そのさきへ -Deep Sky Blue version-

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妄想と現実

2007-08-02 17:45:19 | MLB
Trading deadline doesn't live up to the hype(ESPN.com)

今年もまた7月31日のMLBトレード期限が過ぎ、本格的なポストシーズンの椅子を争う戦いが始まりました。
この時期になると、どのチームが勝ち組で、どこが負け組かという話が出てきます。MLBも7月31日は
シーズン開幕やオールスターと同じくらいの力の入れようで盛り上げるのに必死です。

しかし、どうもここ最近の駆け込みトレードの時期というのは、MLBやSI、ESPNが盛り上げるほどの
興味をそそらなくなりました。最後に7月31日が大いに盛り上がったのは2004年じゃないでしょうか。
ランディ・ジョンソンがヤンキーズに行くのか、マニー・ラミネスはレッドソックスを出るのかなどなどと
盛り上がったあの年です。結局、ジョンソンはこの時点ではダイアモンドバックスに残り、7月31日が
近づくと必ず名前が挙がり続けたラミネスも移籍はなく、チームメイトだったノマー・ガルシアパーラが
カブスへトレードされました。

しかし、この時期に大物選手が移籍しまくるという時代はもう終わったようです。今シーズン開幕から
しばらく経過したときの予想であれば、アンドリュー・ジョーンズやマーク・バーリー、イチローは
ブレーブス、ホワイトソックス、マリナーズから既に離れているはずですが、バーリーとイチローに
至っては、今のチームと長期契約を結びなおしました(低打率にあえぐジョーンズの行く末は?)。

この記事では、なぜ7月31日のトレード期限がかつてほど盛り上がらなくなっているのかを
分析していますが、主にこうした理由からだとしています。

・7月末現在でポストシーズン(特にプレイオフ)進出に望みを掛けているチームが多いこと
・金銭的に余裕があるチームがサラリーの心配をしなくなりだしたこと
・若手であっても十分戦力になりえるとわかり、若手とベテランのトレードを好まなく
なりだしたこと

これらももちろん正しいと思いますが、実際のところは、メディアが過度な期待感で盛り上げておいて、
ふたを開けると、トレードの数は多いけど、注目すべき大型トレードは少ないな、という印象です。
いや、期待感というよりは、2-3年前のラミネスのときのような、半ば願望が混じった報道のようにも
思えるときがあります。結局、今年のトレード期限において最も大きいと思われるのが、レンジャーズの
マーク・タシェアラがブレーブスへトレードされたことぐらいでしょう。それ以外にも注目すべき
トレードの成立はありましたが、どちらかといえば小粒なものでした。

その上、今年に至っては、トレード期限までまだ時間が有り余っているNBAにおいて、優勝を渇望する
ケビン・ガーネットが王朝復活を望むセルティックスへ移籍するというニュースが7月31日にあったことも、
MLBのトレード期限の盛り上がりが欠けた要素でしょう。ガーネットはレッドソックスにやってきた
エリック・ガニエと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上の歓迎ぶりを受けて、フェンウェイパークの
マウンドに登りました

そして、なるほどねと思ったのが、あるチームの重役が語ったとされるこの一言です;

多くの人はファンタジーチームを持っているけど、彼らはトレードなんて
簡単なことと思っているのではないか?


ん~、ファンタジースポーツが発達したアメリカらしいものの見方ですが、確かにそうかもしれません。
ファンは「なんであの選手を獲りに行かないのだ!?」と騒ぐ一方で、簡単に自らのチームの選手を
入れ替えたりしますが、実際には相手チームとのやり取りがあってトレードが成立するわけだから、
そのあたりを混同していると考えられても致し方ないように思います。

そう見ると、ファンやメディアがうわさや憶測、願望で走りすぎている一方で、各チームのGMたちは、
暑い中、ごくごく当たり前のことを地道にやっているだけに思えてきました。トレード期限が過ぎて、
今後はウェイバーに出された選手を獲得する季節になりましたが、またシーズンが終わった直後や、
2008年7月31日が近づくにつれて、またトレードのうわさが次々と出て、それに一喜一憂するという
季節がやってくるのでしょう。


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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (カイザー)
2007-08-02 23:22:27
若手有望株を大事にするチームが増えてきたと思います。いくらポストシーズン進出が狙える位置にいたとしても、4ヵ月後にはFAでチームを去ってしまうかもしれない選手を獲得するために若手有望株を失うのはリスクが大きすぎると考える球団が増えてきたのでしょう。
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Unknown (アキヒロ)
2007-08-02 23:51:00
あのヤンキーズがこの夏にほとんど動きを見せなかったところを見ると、
少なくとも夏の段階では有望な若手を残そうとしているように思えますね。
実際にヤンキーズで上がってくる若手選手はそれなりに活躍していますし。
一方では有望な若手が沢山いるブレーブスが積極的に
動いたのが対照的だと思います。
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