酔いどれ烏の夢物語

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酔いどれ烏の夢物語 冬の空

2022-12-21 21:29:41 | ポエム

           

                    

               冬の空

 

冬の青空は優しい青 

夏の鮮やかな青空とは少し違う

僕は今、生まれ育った街で数日を過ごしている

何かある度 逃げる様にこの街に来る

前に来たのはいつだろう?

目指していた会社の最終面接に落ちた時?

三年付き合ってた彼女に振られた時?

どんな時でもこの街は僕に優しい

慰める訳でもなく窘める訳でもない

ただいつも通りの日常が変わらず過ぎて行く

だから悩みも不安な気持ちも馬鹿らしくなる

 

冬の夜空はとても綺麗だ

僕は丘の上に登り 冬の夜空を眺めている

空は高く 空気は澄んでいて

藍色の空に散りばめられた星々は

いっそう煌びやかに光輝く

僕は一体、何を悩んでいたんだろう?

さっさと荷物をまとめて家を出よう

楽しくない毎日だけど辛いこともあるけれど

前を見て歩いて行けば良いだけだ

明日の朝一番の列車に乗ろう

穏やかな丘を降りつつ僕はそう思った

 

翌日の早朝、僕は家を出た

駅まで二十分程の道のりをのんびりと歩いた

まだ開店前の商店街の店先

見知った顔もあった 懐かしいな

両親は何も聞かずに出迎えてくれ

家を出る時には笑顔で見送ってくれた

それがとても恥ずかしかった

今度帰る時には楽しい話でも聞かせよう

駅の階段を上がり プラットホームに立つと

空気がより一層冷たく感じられた 空を見上げると

白い雲が ふぅ と小さく溜息をついた気がした

 

 

 

 

 

 

 



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