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株主構成もチェックすべき事項に入るのか?

2004-11-16 18:37:00 | マネー&ポリティックス
東証、日テレとカネボウの上場維持へ 西武鉄道は廃止に (朝日新聞) - goo ニュース

ついに西武鉄道は上場企業というラベルを剥がされ、単なる関東の大手鉄道の1つという形に
なることが決まりました。別にこのことで明日から西武鉄道の電車が走らなくなるということは
ないのですけれども、それ以上に資本主義の根幹の1つ、株式市場において投資家を欺いた点で、
経営自体、完全に脱線したと言えるでしょう。

これとあわせて、ブルームバーグが配信したニュースによると、メリルリンチが、
「新しい上場廃止基準(以下「新基準」:筆者注)に抵触する恐れがある上場企業は約70社存在」し、「新基準に該当企業が対応できるように、
東証は1、2年程度は経過措置を設ける公算がある」との見方を示しているとのことです。
そして、この70社に該当する企業の中には、大幅に下落するものや最安値をつけているものも散見される模様です。
これらの企業の中には、いわゆる系列グループの一角(それもあまり大きくない会社)のような、
「持ち合い」が未だになされている会社も多いのですが、投資家の間では名が知れており、
証券会社が普通に業績からレーティングを付与している企業も数多いということです。

これらの企業の中には、新基準を先取りしたのか、既に大幅に売られている企業も数多いそうです。
メリルリンチによれば、新基準に抵触しないようにするには、公募・売り出しを行う企業が増え、
需給悪化をきたす恐れもあると考えています。


今回は東証の新基準に照らしたものとなっていますが、他の市場及び店頭市場などでも、
同様の方針が出される出る可能性もあります。そうなると、投資家にとっては業績だけではなく、
株主構成、それも「見えざる株主」までもチェックすべきなのでしょうか。
そうなると、「上場企業」という言葉自体何なのかわからなくなります。日本では「東証1部上場」とか書いてある会社も
結構あったりします。そういう会社は「上場=一流」という感覚なのでしょう。

しかし、「上場」という言葉にはもう何ら魔法がないことが西武鉄道や他の不祥事企業の事件で明らかになりました。
これからは「上場=一流」ではなく「上場=社会的責任」の時代になったと思います。
上場していることがすごいのではなく、上場したら情報公開を適切に行うことこそ重要なのです。
つまり上場はあくまでも通過点、人間で言うならば成人式と同じです。
自由市場では一定の規制と十二分の責任感が必要なのです。

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