そのさきへ -Deep Sky Blue version-

このブログは引っ越しています

優待か配当か?

2005-03-27 04:00:00 | マネー&ポリティックス
ビール各社が株主優待工夫 限定醸造、人気Tシャツも (共同通信) - goo ニュース

3月25日までに3月決算の銘柄をお持ちの方は、6月の株主総会への出席とその後の配当受け取りの
権利を得たこととなります。この3月期は増配企業が多いこともあり、投資家は配当利回りをいつも以上に
気にしていると思います。

一方、日本の株式市場で独特の制度の1つが株主優待があります。株式市場からの退場を命じられた
西武鉄道の"数少ない"一般少数株主は、主に西武沿線の人たちが多いのですが、鉄道の優待券目当てで
株式を所有していました。それ以外にも商品券やディズニーランドの割引券など、さまざまな株主優待が
存在しており、一般投資家向けの経済雑誌でもよく特集が組まれています。

しかし、海外投資家から見るとこれほど無駄なものはありません。理由は簡単です;自分が住んでいる国では
使えないものが多い(恐らくほぼ全て)からです。だから、外国人が要求するのは株主優待よりも
配当を増やせというものです。

株主優待もそれなりの費用がかかっているのであり、多くの場合、会社の業績変動とは関係なく、
一定の株主優待が与えられています。これは株価に関わらず優待をもらえるため、株主が得をする
システムではあります。それは優待を発行する会社にとっては諸刃の剣ともなりえます。

確かに、株主優待はデイトレーダーではない一般投資家を惹きつけるにはもってこいではあります。
投資する方としても、株主優待を基準に投資するスタイルが全く悪いわけではありませんし、現にそういう形で
投資先を決めている人も多いです。ただ、一般投資家も業績や配当性向をしっかり見て投資する人も
増えてきています。また、株主優待で何のメリットを享受できない海外投資家も増えおり、現在の市場が
大きく下げないのも海外投資家のおかげです。そうした時代では、株主優待という制度もそろそろ
曲がり角に来ていると思います。

最新の画像もっと見る