酔いどれ烏の夢物語

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酔いどれ烏の夢物語 出逢い

2023-01-21 21:55:39 | ポエム

                  

         出逢い

いつも不思議に思っていた 何があっても彼は笑顔を絶やさない

彼が弱音を吐いているところを見たことが無い

いつでも周りを気遣って みんなの支えになっている

僕も君に支えられた一人だ 一つしか年も違わないのに

どちらかと言えば運動より 読書している姿が似合っている

見た目もどこか愁いを帯びていて ともすれば病弱にさえ見える

なんてことを言ったら彼に失礼だろうか?

 

そんな彼がある日 あんまり考えすぎない方が良いよ

ベンチに座っていた僕に 確かにそう言ったのだ

僕にはやりたいことがあった それは両親の希望とは異なる

大学に通わせてくれた両親の 苦労を知らないわけではない

決して裕福な家庭ではないのだから

僕はそのことをまだ 親しい友人にも話したことは無い

この人は他人の心が読めるのか?

 

最近よく君を見かけるんだ 何か思いつめた顔をしてさ

だから何か悩んでいるんじゃないかと思って

僕の悪い癖だ 何でも一人で悩み一人で解決しようとする

僕はいつの間にか彼に話していた 自分が実子でないこと

小学校に入る前に 孤児院から引き取られたこと

そしてとても大切に育てられたことなど

すると彼は言った だったら尚更でしょう⁉

 

本当の君の気持ちを きちんと話すべきだろう

僕は両親に気持ちを伝えた 申し訳ないと思いつつ

流石に動揺していたが 理解を示してくれた

あれから二年 僕は目指す道を歩き始める

あの日 彼が僕の背中を押してくれた そのおかげで

そんなことを思い出したのは 僕の配属された施設に

彼の姿を見つけたからだ 本当に人との出逢いは素敵だ

 

 

 

 

 

 

 

 



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