酔いどれ烏の夢物語

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酔いどれ烏の夢物語 春色

2023-04-18 16:50:48 | ポエム

     

       春色

まだ今日が始まったばかりの早朝

春コートを着た 青年を見た

彼は春風の中 コートの裾を翻して

颯爽と軽い足取りで歩いていた

僕はそれをカフェの二階の窓から眺めていた

彼は地下鉄の駅に向かって 階段を降りた

彼の髪と春コートは 一層はためいた

なんだか今日は良い日になりそうだ

 

うららかに春めいた日の昼休み

春コートを着た 青年が居た

彼は誰かを待っている様だった

彼は顔を上げると軽く微笑んで手を挙げた

もう一人春色のジャケットを着た青年が来た

彼の春色ともう一人 春色の青年

二人はにこやかに笑って消えた

 

まだ少し寒いけれど春の日の

清々しくて 心和む光景だ

爽やかな彼らが少しだけ羨ましい

僕はふと彼らの幸せを願う自分に気付いた

こんな風に誰かの幸せを願えるようになったのも

僕が少しだけ 大人になれたのかも

ある春の日の何気ない出来事