚が作る以外に適任者はいないそうです。また官庁全体がシンクタンクとして機能しているといわれます。有効に利用する必要があるといわれます。

 

社会の遅れた面、非近代性、後進性、頭の古い面が予想以上に多くなってきています。なぜ改革が遅れているのでしょうか。政治家や官僚に本当に優れた人材が登用されてきたのでしょうか。「日本は先進国だろうか」という声も街中では増えてきているようです。“道州制”による夢のような改革を唱える人々も多いそうです。が、「道州制ができれば、またまた道州制の官僚に牛耳られる」という懸念が当然ながら、あるといわれます。道州制により行政コストが上がり、国民サービスが低下する懸念もあるそうです。一番不便になるのは国民になるのかもしれません。

 

・「民主主義国家においては国民はその程度に応じた政府しか持ちえない」、「国民が政治を嘲笑している間は嘲笑に価する政治しか行われない」ということで、私たち一般人は、政治意識を高め、「政治の近代化」に努めなければなりません。が、専門知識の不足のために「国家改造計画」の作成はテクノクラートに丸投げせざるをえないそうです。もともと国家予算の分配の問題になるようで、財源をひねり出すためにも、行政、立法、司法の大胆なリストラ、近代化、効率化が必要だといわれます。「女性の登用も先進国とはいえない」といわれます。それでは分け前の分配がうまくいかなくなります。

 

・世界中にある女性や子供の人権問題を考えると人類にネガティブになる人々も多いことでしょうか。国連やアムネスティ・インターナショナルなどの活動がありますが、「暗闇を呪うよりも一本の蝋燭に火を点せ」ということだといわれます。

 

・膨大な人口を持つ中国やインドの女性の人権問題は深刻のようで、両国とも国境紛争で戦争をして核兵器を急速に開発したようです。後進国が核兵器を持つようになると、つまり核兵器が拡散すると「使える兵器」として戦端が開かれると容易に核兵器が使用されることでしょう。切り札としての核兵器は、先進国の妨害にもかかわらず、拡散することでしょう。生物化学兵器は「貧者の核兵器」といわれています。「貧者の核兵器」も秘かに拡散しつつあるといわれます。「人類が滅亡するために、核兵器は使えない兵器だ」というのは、先進国の指導者の話だけだと語られています。

 

・インドや中国などに企業が進出する場合は、カントリー・リスクを考慮して工場などを建てたと思います。が、現在では中国の場合は様変わりで、人件費のコストも上昇して、撤退を真剣に検討している企業も多いそうですが、簡単には撤退できないといわれます。しかし、撤退完了の企業も少なくないといわれます。

 

・周辺国の反日教育をしている国々では、従来の環境が悪くなっているようです。危険も増えており、観光客も十分に注意して海外旅行すべきなのでしょう。ヴェールやブルカで顔や体を隠すことも先進国では問題とされています。が、長い歴史の膨大な理解不能の背景があるようで、容易に女性解放とはいかないようです。反米感情や西欧化に反感があり、また国内の明らかにされていない理由により近代化は進展せず、どうしようもないという諦めムードが支配しているといわれます

  後進国では、女性は生まれる前に消されたり、生まれてから消されたり、大変ですが、女性解放は遠い未来の話のようです。

 

・日本の財政は消費税20%への増税に向かって選択肢が限られているといわれます。限られた予算、増えない税収、福祉予算を削る財政赤字ということで、立法、行政、司法の更なる大胆なリストラが必要のようです。「行政改革」や「税金の無駄遣い」の問題も古くて新しい問題で、なかなか「身を切る改革」の実行は難しいようです。財務省のシナリオが日本政府の政策になりますので、「消費税20%」は不可避なことでしょうか。消費が落ち景気が悪くなるなど政治の大きな課題、論議となるでしょう。安倍総理自身もアベノミクスの失敗を認めたといわれます。日銀の政策変更はいつになるのでしょうか。また地方議員の近未来の姿は、欧米のようにボランティア議員の流れだといわれます。

 

・政府が通貨発行権を持っており、国債がほとんど国内消化されているので、財政破たんの問題は生じないといわれます。今後、ギリシアのような経済的な困難に陥る国は増えてくるものと思われます。2015年では米国の自治領のプエルトルコで、財政破綻が顕在化しました。

 

・(インターネット情報朝日新聞によると「プエルトリコの財政破綻(2015年09月11日 朝刊)

 経済低迷から財政危機に陥っていたプエルトリコのガルシア知事は6月、「約720億ドル(約8・6兆円)に上る公的債務を返せない」と表明。8月3日には借金の一部しか返済できず、事実上のデフォルト(債務不履行)となった。債務額は、同様に財政破綻したデトロイト市を上回る。また自治領は、連邦破産法による債務再編は認められていない。高利回りや税制優遇を理由に「プエルトリコ債」を大量保有する米投資ファンドなどに損失が広がって金融不安につながる恐れが指摘された。9月には一部の債務削減で投資家と合意したものの、米国や世界の経済を揺るがす金融危機の引き金となる可能性も否定できず、「米国版ギリシャ」と呼ばれている」とのこと。

 

・(インターネット情報)日本経済新聞によると「プエルトリコ、3度目の債務不履行に 」 2016/5/3 7:02

【ニューヨーク=山下晃】「財政危機に陥っている米国自治領のプエルトリコは2日、政府開発銀行債のうち償還期限を迎える4億2200万ドル(約450億円)の債務支払いができなかった。プエルトリコが関連債務でデフォルト(債務不履行)を起こすのは3度目。

  プエルトリコは総額700億ドル規模の債務を抱えている。同自治領のガルシア知事は15年に債務支払いが困難だと宣言。債権者と交渉し債務を減らしたうえで財政の立て直しを目指している」とのこと。

 

<●●インターネット情報から●●>

日本経済新聞ネット 2017/5/4から引用

<プエルトリコが破綻手続き 債務7兆円削減交渉へ

【ニューヨーク=共同】米自治領プエルトリコは3日、財政破綻に伴って債務削減を求めるための法的手続きに入った。プエルトリコの債務は約700億ドル(約7兆9千億円)と巨額で、財政再建を目指して裁判所の管理下で債権者との債務の削減交渉を進める見通しだ。米メディアが報じた。

 プエルトリコは多額の債券を発行しているが、保有は税優遇が受けられる米国在住者に偏っている。債券を保有する米国の富裕層や年金基金に影響が出そうだ。

 観光産業が中心のプエルトリコは、2008年のリーマン・ショック後の景気悪化で税収が落ち込み、15年に米自治領で初めてデフォルト(債務不履行)に陥った。

 米国では自治領への連邦破産法の適用は認められないことから、16年にプエルトリコの債務返済を支援する法律が成立。財政再建を監視する委員会が設置された。この委員会が3日、裁判所に手続き開始を申請した。

 委員会が3月に承認した財政計画によると、プエルトリコの債務返済額は年8億ドルと支払い義務の25%にも満たない。債権者との交渉が難航する可能性がある」とのこと。

 

・消費税20%時代になると、少子化高齢化社会で社会福祉も劣化していくのではないでしょうか。成長戦略で国民の給料・所得も急激に上昇していくというわけではなさそうですので、将来的に国民の負担は増えていくのではないでしょうか。経済的にはバラ色の未来に対して反対の状況展開のようです。

 

・インドの神々の図絵を見ると青い皮膚をした神々がいるようですが、アガルタ出自の神々なのでしょうか。インドは太古から、異星人の伝承が非常に豊富な地域です。インドの神々も、さまざまな異星からの宇宙人だったようです。人類に6000年ほど進化しているプレアデス異星人が、宇宙連合に参加したのも100年ほど前からといわれていますので、宇宙連合のレベルの高さが窺われるようです。人類はレベルが低すぎて宇宙連合には参画できないといわれます。

 

・アガルタの住人はテレポートして現れていたのでしょうか。空飛ぶ円盤に載って飛来するばかりでなく、スターゲイトを通って地上に現れる異星人もいたのかもしれません。インドでも異人やその末裔たちは、目立たず一般社会に溶け込んでいるようです。「はるかに進化した宇宙人が人間の精神体に侵入してくる時代だ」そうです。そうなると人間自身が「変容」、「変性」してしまうそうです。「宇宙人と普通の人間を区別できなくなっている」時代だそうです。宇宙人情報を公開すると主権が危うくなるともいわれます。

 

・インド人は、人種的にその7割がコーカソイド系に分類されると語られています。「コーカソイド」=「白人」ではなく、インドだけでなくアラビア地方にも多く見られる有色コーカソイドだといわれます。祖先のアーリア人の伝承もあるようです。二派の対立とは火星由来のアーリア人に対するアヌンナキ・レプティリアン(爬虫類人)の争い、戦争」だったという説もあります。アーリア人は、太古には異星人との繋がりがあったといわれます。超太古のインドでは、文明が栄え、そこに宇宙人が飛来して、核戦争があったという伝説もあります。インド人の遺伝子にも、多くの異星人の末裔の遺伝子が含まれているのでしょうか。

 

・ジャイナ教は、厳格な旧式の教義と迷信で、信者も少ないようです。悪習も多いのかもしれません。現在のジャイナ教徒の生活から、異星人との繋がりを見つけだすのは難しいようです。ジャイナ教の絵図に、大型の空飛ぶ円盤(帆船)が空に数隻滞空していて、そこから異星人が出て来たのか、異星人の周りを群衆が取り囲んでいるというのがあるといわれます。ジャイナ教も異星人との繋がりがあったのかもしれません。どこの異星人だったのでしょうか?ちなみに、アメリカでは、フットボール競技場のような大きさのUFOの目撃遭遇事件が多いと指摘されています。

 

 

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・ブログ名称: UFOアガルタのシャンバラ

日本は津波による大きな被害をうけるだろう

・第2のブログ名称:UFOパラレル・ワールド

「神の国か?」「人類の原郷か?」 「天上のエルサレムか?」・・・・・・・・・

「パラレル・ワールドに住む宇宙人、天国に出入りし転生と憑依を自由に操るシリウス星人の殖民星が、地球か?」、「ネガティブのシリウス星人の地球支配があまりにも巧妙なので、しょっちゅう戦争が起こるのだろうか?」

「金髪碧眼のノルディックが住んでいたアガルタのシャンバラ情報の集大成を目指す・・・・・・・・・・」「金星蛇人と火星霊人の戦争はその後どのように展開したのだろうか」
「日本民族の神話の原郷『高天原(たかまがはら)』は、『都市型の超巨大宇宙船』なのか!?」「平家がプレアデス星人の末裔で、源氏がオリオン星人の末裔なのか」
「小人族のグレイの母船に同乗する金髪碧眼のノルディックは、”悪魔の王””ルシファー”なのか?!」

「円盤は神人や異人、悪魔の乗り物なのか!?」「天使は神の秘密諜報員なのか」「神は最初のフリーメーソンなのか」

「UFOは、人類の歴史が始まって以来、最も重要な現象なのか。UFO問題とは、人間にとっての死の問題を解くことなのだろうか。UFOはフリーメーソンの創作なのか」

「全宇宙を創ったという“虹の神々”も地球に来ているのだろうか」

「イルミナティなどのフリーメーソン組織に入ると神に会えるのだろうか」「金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けたのだろうか」「フリーメーソン結社はこの大地が創出されるよりずっと前から、さまざまな太陽系をめぐって、存在していたのだろうか」

「国際連合の設立に動いたキリストの星、アプ星人とは」

「人は皆、記憶喪失の異星人だろうか」

「はるかに進化した天使のような宇宙人は、人間の守護霊や背後霊なのだろうか」「セドナ上空に見えないエーテルのシティが滞空するのだろうか」

 

グーグルのブロガーにも書いています→UFOパラレル・ワールド

 

 

 

 


ほぼ確実に言えることがある。日本は間もなく、インドに追い越される。(2)

2018-12-24 18:54:22 | 森羅万象

 <日本人のあいまいさは欧米人には受け入れられない

・キリスト教ではこの世の終末にキリストが再臨し、この世に生きたあらゆる人を裁き、永遠の生命を与えられる者と地獄に堕ちる者とに分けるといわれています。すべての人が白か黒かはっきりと決められてしまうのです。

  仏教はそうではありません。親鸞が開祖の浄土真宗には悪人正機という思想があります。「悪い奴もまた救われる」ということだと説明されたりしますが、仏からみればすべての人々が平々凡々たる「悪人」なのだから、それを自覚した者は、衆生(すべての生き物)を救いたいと思っている仏の救済対象になる、という考え方です。

  この違いは、絶対主義と相対主義の違いともいえるでしょう。要するに、何かが絶対的に正しいということをいえば、当然そうでないものは滅ぼさなければいけないという理屈になってしまうのです。

 

 70年間、憲法改正をしなかった国民性

・イエス・ノーをはっきりさせず、あいまいなままで受け入れるという日本人の性質は、2015年9月の安全保障関連法の成立の際にも表れました。

  安倍内閣はそれに先立つ2014年7月、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈の変更を閣議決定しました。関連法はそうした解釈を土台としたものです。日本的なあいまいさが放置されたのは、この点です。政府は憲法が集団的自衛権の行使を認めているかどうかについて議論を尽くさないまま、関連法案を国会に提出し、成立させてしまったのです。

  関連法案はそうした経緯で作られたものですから、国会での審議で憲法学者から「違憲だ」という指摘が出ましたし、国民からも憲法解釈と日本の武力行使のあり方の両面から大きな反対の声が上がりました。

  この問題は日本の武力行使に関する議論をし、そこで必要なら憲法改正するというプロセスで考えるべきだったのです。

 

・今回のように憲法改正なしで安保法が成立したのは、自衛隊の活動範囲と憲法の規定の整合性があいまいなままでも気にしないという、日本人特有の感性があるためでしょう。また、憲法改正がまったく行われてこなかったために「憲法を変えること自体がおかしい」という意識がいつのまにか醸成されたことも背景にあるのではないかと思います。

 

 幼児化した人々に社会が乗っ取られる

・歴史的、文化的背景が異なれば、これほど考え方が違うのですから、それは変えようもなく、それよりお互いの差異を理解すればよいのです。本書で何度か触れましたが、幼児化したいまの日本人にそれができるかどうか、それこそが問題だと私は考えています。

  特に近年、コミュニティごとに同質化が進んでいるようにみえます。一生のうちに自分が出会う人が、同じような学校を出て、同じような仕事をし、同じような所得と価値観を持つ人ばかりになっていないでしょうか。

 

 政治が家業になってしまっている

・国をリードしていく立場にある政治家が、なぜそのようなレベルの思考や行動しかできないのか。その理由はいろいろ考えられると思いますが、私はそのひとつは、世襲議員が増えたことだと思います。

  日本の世襲議員の割合は、着々と増えています。中日新聞が2012年の衆議院選挙の直後に調査したところによれば、衆議院議員の4人に1人は「親族の国会議員の地盤を継承した、もしくは、父母や祖父母が国会議員だった」という世襲議員だったということです。

  それ以前と比べると、2009年時点では衆議院議員480人中、世襲議員は90人、うち自民党は55人。それが2012年には114人へと増加し、うち自民党は89人を占めたといいます。

  もちろんすべての世襲政治家が悪いとはいいませんし、彼らも正当な選挙で選ばれたという点においては、ほかの政治家と何ら変わるところはありません。しかし本人の能力で選ばれたというよりは、議員の子供や孫だからという面があることは否定できないのではないでしょうか。

 

・さらに問題なのは、彼らは若いころから政治の世界にいるため、ほかの世界を知らないし、経験も不足しているというのです。世襲でない議員は、役所や会社勤めをして広い世界を知ってから政界に転身するのが一般的です。

  ところが二世議員は、せいぜい政治家である親の秘書を経験したくらいで、20歳代や30歳代のうちに政治家になってしまいます。彼らには彼らにしかわからない苦労があるでしょうが、やはり若くして「先生」と呼ばれるような生活しか知らないのでは、視野が狭くなりがちでしょう。

 

 与党内で言論統制!?

・なぜそんなことになったのか。週刊誌などでは、官邸(安倍首相や官房長官と内閣官房スタッフ)が、若手議員に対して出演しないよう圧力をかけたのではないか、それではまるで言論統制だと報じられています。若手議員がテレビの生放送でうかつな発言をすることを恐れたのでしょう。

  生放送などに出演したら失言するに違いないと思われている若手議員も情けないけれど、それを力で押さえつけるというやり方もどうでしょう。まるで生徒と先生のような、未熟な関係のように私には思えます。

 

 小選挙区制で派閥が崩壊

・テレビで自由に発言させないということにとどまらず、いまの自民党政治は昔と比べて、首相のトップダウンで政策が決まることがはるかに多くなっています。

  かつては自民党内にいろいろな派閥があったため、官邸と対立する政策がたくさん出てきました。

 

・なかでも1970年代の「角福戦争」をご存知の読者も多いでしょう。田中角栄率いる田中派が日本列島改造論を掲げ、積極財政で高度成長をめざしたのに対して、福田赳夫率いる福田派は均衡財政と安定成長を唱えました。政策論争が高じて、他の派閥をも巻き込んだ激しい権力闘争が繰り広げられました。

  今日でもたとえば宏池会や清和政策研究会など、派閥は存在しています。しかし、それぞれの派閥が政策を掲げて戦う図式はあまり見られません。官邸の力が強まっているからでしょう。派閥の弱体化は、党の弱体化と官邸の強大化の裏返しです。

  その原因のひとつは小選挙区制にあります。小選挙区制では1党につき当選者は1人という形になります。その枠に入る立候補者は、官邸、すなわち自民党のトップが決めます。トップの権限が強大になるのも当然でしょう。個々の候補者にしてみれば、「公認を取り消す」とか、「対立候補を送り込んでやるぞ」と言われたらおしまいですから、従わざるを得ません。

  かつての中選挙区制の下では、当選者の枠は3人から5人ありますから、それぞれ違う派閥から立候補し、派閥をあげて戦う図式でした。そのため晴れて議員になった後も派閥のために働くというサイクルが回っていたのです。

 

 チャンスを棒に振った民主党

・若干偏見があるかもしれませんが、私は民主党の問題の根源は、主要な党員を育てた松下政経塾グループにあると思っています。彼らは理想は高いけれど、どうも政治家として成熟していないのではないか。

  政治家は自分の信念を主張するだけでなく、現実的に妥協するということも考えなければいけないのに、彼らにはそれができないようです。自分の言いたいことだけ言って、その後の対策を打たない。原理原則に執着しすぎて、妥協ができない人が多いようにみえます。

 

 成長戦略にこだわる安倍政権

・日本のトップである安倍自身も世襲政治家です。彼に行政の経験や、企業の管理職・経営者の経験はありませんから、そういう意味での経験不足は否めません。彼もまた若いうちから政治の世界に入って、あまり経済や行政を知らずに育ってしまった1人です。

 

・政治家が何か目標を掲げたとき、その目標を達成するには、やはり官僚機構を使わなければいけないわけです。官僚だった私が言うのもおかしいですが、政治家の意思だけでは現実は何も動かせません。政策を実現するには官僚を使わないとだめなのです。だからどの省庁に何をやらせるかということをきちんと決めて、しかも担当の役所と合意することが大事になってくるのです。

 

・財務省は財政再建を至上命題と考えています。財政が大赤字であることを考えれば当然のことでしょう。そのための方策として増税をしたい。しかし安倍総理は増税どころか、2015年に8%から10%に上げるはずだった消費税増税を、2017年まで延ばしました。しかし、現在の日本の累積赤字は2015年度末で1167兆1000億円とGDP比で234%に達しています。また2011~15年の年平均財政赤字はGDP比で8.1%ですから、このままだと2023年には累積赤字がGDP比で300%を超えることになってしまいます。これでは国債市場の波乱を招きかねませんから、消費税増税等による財政赤字対策が必要になってきます。

  安倍総理の考え方はどちらかというと成長重視で、財政再建は二の次というところがあるようですが、この問題についてはより積極的に取り組む必要があります。まだ若干の時間的余裕があるうちに、しっかりした財政再建策を作成して実行に移す必要があると思われます。

 

 「貧乏人は麦を」の池田は経済原則を無視しなかった

・日本の賃金はこの20年ほど、ずっと下がっています。その背景にグローバリゼーションがあることは、非常にはっきりしています。日本の大部分の産業は、中国やインドをはじめとした新興国との競争にさらされています。

 

 選抜方式が変わらなかったことは、日本の官僚機構のメリット

 「官僚を使わない」ことが政治主導なのではない

・しかし、官僚には「その計画は予算的にみておかしいですよ」などという権限はありませんし、余計なことをいって政治家に大目玉を食らうのはかないませんから、官僚の側から途中で口を出すことはありません。そうしているうちに実際の整備費が莫大な額に上ることがわかった。それはやはり政治家の側が詰めるべき点をきちんと認識していなかったことに原因がありますが、少なくとも官僚とよくコミュニケーションしていれば、そうしたミスはなかっただろうと思います。

 

 

 

 『幼児化する日本社会』  拝金主義と反知性主義

 榊原英資   東洋経済新報社    2007/7/19

 

 

 

規制緩和と地方分権の落とし穴

 「規制緩和は常に善」か>

・昨今、中央集権から地方分権への流れが、少なくとも意識のレベルでは一般的になっています。また、さまざまな分野で官による規制をもっと緩和せよという声も、実際強くなっています。しかし、政治や行政の面でのこうした議論も、典型的な2分割思考に陥った議論だという側面があります。「地方分権は常に善であり、中央集権は常に悪だ」という発想です。地方分権や規制緩和のメリットを一方的に主張するだけで、そのデメリットまでも含めた複眼的な見方がなされていないのです。

 

 地方自治体を潰す覚悟があるのか

地方分権についても「分権を進めさえすればメリットが生じる」という声が大きくなっています。分権のデメリットは忘れ去られていますが、その最大のものは、実は各自治体の格差が拡大することです。

 

 分権の突きつける新たな問題

いま、地方自治体の最大の悩みは深刻な財政赤字だと言えるでしょう。こうしたなかで分権を進めれば、実質的に破綻する自治体が増えることは目に見えています。

 

 官製談合を「破壊」した後をどうする

・官製談合は「破壊」されつつありますが、これに代わる新しいシステムの姿はよく見えていません。

  完全な競争入札にするのも一つの方法である。但しそうすると、建設業界はほかの業界と同様に厳しい淘汰にさらされるでしょう。日本全国の建設会社は60万社超にも上り、これほど多くの会社でパイを分け合っている業界はほとんどありません。完全な競争入札にすれば、地方の中小建設会社は軒並み潰れていくでしょう。

 

 小泉改革は日本にとってプラスだったか

・小泉は非常に効果的なレトリックを使い、改革について、ある種の肯定的な雰囲気を作りました。しかし、彼の在任中に行われたことで日本にとって大きくプラスとなるようなことは、ほとんどありません。

  彼の大きな仕事は道路公団の民営化と郵政民営化です。しかし、道路公団のほうはすでに失敗していると言ってもいいでしょうし、郵政民営化もおそらく失敗する可能性のほうが高いでしょう。

 

 地方活性化の核になるのは農林水産業

・地方を活性化させる決め手は、農業と漁業だと思います。これまでは「農林水産業の衰退をいかに食い止めるか」という発想でしたが、「農林水産業をいかに活性化するか、それを地方の発展にいかに結び付けるのか」へと、切り替えることです。

 

農業を近代化する方策はいくつか考えられます。第1に株式会社制度の導入です。第2に農業と製造業の多面的な連携を図ることです。なかでも重要なのは公共事業の縮小で仕事が減ってくる建設業から農業などの第1次産業へ労働力をスムーズに移動させることです。第3に専業農家だけを育てる農業政策の見直しです。専業農家は約40万戸と非常に少ないのですが、そこに政策の重点を置くのか、それとも兼業農家も含めて考えるのかということです。

 

・現在、農業をはじめ第1次産業の現場は、近代的な経営がなされていないため、きつい、汚い、危険の3K職場になってしまっています。近代化によってこうした職場環境が改善されていけば、若い人たちが就職し後継者が育つ産業へと変わっていくでしょう。

 

 

 

 『「通貨」で読み解く世界同時恐慌』

 「世界同時不況」を予見した「ミスター円」が日本の将来を先読みする!

 榊原英資    アスコム   2012/1/5

 

 

 

中国バブルの崩壊

・現在の状況も1929~30年に似ているといえるでしょう。世界経済は中心がアメリカから中国へ移行しようとしているのです。バブル的に拡大した中国経済が調整局面に入り、不動産バブルも次第に崩壊の兆しを見せています。もしこの中国のバブルが崩壊すれば、30年代の大恐慌と同じ状況に陥るでしょう。

 

・30年代の恐慌のように「戦争」という景気対策が絶対的に使えなくなっているのです。

 

・一方日本経済は震災からの回復局面にありますが、円高は日本経済を大恐慌に巻き込む可能性があります。

 

 2012年、世界同時不況が世界同時恐慌になる!?>

・よくても「世界同時不況」で、ひどければ、「世界同時恐慌」

 

・心配なのは中国やインドのバブル経済が1929年のアメリカのように急激に弾けてしまうことです。

 

 恐慌から抜け出す唯一の方法は「戦争」だけだった

 「アメリカの時代」は終わった

・ヨーロッパの財政危機が極めて深刻なことからアメリカの二番底が、世界同時不況の長期化で済めば御の字でしょう。悪くすると世界同時恐慌の引き金の一つになりかねません。

 

・この大不況を引き起こしたのは、一言でいえば、「アメリカ型金融資本主義」の終焉、あるいは「アメリカ金融帝国」の崩壊です。

 

 オバマ政権による景気対策効果は、一時的な回復に過ぎない

・景気対策をやっているうちに政府や地方政府の財政がどんどん悪化してしまい、これ以上有効な手を打つことが難しくなった。

 

 アメリカも日本の轍を踏んで「失われた10年」へ突入した

・ジャパナイゼーションは「日本化」という意味で、アメリカ経済もバブル崩壊後の日本のようになってきたという見方が支配的になってきたわけです。

 

 アメリカはバランスシート不況から、いつ脱出できるのか

・アメリカがバランスシート不況から脱出できるのは2018年になります。

 

 かっての強いアメリカは二度と戻らない

・ギリシャの二の舞にならないまでも、国が対外債務を履行できなくなる「ソブリン・リスク」の方向にだんだん近づいているわけで、ドルは次第に弱体化していきます。

 

 ギリシャの借金は40兆円近く、過半数が民間の貸し出しである

・EUからギリシャを追い出しても、問題が解決するという状況ではない。

 

 経済規模の大きいイタリアの危機は、ギリシャより格段と深刻である

・イタリア経済が破綻すれば、世界経済に与える打撃は、ギリシャの比ではないのです。

 

・ユーロに参加していない東欧諸国経済も悪化の途をたどりつつある。

 

・独自路線のイギリスは、ユーロへの不参加が救いに。

 

 欧州発「第2のリーマン・ショックが起きる!?

・ギリシャ国債(その50%は紙くずになります)を保有したり、ギリシャ支援で融資したりする銀行は、傷がどんどん広がっています。

 

・今後は、アメリカで起こったリーマン・ショックのような金融危機がヨーロッパで起こることを警戒しなければなりません。

 

 リーマン・ショック時より深刻な欧米大不況

・欧米の問題は、どちらも一時的な落ち込みではなく、「構造的」な問題です。

 

・今の世界経済の状況は全体としてみれば、2008年9月のリーマン・ショックのときより悪いだろうと思います。

 

 世界の通貨は「ドル基軸」から「無極化」に向かい始める

不安定な通貨の無極化のなかで、経済が極端に悪化すれば「世界同時恐慌」になってしまうでしょう。

 

 10%弱の成長を持続できる基礎体力が中国にはある

・形としては他の政党を認めない共産党独裁ですが、実績は巨大な官僚機構がルールに従って動いており、ルールを逸脱する無茶はしないというのが、中国の政治なのです。

 

 中国の大きな懸念材料は、バブル経済をどう抑えるかである

・不動産バブルを強権的に抑え込むか、ハードランディングするか。

・世界同時不況が中国に与える影響は小さくない。

都市との農村のアンバランスが、深刻な貧富の格差を生んでいる

・中国とインドに共通するのは世界最大の格差社会ということである。

 

 元は次第に切り上がり、20年以内に自由化される!

・おそらく10~20年のうちに、中国は元の完全な規制撤廃に踏み切るでしょう。

 

 インドもバブル調整とインフレの抑え込みが大問題になっている

 中国、インドへの世界覇権の回帰は、歴史の必然である

 いまや「攻めの円高戦略」が求められている

・とりわけ重要なのは、円高を日本人や日本企業がグローバル化する絶好の機会ととらえて、戦略的に海外に出ることです。

 

 「強い円は日本の国益である」と宣言しよう!

・すでに日本は財務大臣が「強い円は日本の国益である」といわなければならない時代を迎えたのかもしれません。

 

 国の借金1000兆円の日本が、“ギリシャ”になる可能性はあるか

・さて、日本はギリシャやイタリアとはケタ違いの借金大国です。では、日本はギリシャやイタリアと同じ末路をたどってしまうのでしょうか。そう思うのは早計で、大きな間違いです。

 

・ですからバランスシートは、借金と資産の両方を見なければいけません。日本は負債が大きい代わりに、資産もケタ違いに大きいのです。

 

 家計の資産が大きい日本は、まだ金持ち国家である

・日本にソブリン・リスクが皆無とは、もちろんいえませんが、そのリスクは小さく、いまのところソブリン危機に陥る恐れはありません。

 

・日本の国債の94~95%は日本人が買います。つまり日本人が日本政府にカネを貸しているので、世界の誰も困りません。

 

 消費税引き上げは、もはや避けられない!?

・ただし、余裕はせいぜい200兆円ですから、国債50兆円を10年出し続けることはできません。現在5%の消費税は4~5年以内に引き上げるしか、日本に打つ手はありません。このままいけば、10年先には日本はギリシャのように国家破綻が懸念される状況に陥ります。

 

・しかし、3.11による落ち込みがあった直後ですから、短期的にはつまり1~2年のうちは増税すべきではないでしょう。財政再建は2年ほど棚上げにして、国債発行による大型予算を組み、成長への舵を切るべきだ、というのが私の考えです。

 

 日本は、戦後最も重大な局面を迎えている

・ですから、このままアメリカ型の小さな政府を維持するのか、あるいはヨーロッパ型のフランスやドイツのようにある程度大きな政府を目指し、福祉を充実させるのか、日本はそんな選択を迫られていると思います。これが私のいう曲がり角です。

 

 日本はフランス型の高福祉社会を目指すべきである

・日本でアメリカ型の小さな政府を続けると、格差が広がり社会がぎすぎすして荒廃し、結局もたなくなる可能性が大きいと思います。つまり日本はヨーロッパ型としてフランス型の高福祉社会を目指すべきなのです。

 

 成熟国家のメリットを生かそう>

・日本の強みは「環境」「安全」「健康」にある。

・成長が期待できる分野で、規制緩和や自由化が遅れている。

・農業を成長産業にするために舵を切れ。

・日本人だけが、日本の将来に悲観的になっている。

 

 

 

 『公務員が日本を救う』  

   偽りの「政治主導」との決別

 榊原英資  PHP   2011/6/27

 

 

 

「がんばれ!公務員」こそ真の国益

・いわゆる「公務員改革」が民主党政権の中心的政策課題になっています。政権をとった2009年衆議院選挙のマニフェストでは、国家公務員の「総人件費2割削減」と「天下り根絶」を二大公約に掲げています。しかし、これは「改革」というよりは、私には世論に悪のりした「公務員パッシング」のように思えるのです。

  というのは、日本の公務員の総人件費は、GDPとの対比でOECD

 諸国の6%。たとえば、イギリスやフランスの半分程度なのです。また、人口1000人当たりの公務員数も42.2人と、これもイギリスやフランスの半分以下です。

 

 <「日本は公務員天国」は大間違い>

・「日本は公務員天国」などと呼ばれ、公務員の数が外国に比べて多いと思っている人が少なくないようです。しかし、事実はまったく逆で、日本の公務員は人口1000人あたりで先進国最小の42.2人です。アメリカは73.9人、フランス95.8人ですから、他の先進国のほぼ半分です。

イギリス、フランスの4分の1前後なのです。さすがに連邦国家であるアメリカとドイツの公務員数は少ないのですが、それでもドイツは日本の2倍弱、アメリカも日本よりやや少ない程度です。

 

・地方公務員の数は国家公務員の2倍を超えますが、日本の公務員の数は絶対数でも先進国最少です。

 

・実は、日本の公務員数の少なさは日本の財政規模の小ささの結果でもあります。日本の一般政府支出(中央政府・地方政府・社会保障基金)の対GDP比は2008年ベースで37.1%、データのあるOECD諸国28ヶ国のうち24番目の規模です。日本より小さいのは、メキシコ・韓国・スイス・アイルランドなどですが、人口5000万人以上の先進国では日本が最少だということです。

 

・実は、「無駄」が多いのは行政より政治の側です。無駄が多い側の政治家が無駄の少ない側の行政官を呼び出して仕分け作業をしているのは、何かおかしいのではないかと感じるのは私だけではないでしょう。

 

日本は公務員天国どころか、少数の公務員で小さな政府を維持しているOECDのいわば優等生なのです。

 

 「政治家」の仕事もする公務員

しかし、公務員の仕事といっても千差万別です。なにしろ、国家公務員と地方公務員を合計すると500万人を越え、日本の労働力人口6千数百万人の10%近くに当たるのですから・・・

 

・この国会対応が、多くの役人のかなりの時間を占めます。しかも、仕事は夕方から夜半にかけて行うしかありません。

 

・しかし、国会対応だけが公務員の仕事ではありません。公務員の本来の仕事の中心は予算と法律づくりです。予算についても裏付けとなる法案・予算関連法案が必要ですから、役人の仕事の中心は法律づくりだということができるでしょう。もちろん、最終的には法律をつくるのは立法府である国会ですし、議員が提案して法律をつくることもあります。しかし、日本の場合、成立する法律のほとんどが政府提出法案、つまり役所が準備し根回しをした法案です。

 

・行政府の仕事は形式的には法律の執行であり、法律の作成は形の上では立法府の仕事ですが、現実のところは、行政府の仕事のおおくの部分は、法律づくりの準備なのです。これは、日本の行政府の一つの大きな特色でしょう。

 

たとえば、アメリカの場合、有力な議員は厖大な数のスタッフを持ち、彼らの協力を得て法案をつくります。アメリカでは、形式的にはすべての法案が議員によって提出されますが、事実上も議員によって準備される法案が多いのです。つまり、立法の業務は、文字通り立法府が行っているのです。

 

 実は民間大組織のほうが官僚的

・私には、同じ大組織でも民間大企業のほうがより官僚的に見えます。もちろん企業にもよりますが、たとえば民間大企業の会長や社長の組織内での偉さは、役所の大臣や事務次官よりもかなり上のように思えます。

 

 「改革」はトップダウンだけでは失敗する

 政治家と公務員の境界を見直そう

・こうした議論に対し、日本では行政の大きな方向性を決めているのは、政治家というより、むしろ役所であり、そのための法律づくりも役所によってなされているという反論があるでしょう。おそらく、事実はこれに近いところにあるのかもしれません。しかし、それは政治家の力不足の結果であって、行政府を非難する理由にはなりません。

 

 <政治家たちこそ「改革」が必要だ>

 仕分けされるべきは政治家たち

・働きのほうですが、日本の場合、法律のほとんどは官僚がつくり、政府が提出するので、議員立法は成立ベースで全体の15%程度、提出件数でいうと全体の3割強。ヨーロッパ諸国では50%を超える提案がなされているのに比べると、かなり低い数字です。アメリカは政府には提出権がなく、すべてが議員立法です。国会の本会議の開会数も欧米の10分の1程度。委員会の開会日数もアメリカ、イギリスよりもかなり少なくなっています。

 

つまり、日本の政治家の役割は、法律づくりや予算編成ということではなく、むしろ、アメリカのロビイストに近いものなのです。選挙民やその他の支援者たちの要請を受けて、役所にかけあったり、法律作成のときに要望をしたりするわけです。

 

要するに欧米では地方議会はボランティア的性格が強く、ほかに職業を持っている人たちが、パートタイムで地方議員をやっているということのようです。

 

 政治家も出入りフリーな職業に

・欧米と比べると、日本の政治はかなり特殊なものになってしまい、ほかの職業と行ったり来たりすることが相当難しくなってしまっています。

 

・そして、国会議員と地方議員たちも系列的に繋がっていて、国会議員の後援会の中に地方議員が入って中核的に動いているのです。

 

日本の選挙は、ヨーロッパなどに比べると圧倒的にお金がかかるといいます。

 

・日本では選挙に強いこと、そして、当選を6回、7回と重ねることが大臣などの要職につくための条件ですが、イギリスでは必ずしもそうする必要はありません。

 

・個人の後援会が中心で選挙が行われていることによって、もう1つ顕著な特色が日本の政治にもたらされています。それは、2世、3世議員が極めて多くなっている点です。

 

 党人政治家による「民主主義」は終焉したが・・・

・原敬―――田中角栄と続いた、公共事業によって地方利益を図る党人政治家による「民主主義」政治はおそらく終焉したのでしょう。

 

 <専門的なことは専門家のテクノクラートに>

 

 


ほぼ確実に言えることがある。日本は間もなく、インドに追い越される。(1)

2018-12-24 18:53:17 | 森羅万象

 

『沸騰インド』

超大国をめざす巨象と日本

貫洞 欣寛  白水社  2018/5/26

 

 

 

日本は間もなく、インドに追い越される。

ほぼ確実に言えることがある。日本は間もなく、インドに追い越される。

インドは今、急速な経済成長を続けている。現在の7パーセント台成長を維持すれば、10年ほどで日本の国内総生産(GDP)を総額で追い越し、米国、中国に次ぐ世界3位の経済大国になることが予測されている。

 

さらに国連の推計では、人口面でも2022年までに中国を抜き、世界最大の国となる。「一人っ子政策」のような人口抑制政策を行なってこなかったため、社会の高齢化がすでに問題となっている中国を尻目に、今後も労働人口の膨張と人口ボーナス効果が続き、成長の追い風となることが予想される。

 中国が日本のGDPを追い抜いたのは2010年のことだ。

 

インドの核戦略

・「核ドクトリンを子細に検討しアップデートし、現状の課題に見合うように見直す

BJP(インド人民党)がこんな選挙マニフェストを発表して世界に衝撃を与えたのは、インド総選挙の初日、2014年4月7日のことだった。

インドはこれまで、「生物・化学兵器による攻撃を受けた場合を除き、核兵器を先制攻撃には使わず、報復のための手段とする。非核兵器保有国にも核攻撃は行わない」とするドクトリンを公表していた。事前にBJPの優勢が伝えられていただけに、核兵器保有国インドでもモディ率いるBJPが政権を握って核ドクトリンを見直すことになれば、国際情勢に与える影響は大きい。

 

・インドが核兵器の保有を宣言したことになる核実験は、パキスタンの核実験を誘発、南アジアで核軍拡競争の幕が開いた。日本などの事実上の経済制裁を受けたバジパイ政権は、制裁を緩和するねらいもあり、1999年に「核兵器は先制攻撃に用いず、周辺国の大量破壊兵器による攻撃を防ぐため、反撃の手段としてのみ保有する」とのドクトリンを打ち出していた。

 インドは核兵器の所在地や保有量を一切明かしていないが、ストックホルム国際平和研究所は、インドが120~130の核弾頭を保有していると推計している。弾頭ミサイルなどに常時装着せず、非常時に政府の決定を受けてから組み立てることになっている模様だ。

 

・インドは今も、民生用とは別のサイクルで、核兵器用の核物質の製造と管理を続けている。その実態は、闇に包まれている。これが、日本が原子力協定を結んだ相手の現実である。

 インドは高度なミサイル技術も持っている。核を運ぶ手段であるインドの弾道ミサイル開発は、宇宙ロケット開発と密接に関係している。ロケットとミサイルの基本技術は同じであり、弾道ミサイルの場合、大気圏に再突入するときに帯びる熱に耐ええる技術を開発する必要があるという点が最大の違いだ。

 インドは2014年、5000~5800キロの射程を持つ大陸間弾道ミサイル「アグニV」の発射に成功した。中国全土はおろか、ロシア東部や中東、中央アジア、発射位置によっては朝鮮半島と日本も射程に入る。現在の国際情勢でインドが日本に核ミサイルの照準を合わせることは考えられないが、その能力をすでに持っていることは間違いない。

 

・インドはさらに、多弾頭を搭載し、射程は8000~1万キロとされるアグニVIの開発も進めている。欧州全土やアフリカ大陸、さらにオーストラリアや北米大陸の一部にも到達できることになる。

 

・同時にインドは、安価なロケットの打ち上げで世界の宇宙ビジネス市場に参入を果たしており、キャノン電子など日本企業もインドに衛星の打ち上げを依頼している。

 インドの強みは、「フルーガル・エンジニアリング」という考え方を導入していることだ。これは、新規プロジェクトごとにコストを度外視して最新技術を開発するのではなく、倹約して既存の技術を使い回し、コストを抑えるという考え方だ。

 

・一方、インドでは当時、核戦略の見直しを歓迎する声も上がった。インド政策センターのシニアフェロー、バラト・カルナドもその一人だ。

 

・――核ドクトリンの見直しは行うべきか。

(カルナド) 行うべきだ。そもそも、ドクトリンの内容を公開すべきでなかった。公開したことによって曖昧さが失われ、インドの核抑止力は低下した。核攻撃や大規模侵略に対し、こちらがどう対処するかわからないということが、抑止力を生むのだ。また、先制不使用ということは、インドは一度、核攻撃を甘受しなければならないということだ。国民の犠牲に目をつぶる国が、世界のどこにあるというのか。

 もし核ドクトリンの見直しが行われるとしたら、今度は内容を公表すべきではない。

 

・――各国との原子力協定への影響も起き得る。

(カルナド)構わない。正直言って、私は米国やフランス、そして日本との原子力協定そのものを不要だと判断しているし、マンモハン・シン政権が米国との協定を結ぶ際にも反対した。ドクトリンの見直しでこうした国々との協定が廃棄されても、インドは困らない。

 

・インドの核戦略は、パキスタンを主眼に置いたものではない。パキスタンは小国にすぎない。主な対象は中国だ。中国はチベットに膨大な数の戦略拠点を設けており、軍事物資も集積している。30の部隊を28日間で動員できる能力がある。われわれには、こうした中国軍の侵略を止める通常戦力がない。核に頼る必要があるのだ。たとえば中国軍5万人が侵攻したら、われわれにできるのは山を吹っ飛ばして道をふさぐこと程度にすぎない。非常時の手段として戦術核兵器も必要だ。

――本当にドクトリンを見直せば、米国などの経済制裁も考えられる。

(カルナド) なぜ米国が1998年の制裁を解除したかを考えてみればいい。失敗したのだ。米国がインド市場から去っている間に、韓国の自動車メーカーが市場を奪い、損をしたのは米国だった。もはや19世紀ではない。経済制裁は機能しない。インド市場に参入したい国はいくらでもあるのだ。

 

・2010年に成立した原子力賠償法は、1984年にインド中部ボパールで、米ユニオンカーバイド社の農薬製造工場で起きたガス流出事故が、導入の理由の一つとされていきた。

 この事故では、50万人以上が猛毒のガスで負傷。当初の公式発表では2200人余りが死亡したとされたが、実際の死者はさらに多いと見られている。ところが、事故を起こしたユニオンカーバイドは吸収合併を経てすでに存在しておらず、被害者への補償は十分行われていないままだ。刑事責任の追及もうやむやのうちに終わった。インドで事件への怒りは今も強く、原子力事故が起きた場合に外国企業の責任を厳しく追及する賠償法の成立は世論に歓迎された。

 

・インドとの原子力協定締結について、日本で批判の声が強いのは被爆国としては当然だろう。だが、増えるエネルギー需要に対し、地球環境を考えた場合に、石油燃料の消費を抑えるための現実的な手段として原子力が存在することを忘れてはならない。原子力の安全性は高まっており、今やサウジアラビアまでも原子力発電を考える時代なのだ。

 

インドのエネルギー戦略

・膨大な電力需要に対し十分な供給・配電能力を持っていないインドは、さまざまな手段で発電能力を増強しようとしている。インドは総発電量を現在の300ギガワットから2040年には1100ギガワットまで増やす計画だ。うち、原発は32年までに40基増設し、さらに50年には電力供給の4分の1を原子力で賄う計画を立てている。

 インドがもう一つ期待をかけるのが、太陽光発電である。

 

・インドには、電気のない暮らしをしている国民が億単位でいる。モディ政権は、発電能力の向上と送電設備の改善などを通じ、こうした人びとが暮らす地域を電化しようとしている。

 

教育――「英語・IT大国」の実像

「英語・数学大国」の実像

・インドといえば、「英語と数学の大国」と言われて久しい。日本ではインド人に対し、一般的には訛りがありながらも弾丸のように早口の英語をガンガンと議論する人びと、というイメージがある。

 それでは、実際にインド人の何割が英語を話せるのだろうか。8割? 半分? それ以下?

 インド政府によると2001年の国勢調査では、英語を「第一言語」と答えたのは当時の総人口10億の0.02パーセントに当たる約23万人、第二、第三言語として英語を話すと答えた人まで含め、人口の約12パーセントだった。

 

・その後の国勢調査では言語状況が取り上げられておらず、全国規模の統計はない。一方でインド応用経済研究所(NCAER)の研究者らが2013年にまとめたインドの高等教育に関する調査報告などによると、今のインドで英語を流暢に話せるのは、4パーセントほどだという。「一定レベル話せて意思疎通できる」とまで定義を広げると、その数は20パーセントほどとみられる。

 この「4パーセント」「20パーセント」という数字をどう考えるか。これが、インドに対する見方を大きく分けるのだ。

 12億超というインドの総人口からいえば、「4パーセント」は5000万人を超え、スペインの総人口を上回る数だ。さらに20パーセントとなれば2億人を超える

 

・実際にインドでは、司法、立法、行政、そしてビジネス界で、英語が「エリートの言語」「共通語」として確固たる地位を得ている。その大きな理由としては、インドが多言語社会であることと、英国による植民統治の影響の2つが挙げられる。

 インドでは、2001年の国勢調査で1600を超える言語が確認されており、各州の公用語だけで22もある。デリー(ヒンディー語)、ムンバイ(マラーティ語)、チェンナイ(タミル語)、コルカタ(ベンガル語)、ベンガルール(カンナダ語)と、インド5大都市の主要言語はすべて異なる。ルピー札も表面は英語とヒンディー語で額面が記され、裏面はアッサム語、ベンガル語、グジャラート語など15の各州公用語で表記されている。

 

・エリートの世界の入り口となる大学での授業も、人文学や社会科学の一部を除き、おおむね英語で行われる。とくに理学、工学、医学はほぼ全面的に英語だ。各地から集まる学生の母語が異なるうえ、日本のように翻訳が盛んでないため、教育や研究に必要な専門書が欧米で出版された英語の原書のまま用いられていることも、その理由に挙げられる。

 

「4パーセント」の世界

・デリーにある教育計画行政大学の調査では、初等・中等教育のうち英語で教える学校に通う生徒数は2013年度までの5年で約2倍となり、約3000万人。デリー首都圏では約49パーセントが英語校に通う。その多くが私立だ。公立でも英語教育の学校はあるが、公務員の子どもたち向けの学校など都市部の「エリート校」などが中心だ。

 

横行するカンニング

・インド政府の調査では、2010年に小学校5年生までに学校からドロップアウトした児童は27.4パーセント、10年生までとなると49.2パーセントにのぼる。

 

・インドで流暢に英語を話し、高度な学力を持つ人は年々、増えている。だが、そういう教育を受けられないまま、地方に暮らす多数の貧しい人びとの置かれた現実は、依然として厳しい。インド政府は独立以来、教育の普及を第一目標としてきた。こうした努力の結果として、インド政府の統計では識字率は1991年の52パーセントから、2011年には都市部で84パーセント、地方部で68パーセントまで上昇した。だが、まだ100パーセントには遠いうえ、産業化の進展に伴い、量だけでなくその「質」も大きく問われるようになってきた。

 

日本の大学も、インドからの優秀な留学生を招こうとしている

・文部科学省は2008年に、2020年までに優秀な留学生を各国から30万人集める「グローバル30」事業を始めた。日本社会の少子高齢化、さらに若者の「理系離れ」が進むなか、日本がこれまで優位を保ってきた科学技術の分野でさらなる発展をめざせるような人材を得て、日本の大学や企業の国際的競争力を高めようという戦略だ。

 

インドで進む「太平洋ベルト」構築

・製造業を振興して成長のエンジンとするため、インドでは日本の「太平洋ベルト地帯」をモデルとした産業地帯の建設が進んでいる。

 デリー首都圏と西部の商都ムンバイ間約1500キロを貨物専用鉄道で結び、沿岸の両側150キロで産業開発地域を行い、工業用地や住宅地、商業用地、さらには港湾や空港まで建設する。「デリーームンバイ間産業大動脈(DMIC)」という名のプロジェクトだ。

 

インドの窮地を救った日本

・日印が接近するきっかけとなったのは、1991年に起きたインドの経済危機だ。

 外貨準備高が底を突き、デフォルト(債務不履行)の直前にまで追い込まれたインドに手を差し伸べたのが、日本だった。3億ドルの緊急借款と、アジア開発銀行からの1.5億ドルの協調融資で、インドは危機をしのいだ。

 

・1998年3月に政権に就いたBJPのバジパイ首相は経済開放をさらに進める路線をとったものの、同年5月にパキスタンとの軍拡競争に触発されるかたちで核実験を行い、パキスタンも核実験で対抗した。広島・長崎の被爆体験がある日本政府はインドに対して即座に強く抗議し、駐印大使を一時帰国させ、新規の円借款を中断、関係は冷え込んだ。

 日印関係がふたたび雪解けしたのは、2000年の森喜朗首相訪印だった。

 

インドはすでにBRICSの一角として世界的な注目を集め、パキスタンとの経済力の差は大きくなっていた。さらに安倍が念頭に置いていたのは、台頭する中国とのカウンターバランスと、インドの南方を走る日本のシーレーン防衛だった。インドは1962年に国境をめぐり中国人民解放軍と戦火を交え、敗れており、中国への警戒感はきわめて強い。中国という「共通のライバル」を前に、日印が連携を強めるという安倍の戦略は、インドでも一定の歓迎を受けた。

 安倍は日印関係に「戦略的」という言葉を加えて一段階格上げし、「戦略的グローバル・パートナーシップ」とした。さらにインド国会で「2つの海の交わり」と題した演説を行った。

 

日印協力のモデル、デリーメトロ

・デリーメトロはその後も路線の建設を段階的に続けており、2017年現在で7路線、総延長218キロとなり、路線の長さでは東京メトロ(195.1キロ)を超えた。

 

・デリーメトロの成功を見たインドの各主要都市は、次々とメトロの建設に乗り出した。

日本への支援要請も相次ぎ、ムンバイ、コルカタ、チェンナイ、ベンガルール、アーメダバードのメトロ建設事業で、円借款が行われた。

 

<インドに新幹線が走る日>

・建設されるのはマハシュトラ州ムンバイとアーメダバード間約500キロ。東海道新幹線(東京―新大阪)とほぼ同じ距離を、最速2時間7分で結ぶ。設計最高速度は350キロだ。

 

<原発とのバーター取引>

・新幹線の売り込みはさらに、もう一つの外交課題と連動していた。原子力発電をめぐる協力である。

 

インドは総発電量を現在の300ギガワットから2040年には1100ギガワットまで増やす計画だ。国内の石炭資源に恵まれており、石炭による火力発電が全体の6割を占めている。インドは同時に中国、米国に次ぐ世界第3位の温室効果ガス排出国として、排出抑制も国際的に求められている。実際に気候変動による沿岸部での洪水や内陸部の旱魃、ヒマラヤの氷河の解け出しなどの環境リスクも抱えており、アジア開発銀行は2014年、このまま化石燃料を使い続ければ2100年までにインドは年率最大マイナス8.7パーセントの経済的影響を受けるとの報告書を出した。環境面でも石炭火力発電を増やし続けるわけにはいかなくなっている状況だ。

 

<多様性>

インドを一言でくくるとすれば、「多様性」という言葉しか思い浮かばない。

 13億近い人びとと22の公用語。そしてヒマラヤの氷河から砂漠、密林、珊瑚礁の島まで広がる広大な国土が織りなす多様性は、一冊の本で伝えきれるものではない。

 それを前提としたうえで、「本格的な経済成長を遂げようとするインド」「外交・軍事面で広がろうとするインド」「英語とITの大国インド」という日本をはじめ各国で注目を浴びている面と、「世界最大級の格差とカースト差別を抱え、それがなかなか解消の方向には進まないインド」「物事が決して計画どおりには進まないインド」という国内の課題面に切り分けて取材した内容をまとめたものが、本書だ。

 

 

 

『最後の超大国 インド』  元大使が見た親日国のすべて

平林博    日経BP社    2017/6/22

 

  

 

北京の地下壕見学

・筆者は、1974年から76年までの文革末期に、北京の日本大使館に1等書記官として勤務していたので、反覇権主義については生き証人の1人だ。

 当時の北京には、地下にめぐらしたトンネル網が網の目のように広がっていた。核攻撃に備えたシェルターの役割と同時に、ソ連の侵入に際し、ゲリラ戦の基地にしようとしたのである。毛沢東主席は、ソ連に侵略されても、結局はお得意の人海戦術のゲリラ戦により勝つと豪語していた。

 信じられないかもしれないが、外交官である筆者なども、夫人同伴で、地下壕を見学させてもらった。当時の中国には娯楽などはなく、外国人が行けるレストランも1ダース以内であったから、地下壕見学の招待には、みな喜んで応じた。雑貨屋の入り口を入ると地下壕への入り口があり、下りていくと長いトンネルのところどころに食糧備蓄庫などがあった。

 

2025年に中国を追い越す

インドの人口は、現在では12憶3000万人と推定されており世界第2位だが、2025年頃までには中国を追い越すと予想されている。

 

<カースト差別との戦い>

<違憲・違法だが根強い>

・国内的にも国際的にも発展著しいインドだが、大きな弱点がある。カースト差別の慣行だ。

 カースト制度は、インド独立当時に制定された憲法で違憲とされて以来、法的には違憲・違法だが、社会的慣習として広く深く残っている。特に、農村部など政府の目の届きにくいところで顕著である。

 政府は、この差別をなくすために、下層カーストのための優遇措置などを講じてきた。一定の成果は上がっているが、まだ十分ではない。インド人は、相手の風貌や名前からある程度カースト階級を推測できるらしいが、我々外国人には難しい。難しいが、よく理解しておかないと、インドでの活動やインド人との付き合いで苦労することになる。

 

カースト制度とは?

カースト差別は、紀元前1500年頃、アーリア民族がインド亜大陸の北西部から侵入を開始し、もともと在住していたドラヴィダ系の民族を征服していく過程で成立したと言われている。カーストとはポルトガル語のCasta(血統)を表す語からきている。インドではヴァルナ(Varna)と称される。4つのヴァルナとその下にあるアウト・カーストがある。

 その名が示すように、カースト制度は、アーリア人がドラヴィダ人など原住民と区別し、自らを上位に置く制度であった。肌の色や血統による差別であるが、時代を経るにつれて制度化され、また職業によりヴァルナの中が細分化されていった。職業別の階層は、ジャーティないしサブ・カーストと呼ばれる。ジャーティの数は、数百とも数千ともいわれるが、厳密には数えきれない。

 

・カースト制度は、厄介なことに、宗教と結びついている。アーリア人が持ち込んだ原始宗教は思想的に整備され洗練されて、バラモン教となった。バラモン教が形骸化すると、紀元前5世紀に仏教やジャイナ教といった改革宗教が起こった。主な動機の一つは、バラモン教の形骸化、特にカースト差別への反発であった。仏教は、その後、マウリア王朝のアショカ大王によってインド全土に広まった。支配階級や商工業界層には仏教に帰依するものが多かった。他方、バラモン教は民間信仰なども取り入れてヒンドゥー教へと変身した。

 ヒンドゥー教は、カースト制度と密接に結びつき、支配階級や上層階層には極めて都合の良いものであったため生き残った。

 

・4階層のヴァルナは、次のようなものである。

 トップ界層は、ブラーミン。僧侶階層とされる。ヒンドゥー教を守り、宗教儀式を司り、経典の解釈を担当し、下の階層にヒンドゥー教を説く役割がある。ヒンドゥー教を守る聖なる役割を担当するので、ブラーミンを殺すことは特にご法度だ。もっとも、近代になると、ブラーミンといっても僧侶に限られることなく、政治家、官僚、企業経営者、学者など各界で活躍している。

 

・次は、クシャトリア。王族、貴族、軍人などである。現在でいえば、政治家、官僚、軍人である。彼らの活躍の場も大きく広がっている。

 第3は、ヴァイシャ。平民階層と称することもある。商工階層と上層部の農業階層が属する。今では、彼らの中からも政治家や官僚が輩出されている。

 

・第4は、スードラまたはシュードラ。以前は、隷属民という訳もあった。農業従事者の中でも小作人、中小の商工業、下働きのサービスの従事者などである。彼らの中からも政治家などになるものも少なくない。

 

・この4つの下にダリット階層がある。以前は、不可触民(アンタッチャブル)ないしアウト・カースト(文字通りカーストの外)と言っていた。

ダリットも、後述するように政治の世界に進出している

 

・カーストはヒンドゥー教と一体化しているので、ヒンドゥー教にはカーストが一生ついて回る。職業を変えることも難しい。インド人の中では、表だって言わなくても、常に「自分はなに階層」「あの人はなに階層」という意識が離れない。

 

・階層としてのカーストは依然存続するが、職業は必ずしも昔のようにカースト別にはっきりと分けられるものでなくなった。

 

カースト政治

・ここ数十年来、インドの政党政治には、カースト慣行が強く影響するようになった。低カーストは、とかく軽視されがちな自分たちの利益を守るために、政党をつくり政権を担うようになった。俗に、カースト政治と称する。

 

カーストをめぐる悲劇

カースト差別をめぐる悲劇は、今日のインドでも後を絶たない。

 一番多いのは、結婚をめぐる悲惨な事件だ。カースト慣行によると、原則として結婚は同じカーストの間で行われるべきものとされる。ブラーミンの男子はブラーミンの女子と、ダリットの男子はダリットの女子と、といった具合だ。インドでは、原則として見合い結婚なので、親も仲人も同じカースト同士でアレンジする。

 恋愛結婚によりカーストの上下にまたがる場合、男子が上位カーストの場合は順性婚、女子が上位カーストの場合は逆性婚と呼ばれる。前者は、白い目で見られるが、かろうじて許容される。しかし、後者は、許されない結婚である。周囲からは仲間外れにされる可能性が高い。場合により、二人ないしどちらかが、親や親戚などにより殺されるケースもある。そのような悲惨な事件は新聞に時々掲載されるが、これは氷山の一角であろう。田舎に行けば、偏見が強い分、多くの悲劇が起こっていると思われる。

 インドの新聞の日曜版は、特に分厚い。結婚欄が、10ページぐらいある。カーストなどによって分類されて掲載されている。

 

・最近では、村落にもテレビやパソコンが入り、個人がスマホを持つ時代になった。虐げられてきた下層カーストたちも、世の中の情勢を知るようになった。

 

低カースト救済のための留保制度

ダリットからの脱出

・ダリットのための留保制度などはあるが、日常生活や職業における差別は根強い。特に耐え難いのは、「同じ人間」として扱われないことである。そのような現実から脱する手段を選ぶ人もいる。カースト慣行はヒンドゥー教と表裏一体であるので、一番手っ取り早いのは、ヒンドゥー教に「さよなら」を言うことである。仏教、キリスト教、イスラム教、シーク教にはカースト制度はない。

 

・インド政界では、ダリット出身者が実力で出世し権力を持つことが少なくない。

 

第4次印パ戦争の瀬戸際に立つ

・筆者が駐インド大使であった頃にも印パ間で武力紛争があり、戦争の瀬戸際まで行ったことがある。

 

インド人の日本観

『スラムドック$ミリオネア』原作者の日本駐在談

・東京は世界で一番レストランが多いが、1人当たりの自動販売機もそうだ。技術は生活の不可分の一体をなす。世界最古のブレット・トレイン(新幹線)、ウォシュレット、耐震・免振のビル、空港でのペーパーレス・チェックイン、ロボット式の駐車場、バーやレストランのタッチ・スクリーンのメニュー、ロボット式の電気掃除機、さらには真四角のスイカも!

 日本の都市は最も組織化され、最もクリーンだ。公共交通も発達している。早くて便利で時間に正確だ。郵便と宅急便の配送システムは、驚異だ。

 

インドは宗教の百貨店

・2011年の国勢調査によると、ヒンドゥー教徒が79.8%、イスラム教徒が14.2%、キリスト教徒が2.3%、シーク教徒が1.7%、仏教徒が0.7%、ジャイナ教徒が0.4%、ゾロアスター教徒が6万人強となっている。

 

カースト制度に要注意

・特に理解しておかなければならないのは、カースト制度である。他国にはない独特の差別制度であり、かつ根が深いからだ。自分が交渉するインド人、パートナーとなるインド人、雇用するインド人がどのカーストに属するかは、理解しておく必要がある。もちろん、それによって扱いを変えるということではないが、知らないと困ることもある

 日本人は「みな平等」と考える教育を受けているし、日本社会はそうである。だからカーストの慣行には多くの日本人は戸惑う。どう扱ってよいか、慣れるまでは苦労するかもしれない。

 日本の進出企業は、事務所内でも工場内でも、「ここは日本なのだからカーストはなし」との意向を徹底しているようだ。インド人従業員は表向きそれに従うが、彼ら同志ではカーストを常に意識している。日本人管理職がインド人社員の出身カーストを間違って対応すると、ややこしいことになる可能性がある。したがって、社員の人事については、よくわかったインド人に任せるのがよいことが多い。

 

宗教について敏感であれ

・ヒンドゥー教徒は、最寄りのヒンドゥー寺院にはお参りするが、仕事上の配慮は特に必要ない。キリスト教徒や仏教徒も、うるさいことは言わない。

 しかし、イスラム教徒は、毎日5回、メッカに向かって(インドから見れば西に向かって)礼拝することが義務である。礼拝時間が来れば、それを許さなければならない。工場内には、モスクとはいかないが、どこかに礼拝場所をつくっておく必要がある。

 インド人は政治論議が好きだが、宗教の話はしないほうがよい

 

菜食主義の奥にあるもの

・食事に注意することも必要だ。衛生問題ではなく、菜食主義者(ベジェタリアン)かノン・ベジェかについての注意だ。

 インド人にはベジェタリアンが多い。日本人のように、健康上の理由ではない。宗教上の理由だから、尊重する必要がある。

 

・菜食主義者の中でも、程度がまちまちなので、さらにややこしい。卵はOKという柔軟な人もいれば、NOという人もいる。

 極端なのは、ジャイナ教徒だ。ジャイナ教徒の中でも特に厳格な人は、野菜といっても、根菜類(ニンジン、大根、かぶ、ジャガイモ、サツマイモなど)はご法度だ。筆者によれば、理由は2つ。根菜つまり植物の根を食べてしまえば、その植物は死ぬからNO,葉っぱや果実を食べるのはOKというわけだ。第2の理由は、根菜類を採取する際に、地中の虫(例えばミミズ)を殺してしまう恐れがあることだ。ジャイナ教では殺生は厳禁なのである。

 

 

 

『幼児化する日本は内側から壊れる』

 榊原英資   東洋経済新報社   2016/3/30

 

 

 

人間の幼児化

・物事を単純に白だ黒だと決めつけて、どちらかを一方的に攻撃する、他人は自分の思い通りに動くものだと思いこむ――そうした考えを持つのは、人間の幼児化です。クレーマーの増加はその表れでしょう。それに対する企業も、しばしば「謝りすぎ」ではないでしょうか。リーダーである政治家の言動にも幼児化が見受けられます。

  人々の知的な退化が進み、日本が内側から壊れてしまうことを、いま私は危惧しています。

 

 為替・債券のプロの人生哲学

 「確実なものなどない」、「市場はわからない」>

・金融の世界でいえば、投資家のジョージ・ソロスも「解答は必ずしもない」ということを知っている人です。彼はカール・ポパーの弟子ですから、同じような考え方をするのは当然ですが、「人間は必ず過ちを犯す。それを意識することが非常に重要だ」と強調しています。

 

 一般の日本人に一神教の理解を迫るのは無理

・いま、過激派組織ⅠSと欧米・ロシアの戦いが、世界に多大な影響を与えています。経済問題も絡んでいますが、イスラム教対キリスト教の宗教対立がやはり大きな背景となっています。さらに2016年初頭、イスラム教国であるサウジアラビアとイランが国交を断絶しました。原油安

に起因する経済問題が引き金となりましたが、それぞれの国の多数派がイスラム教の異なる宗派であることも亀裂を深くしました。

  ただし、そうした報道に接してもいまひとつピンと来ないというのが、一般的な日本人の感想ではないでしょうか。

 

・世界地図をみて気づくのは、インドから東はヒンズー教や仏教など、多神教あるいは複数の神がいる宗教の国が多く、中東から西はイスラム教やキリスト教など一神教の国が多いということです。いま、国際政治を揺るがせているのは後者の地域で、日本人には地理的にも宗教的にも遠い感じがするのは致し方ありません。

 

このように外来の宗教と対立せずにそれを受け入れる風土は、日本がもともと森羅万象に八百万の神がいると考える多神教の国であったことと関係が深いのです。多神教の国には、新しい宗教が伝来して神様が1人増えたところで大した違いはないという、大らかな感覚があるのではないでしょうか。

 

・これほど違うのですから、現代に生きる私たちに今日、一神教世界で起こっている争いを完全に理解しろというほうが無理です。しかし、私たちは自分たちとはまったく違う思想や行動規範を持つ人々がこの世界に何十億人といるのだ、という事実は認めなくてはなりません。

 

 神様の数だけ正義があると考えるのが日本流

・唯一の神を信仰する一神教では、異教徒は排除すべきであるので、神の名の下に異教徒を殺していいことになってしまいます。他方、多神教の場合にはそこまで絶対的な信仰を持っていませんから、相手を殺してまで貫くべき正義があるとは考えません。

 


12月23日(日)のつぶやき

2018-12-24 05:58:51 | 森羅万象